暑い夏に楽しめるレジャー施設といえば、プールです。
毎年夏になると多くの人が涼を求めて訪れるプールですが、車椅子だと段差が気になって行きたくても行けないという障害者の方も多いのではないでしょうか?
しかし、日本には車椅子でもプールを思いっきり楽しめる施設が数多くあります。
今回は、車椅子利用者でも安心して楽しめるバリアフリーなプール施設を13施設ご紹介します。今年の夏こそプールに行ってみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.プール専用車椅子で楽しめる!海の中道海浜公園「サンシャインプール」
福岡市東区にある海の中道海浜公園「サンシャインプール」は、ユニバーサルデザインを意識したプール施設です。
2026年度は、7月4日〜7月20日・9月5日〜9月23日の土日祝日、および7月22日〜8月27日の夏休み期間(毎日)に開園しており、流水プールやウォータージャングルなど6つのプールが楽しめます。
障害者には、プール専用の車椅子を無料で貸し出しています。
内訳は自走用3台、介助者用3台、重障者用1台で、介助者の方とスロープを利用してプールに入ることが可能です。
また、流水プールには車椅子利用者専用の入口も設けられています。
その他、車椅子の方も安心して使える障害者用の更衣室やバリアフリートイレ、救護室のあるプール管理棟も備えています。
障害者手帳などを提示すると、本人と付添者1名までが割引料金(大人500円、小人300円、幼児無料)で利用可能です。
手帳は本体の他、コピーや撮影画像、スマートフォンアプリ「ミライロID」の画面でも確認してもらえます。
参照:国営 海の中道海浜公園 サンシャインプール|海の中道海浜公園サンシャインプール管理所
2.ユニバーサルデザインで誰もが楽しめるレジャー施設 辻堂海浜公園「ジャンボプール」

神奈川県は辻堂海浜公園内にある「ジャンボプール」は、毎年7月の第2土曜日から9月の第2日曜日まで開園している期間限定のレジャー施設です。(2026年は7月11日から9月13日まで)。
施設内には、波の出るプールや全長270mもある流れるプールなど、6つのプールエリアに分かれています。
ユニバーサルデザインの取り組みとして、水にそのまま入ることのできる車椅子を用意しています。
また、車椅子の方は波の出るプールと流れるプールが利用でき、優先の休憩スペースも確保されています。
3.スロープ付きプールで車椅子のまま入れる「長崎市民総合プール」
長崎市民総合プールは、平和公園内にある「スポーツのゾーン」に位置するプール施設です。
屋内には、50mプール、25mプール、幼児・児童用プールがあり、屋内プールは一年を通して利用できます。
夏場は流水プールやウォータースライダーのある屋外プールも営業します。
営業期間はおおむね6月中旬から9月中旬までですが、屋外プールが毎日利用できるのは7月下旬から8月末ごろの繁忙期のみです。
それ以外の期間(6月中旬〜7月中旬ごろ、9月上旬〜中旬ごろ)は、屋外プールは土曜・日曜・祝日のみの営業となり、平日は利用できません。
お出かけ前に長崎市民総合プール公式サイトの「営業案内」ページで、訪問予定日の最新の営業時間をご確認ください。
7コースある屋内の25mプールにはスロープが設置されており、水泳用車椅子(1台)の貸出を受けて、そのまま水に入ることが可能です。
水深は1.2mから1.4mあるため、介助者と一緒に利用してください。
1階には、身障者用の脱衣室が男性用と女性用の2か所あり、トイレや浴槽、シャワーもついているので周りを気にせず利用できるでしょう。
また、50mプールの観覧席には車椅子専用のスペースがあり、障害者のスポーツへの参画を推進しています。
長崎市民総合プールは水泳大会の開催地としても利用されており、2014年には障害者の選手が出場する「長崎がんばらんば大会」の水泳競技会場にもなりました。
長崎市民の方は、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の使用料が免除されます。
4.プールリフトi-swimが導入されている施設「奥戸総合スポーツセンター」

東京都葛飾区に位置する奥戸総合スポーツセンターは、プールリフトが利用できる国内でも希少な施設です。
