車椅子での飛行機の搭乗手続きや航空券の予約方法を解説!受けられるサポートもご紹介

今回は、飛行機を車椅子で利用する方法を紹介します。

各航空会社とも受けられるサービスなどもありますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

1.車椅子ユーザーは飛行機に乗れる?

そもそも、車椅子ユーザーは飛行機に乗れるのか不安に思われる方も多いかもしれません。

でもそこはご安心を!もちろん車椅子ユーザーの方でも飛行機を利用することができます。

ただし、ご自身の車椅子は預け、機内用車椅子などを利用することになるなど制約もあるため、事前に確認することが重要です。

次に紹介する基本的な流れに沿って、実際に飛行機に乗るイメージをつかんでみてくださいね。

2.車椅子で飛行機に搭乗する基本的な流れ

2-1.航空券の購入前に車椅子で搭乗できるか確認

航空券を購入する前にまずは、車椅子で搭乗することができるかを各航空会社のWebサイトや問い合わせ電話で確認しましょう。

JAL(日本航空株式会社)やANA(全日本空輸株式会社)などを始めとする多くの航空会社では、ご自身の車椅子は預け、航空会社が用意する車椅子を利用することとなります。

ご自身の車椅子は、航空会社が責任を持って適切な方法で目的地へ運びます。

2-2.購入時に空港内や機内でのサポートを希望する

チケット購入時に、空港内や機内でのサポートを希望できるチェック箇所がありますので、必ず希望しましょう。

その際に、歩行状況のチェックもありますので、忘れずに記入しましょう。

自分の状態を事前に正しく伝えておくことで、自分に適したより良いサービスを受けられます。

2-3.空港に到着後チェックイン

空港へは時間に余裕をもって到着するようにしましょう。国内線では出発時刻の60分前、国際線では出発時刻の120分前までの到着が推奨されています。

車椅子を預ける際に時間がかかったり、思わぬトラブルが起こる可能性があるからです。

その後、空港に到着したらまずはチェックインをしましょう。

有人のチェックインカウンターに行き、搭乗予定便の確認、チェックイン手続きを行います。

サポートが必要な場合は、どこまでのサポートが必要かなどの確認があります。

2-4.車椅子を預けて空港用の車椅子に乗り換える

その後、ご自身の車椅子を預けます。

希望があれば、航空機出入口付近まではご自身の車椅子で行くこともできる航空会社もあります。

希望される場合は、各航空会社に問い合わせてみましょう。

預ける際の注意事項は後述する「3-1.持ち込む車椅子の種類・仕様について確認」をよく読んでくださいね。

ご自身の車椅子を預けたら、航空会社の車椅子を貸し出してもらいます。

各航空会社はさまざまなタイプの車椅子を用意しています。使用したいタイプの車椅子がある場合は、予約時に伝えておくと良いでしょう。

2-5.保安検査場でセキュリティチェック

航空会社が指定する時間までに保安検査場にてセキュリティチェックを受けます。

お手持ちの荷物は必ずすべてトレイに出し、預けましょう。

ご自身は車椅子に乗ったまま、係員のサポートを受けながら検査ゲートを通り抜けることができます。

場合によっては、接触検査で検査を行うこともあります。

ペースメーカーや金属製の医療機器が体内に入っている場合や、検査に不安がある場合は通過前に係員に伝えましょう。

2-6.飛行機に搭乗し座席へ移乗

車椅子を利用されている方は、優先的に他の乗客よりも早く搭乗することができます。

機内への搭乗方法は、空港や航空会社、搭乗便によって違い、リフト車やスロープなど、さまざまな方法があります。

いずれの場合も必ず係員が機内までの搭乗をサポートしてくれるのでご安心くださいね。

機内に乗り込んだら、狭い通路も通過できるよう、また、席への移乗をスムーズに行えるように、車椅子の車輪、ひじ掛けを外します。

その後座席付近まで移動し、移乗します。

座席への移乗にあたって、何をどうサポートしてほしいか係員に正確に伝えましょう

また、座位を保つのが難しい方は、サポートベルトや枕・毛布などを用意している航空会社もありますので、事前に確認し、必要な場合は申し出ておくことが必要です。