プールリフトは、福祉用具・介護用品を扱うアビリティーズから2021年に導入され、障害者の水泳教室にて活用されてきました。
プールリフトは水泳教室から評判が広がり、今では個人での利用を希望されている人も受け入れて、誰もが安心して水泳ができるという「合理的配慮」を目指した施設づくりを進めています。
リフトは車椅子利用者だけでなく、プールサイドでの歩行に不安のある高齢者や視覚障害者にも利用されています。
館内にはプールリフトの他、プールへのスロープ、車椅子優先更衣室、障害者専用更衣室、プール観覧席のスロープも整っているのが特徴です。
25m×9コースの温水プールは一年中利用できるため、季節を問わず水泳ができるのが魅力です。
夏季には、屋外の流水プールも7月1日から9月中旬まで開放されます。
障害者手帳をお持ちの方は、受付での申請により個人利用料と駐車料金が無料になります。
参照:奥戸総合スポーツセンター温水プール館 施設紹介|葛飾区体育施設
参照:葛飾区 奥戸総合スポーツセンターにプールリフト(移動式)が導入されました。|アビリティーズ
5.バリアフリー設備が充実しているプール施設「東綾瀬公園温水プール すいすいランド綾瀬」
東京都足立区東綾瀬にある「すいすいランド綾瀬」は、バリアフリーが充実している温水プールです。
屋内プールは1月4日から12月28日まで利用できます(毎月第2月曜日〈祝日の場合は翌日〉は休館)。
25m×13m(6コース、水深1mから1.2m)の一般用プールと幼児用プールがあり、利用可能です。
夏季には、水深の異なる3つの屋外プールも営業します(7月1日から9月15日までの予定)。
施設内は、車椅子で移動しやすいようにスロープや手すりが設置されており、段差はあっても2cm未満でバリアフリーに配慮されているのが特徴です。
障害者優先更衣室・シャワー・トイレは、介助者も入室可なので安心して利用できます。
また、プールサイド用の貸出車椅子の他、プール入退水時の介助も受け付けており、障害者に配慮した対応が魅力です。
障害者の場合、足立区内在住・在勤・在学の方に限り個人利用の施設利用料が免除され、介助者1名も無料になります(証明書が必要)。
また、障害がある方でも参加できる運動サークルや教室があるのも、この施設の特徴です。
6.障害者スポーツの社会参加を推進している「岐阜県福祉友愛プール」
岐阜県福祉友愛プールは、岐阜市内にある障害者専用のプール施設です。
メインプールは、日本水泳連盟公認の25m×6コース(水深135cm)で、水深95cmの歩行専用コースもあります。
サブプールは10m×8m、深さ70cmでお子様も安心して水に親しむことができます。
プール用の車椅子やビート板、腕や腰につける浮き具は自由に利用可能です。
更衣室でプール用車椅子に乗り換えて入水する流れになっており、館内はバリアフリー対応されています。
利用できるのは障害者とその介助者、60歳以上の方、障害者団体です。
それ以外の方も、7月から9月を除く平日(月水木金)の18時から21時であれば利用できます。
障害者とその介助者の利用料は、無料となっています。
その他にも、常時37℃程度に保たれたジャグジーバスや43℃程度の採暖室など、障害者や高齢者の体調に配慮した施設が整備されているのが特徴です。
一年を通して利用でき、休館日は火曜日(祝日の場合は開館)と祝日の翌日、年末年始です。
公式ホームページからは、イベントや各種教室の確認ができるので、気になるものがあれば事前に問い合わせてみるのが良いでしょう。
公式ホームページからは、イベントや各種教室の確認ができるので、気になるものがあれば事前に問い合わせしてみるのが良いでしょう。
参照:岐阜県福祉友愛プール|一般社団法人岐阜県障害者スポーツ協会
7.可動床で水深を調整できる障害者専用プール「大阪市舞洲障害者スポーツセンター(アミティ舞洲)」
大阪市此花区にある「アミティ舞洲」は、宿泊施設も備えた障害者専用のスポーツセンターです。
温水プールは25m×8コースの日本水泳連盟公認プールで、プールの床が上下する「可動床」を備えているため、利用者の状態に合わせて水深を調整できるのが大きな特徴です。
プールサイドには車椅子用スロープが設置され、車椅子のまま水際まで移動できます。
他にも、体を温められる浅型温水プールや高水温プール、採暖室が整っているので、体調に配慮しながら水に親しめます。
障害のある人は、指導員のサポートを受けながら、一人でも訪れやすい運営体制が整っています(利用方法や予約の要否は、事前に施設へご確認ください)。
屋内温水プールのため、季節を問わず一年中利用できるのも魅力です。
8.入水用スロープを備えた総合福祉ゾーンの温水プール「しあわせの村」
兵庫県神戸市北区にある「しあわせの村」は、温泉やスポーツ施設、宿泊施設などが集まる総合福祉ゾーンです。
温泉健康センター内の屋内温水プールには入水用スロープが設置されており、外光を多く取り入れた明るい空間で泳げます。
一年を通して利用できる温水プールで、65歳以上の高齢者や障害者は割引料金で利用できます。
介護が必要な方には付き添い1名にも介護者料金が適用されるので、家族や介助者と一緒に訪れやすいのも特徴です。
村内には車椅子に対応した客室や介護浴室(要予約)もあり、プールとあわせて一日ゆっくり過ごせます。
参照:プール|しあわせの村
9.入水スロープと入水用車椅子を備えた「名古屋市障害者スポーツセンター」
愛知県名古屋市名東区にある「名古屋市障害者スポーツセンター」は、障害者が一人でも気軽にスポーツを楽しめる障害者専用の施設です。
屋内温水プールは25m×6コース(水深1.1〜1.3m)で、アルミ合金製の入水スロープとプール入水用車椅子が設置されています。
車椅子のまま水際まで進み、そのまま入水できるので、下肢に障害がある方でも安心して泳げるのが魅力です。
水泳の他、車椅子バスケットボールやボッチャなど多彩な種目に対応しており、指導員のサポートも受けられます。
屋内の温水プールのため、季節を問わず一年中利用できます。
10.プール槽を高くして入退水しやすくした「横浜ラポール」
神奈川県横浜市港北区にある「横浜ラポール(障害者スポーツ文化センター)」は、障害者のスポーツと文化活動の拠点です。
室温・水温ともに31℃に保たれた25m×6コースの室内温水プールで、一年中快適に泳げます。
プール槽が床面から45cm(車椅子の座面と同じ高さ)高く設計されているため、車椅子利用者や下肢に障害がある方も入退水がしやすくなっています。
重度障害の方向けにプール用車椅子で入退水できるリフトも備え、プール専用車椅子の貸出も行っています。
新横浜駅からは、車椅子用リフト付きの送迎バスも運行されていて便利です。
参照:プール|横浜ラポール
11.浅いコースも選べる障害者専用プール「東京都障害者総合スポーツセンター」
東京都北区にある「東京都障害者総合スポーツセンター」は、障害者手帳をお持ちの方とその介護者が利用できる障害者専用のスポーツ施設です。
室内温水プールは全長25m・6コースで、水温は31℃前後に保たれています。
プールサイドは車椅子からでも入りやすい構造になっており、コースの一部は水深0.7〜0.9mと浅めに設定されているので、泳ぎに不安のある方も無理なく利用可能です。
採暖室や、異性の介助者も利用できるバリアフリー更衣室も整っています。
宿泊施設も併設された屋内プールで、季節を問わず一年中利用できます。
ただし、毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月29日〜1月3日)は休館日です。
12.入退水の介助が受けられる「足立区スイムスポーツセンター(うきうき館)」
東京都足立区にある「スイムスポーツセンター(うきうき館)」は、25m・9コースの温水プールを備えた区立のスポーツ施設です。
屋内の温水プールなので、天候を気にせず一年中泳げます。
障害者優先の更衣室・シャワー・トイレは異性の介助者も入室でき、プールサイド用の貸出車椅子も用意されています。
さらにプール入退水時のお手伝いにも対応しているので、介助が必要な方も安心です。
館内は出入口まで段差がほぼなく、バリアフリートイレやエレベーターも整っています。
足立区在住・在勤・在学で障害者手帳をお持ちの方は無料で利用できます。
13.貸出車椅子と入水補助が受けられる「葛飾区 水元総合スポーツセンター体育館」
東京都葛飾区の水元公園に隣接する「水元総合スポーツセンター体育館」には、25m×8コース(日本水泳連盟公認)の温水プールがあります。