2-7.到着したらロビーで自分の車椅子に移乗

飛行機が無事目的地に到着したら、係員が座席に迎えにきてくれるのを待ちましょう。

貸し出し用車椅子に移乗し、手荷物受取所まで係員と共に移動します。

その後、出発時に預けたご自身の車椅子を係員が直接返却してくれます。

係員のサポートのもとご自身の車椅子に移乗し、希望すればその後の手荷物受取やタクシーやバス乗り場への案内も誘導してくれますよ。

到着時のサポートが必要な場合は、事前に申し出が必要ですので、チケット予約時に忘れずに行いましょう。

また、飛行機を降りてすぐにご自身の車椅子に移乗されたい場合も、その旨を事前に伝えておくことが必要です。

3.車椅子で飛行機に搭乗する際の注意点

3-1.持ち込む車椅子の種類・仕様について確認

車椅子を預ける際は、下記のチェックがあります。

  • 電動か手動か
  • 折りたたみ可否
  • サイズ(奥行・横幅・高さ)
  • 重量
  • バッテリーの種類(電動の場合)


電動式車椅子の場合、使用されているバッテリーを把握しておくことが必要です。

国土交通省でも、電動車椅子で航空機を利用する際のルールとして下記の通り定めています。

電動車椅子は、陸上において通常使用する場合にあたっては、何ら危険性を有するものではありませんが、航空輸送を行う場合にあっては、大きな気圧や温度変化または継続的な振動を受けることにより以下の危険性を生じる可能性があります。

  • 輸送中の振動などにより、電源が入り動き出す可能性がある
  • 輸送中の気圧や温度の変化などにより、蓄電池内にある硫酸等の電解液が漏れ出す可能性がある
  • 輸送中の衝撃などにより、蓄電池が発火する可能性がある


このため、国際規則および国内規則では、電動車椅子を航空機で安全に輸送するためのルールが電池の種類に応じて定められています。

このため、国際規則および国内規則では、電動車椅子を 航空機で安全に輸送するためのルールが電池の種類に応 じて定められています。

引用元:我が国における電動車椅子に係る基準概要(1)|国土交通省


また、IATA(国際航空運送協会)発行の危険物規則書では、2021年1月1日以降、電動車椅子使用者に対して、”電動車いす使用者は、ご使用になる電動車いすのバッテリー種別について自身で認識していること”と規定しました。

つまり、ご自身の電動車椅子を安全に輸送してもらうには、使用されているバッテリーについて把握し伝える義務があるということです。

わからない場合は、事前にご自身の電動車椅子のメーカーに問い合わせたり、取扱説明書を一緒に持っていったりしましょう。

ご利用メーカーによっては、事前に航空機搭乗手順を確認する必要もあるので、必ず航空会社の指示に従いましょう。

3-2.自身の歩行状況や症状を詳しく伝える

各航空会社では、予約時にご自身の歩行状況を知らせることができます。

また、ご自身の症状やサポートの範囲などは、空港の有人カウンターにて詳細に伝えましょう。

ご自身に最適なサポートを受けるためには、正しく自分の症状や希望を伝えることがとても重要です。

具体的にわかりやすく説明することで、納得のいくサービスを受けることができるでしょう。

3-3.座席指定について

ひじ掛けの上がる座席や化粧室に近い座席などの座席指定もできる航空会社もあるため、希望がある場合は航空会社に問い合わせましょう。

ただし、混雑状況や搭乗する便によっては難しい場合もあるため、予め理解しておくことが必要です。

3-4.医療電子機器や酸素ボンベ利用者は医師の診断書が必要

医療電子機器や酸素ボンベ利用者は、医師の診断書が必要となります。

航空会社所定の診断書が必要ですので、必ずフォーマットを確認し、医師に診断書を書いてもらいましょう。

診断書受付期限を設けている航空会社もありますので、必ず期限を確認し、期限内に提出しましょう。

なお、バッテリーはご自身で用意することが必要です。

必ず十分な量のバッテリーを用意しましょう。

参照:医療機器を持ち込み・使用されるお客さま|JAPAN AIRLINES(日本航空株式会社)