歩行用プールや幼児用プール、ジャグジー、採暖室も備え、一年中快適に利用できます。
プールおよびシャワーで利用できる、貸出用の車椅子が用意されているのが特徴です。
プールサイドへの誘導や入水補助については、障害のある方のニーズに応じて相談に対応しています。
同じ葛飾区の奥戸総合スポーツセンターとあわせて、区内で障害者水泳教室も開催されています。
障害者が安心して泳げるプール環境への取り組み活動を紹介

ここまで、車椅子ユーザーでも楽しめるプール施設を紹介してきましたが、実際に障害者がプールに行くハードルはまだまだ高いのが現状です。
そこで「認定NPO法人プール・ボランティア」では、障害者も高齢者も健常者と同じようにプールに行ける社会の実現を目指しさまざまな活動を行っています。
たとえば、水泳の楽しさを知ってもらうために、障害者向けの水泳指導をマンツーマンで行います。水泳指導では、障害の特性や本人が希望する目標など一人ひとりに合わせているのが特徴です。
他にも、イベントを手伝ってくれるボランティアを募集したり、寄付金を募ったりと、障害者が水に親しむためのきっかけとなるような取り組みが行われています。
プールボランティアの理念は、水泳を通して障害者が健常者と同じように社会生活が送れるようにするためのノーマライゼーションの推進です。
プール以外にも、全国にユニバーサルビーチもあります
夏に水を楽しめる場所は、プールだけではありません。
全国には、車椅子の方や高齢者、小さなお子様連れの家族でも海水浴を楽しめるようにバリアフリー化された「ユニバーサルビーチ」があります。
ユニバーサルビーチでは、砂浜にビーチマットと呼ばれる長いシートを敷くことで、車椅子やベビーカーのまま波打ち際まで進めるようになっています。
さらに、水陸両用車椅子のヒッポキャンプを使えば、車椅子に乗ったまま海に入ることも可能です。
多くのビーチでバリアフリートイレや更衣室、身障者用駐車スペースも整備されています。
こうした取り組みは、特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトを中心に全国へ広がっており、延べ25都道府県42か所のビーチのユニバーサル化がサポートされてきました。
なかには、沖縄県南城市のあざまサンサンビーチのように、砂浜に車椅子用のマットを常設しているビーチもあります。
遊泳期間は海開きから10月までです。
Ayumiでは、全国のユニバーサルビーチを地域別にくわしく紹介しています。開催期間や利用方法もまとめていますので、お近くのビーチを探す際にぜひご覧ください。
車椅子でも年齢を重ねても楽しめるマリンアクティビティを紹介
海はながめるだけでなく、体を動かして楽しむこともできます。
近年は、障害の有無や年齢にかかわらず参加できるマリンアクティビティが各地で広がっています。
鹿児島県奄美大島の「ゼログラヴィティ」は、車椅子の方が安心してマリンスポーツを楽しめる専門施設です。
ダイビングやスノーケリング、SUP、バナナボートなどを、専属のスタッフやインストラクターの指導を受けながら体験できます。
宿泊施設も併設されているため、ゆっくりと海を満喫できますよ。
参照:奄美大島 ゼログラヴィティ「清水ヴィラ」|ゼログラヴィティ
参加の際は、事前に施設へ車椅子で利用できるかを確認し、体調を整えたうえで無理のない範囲で楽しみましょう。
日焼けや熱中症の対策も忘れずに準備してください。
Ayumiでは、バリアフリーなマリンスポーツや海のレジャーについてもくわしく紹介しています。
夏のおでかけ先を探している方は、あわせてご覧ください。
まとめ
今回は、車椅子でも楽しめるプール施設や障害者のプール環境への取り組みを推進する団体を紹介しました。一昔前までは、車椅子だとレジャーを当たり前に楽しむということが難しい世の中でした。しかし最近では多様性を認めるという観点からユニバーサルデザインやノーマライゼーションの考え方が広まり、誰もが安心して楽しめるプール施設が増えつつあります。
この夏は、車椅子利用者も思い切ってプールに繰り出してみてはいかがでしょうか?
ふらっとでは、プール施設の他にも全国のユニバーサルビーチや海のレジャー情報をまとめた記事があります。興味のある方は、ぜひそちらもあわせてご覧ください。