4.機内用車椅子利用できる化粧室について

機内には、機内用車椅子の用意があります。

お手洗いに行きたい場合は、係員に申し出ると、機内用車椅子を準備し、化粧室までの移動をサポートしてくれます。

基本的には各社機内用車椅子そのままで利用できる化粧室がありますが、一部搭載していない機種もあるので、予約時に必ず確認しておきましょう。

5.各航空会社の車椅子サポートの取り組み

5-1.JAL(日本航空株式会社)

JALでは、基本的な車椅子サポートはもちろん、「スペシャルアシスタンス登録サービス」を提供しています。

ご自身のマイレージバンク会員情報に、車椅子情報や空港・機内で必要なサポート情報を登録することで、予約のたびに申し出をする必要がなくなります。

JALの飛行機を頻繁に使われる方は、ぜひこの機会に登録してみてはいかがでしょうか?

ただし、「※機内で医療用酸素吸入や医療機器使用による医療行為を必要とする場合、簡易ベッド(ストレッチャー)を使用される場合は、その都度医師による診断書と付き添い人が必要となりますので、スペシャルアシスタンス登録サービスはご利用できません。」

参照:スペシャルアシスタンス登録サービス|JAPAN AIRLINES(日本航空株式会社)



5-2.ANA(全日本空輸株式会社)

ANAでは、基本的な車椅子サポートはもちろん、そのほかにも様々なサポート内容があります。

2011年12月には、階段昇降ができない方からの要望を受け、小型機就航空港を中心にタラップ昇降用車椅子(アシストストレッチャー)を導入しています。

また、搭乗に不安のある乗客のための相談窓口として「ANAおからだの不自由な方の相談デスク」が設置されています。

座席に座ることができず、離着陸時も横たわった状態で搭乗される乗客には、ストレッチャーでの搭乗の相談にも乗ってくれるため、転院される方を中心に搭乗の手配も行っています。

参照:ANAの取り組みについて|ANA(全日本空輸株式会社)



5-3.​​デルタ航空

アメリカの航空会社であるデルタ航空では、子会社の「デルタ・フライト・プロダクツ」が2023年6月に車椅子に座ったままでいられる座席の試作品を公開しました。

これは、ご自身の車椅子を機内に固定できるというものです。

ヘッドレストやテーブルなどは他の座席と変わらず、車椅子であっても、他の乗客と同じ快適性・安全性が提供されるそうです。

今後最終設計と検証が進められ、「アメリカ連邦航空局(FAA)」や「欧州航空安全機関(EASA)」などからの認証の取得に向けた取り組みも実施していくそうです。

車椅子での飛行機移動の新常識が作られそうです。

嬉しい続報を待ちたいですね。

参照:「デルタ航空、車椅子のまま飛行機に乗れる機内シートを開発」|TABI LABO



6.最後に

今回は、車椅子ユーザーの方が飛行機に乗る方法を紹介しました。

なかなかハードルが高いと思ってしまう飛行機の搭乗も、調べてみると各社しっかりと対応をしている印象を受けました。

(ただし、各社制限等もありますので必ずご自身で確認されてくださいね。)

年末年始の機会に、飛行機を利用して遠出の旅行などを楽しまれてはいかがでしょうか?

この記事が少しでも移動のお役に立てれば幸いです。

ほかにもAymiのサイトでは、車椅子での新幹線の移動についての記事も公開されていますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。


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