【ファッションで世界中に笑顔と幸せを届ける】tenbo 鶴田代表が切り開く未来とは?

tenbo代表の鶴田能史さん

心をデザインするファッションデザイナーを、あなたは知っていますか?

今回はファッションブランド「tenbo」代表の鶴田能史さんを取材させていただきました。

「おしゃれな服は片手間でできます。でも、それほどつまらないものはない。私は魂がこもった服をデザインしたいのです」と、一つひとつ、お客様に合わせた最高のデザインを手掛けられています。

また、メッセージ性のあるファッションデザインも特徴です。

広島/長崎/沖縄に世界中から届けられる千羽鶴を使用したファッションや、日本で初めて障害者ファッションモデルを東京コレクションで起用するなど、デザインだけでなく、社会への発信も大切にされています。

今回は鶴田さんのルーツを紐解くとともに、活動にかける想いや今後の展望についても、特別にお話ししていただきました。

障害の有無に問わず、全ての方へ届けたい内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

1.tenboってなに?

ファッションブランド「tenbo」のロゴ

鶴田さんの手掛けるファッションブランド「tenbo」は、スワヒリ語で象を意味します。象のようにたくさんの人に愛される一方で、立ち向かえる強さも兼ね備えたブランドでありたいとの思いが込められているそうです。

また、tenboは分け隔てなく全ての人が笑顔になれる服をデザインするとともに、世界中へ発信することを大切にされています。

この想いは、鶴田さんの原点にありました。

大量生産・大量消費はファッション業界の中でも浸透しつつあり、服を単純な商売道具として扱われることが多くなっています。

そんな現状に鶴田さんは胸を痛め、心を込めて作った大切な服を提供して、喜んでもらいたいという初心に改めて気づいたそうです。tenboはそんな当たり前を発信し、同じ思いの人へ届けているのです。

tenboが日本・世界を魅了する理由はここにある!

tenboのファッションショーの様子

2015年3月、tenboの開設から2ヶ月という早さで、多くのファッションデザイナーの憧れである東京コレクションで、世界中の注目を浴びました。

その理由の一つは、日本で初めて障害者モデルを起用したことです。

しかし、これまでは障害の分野に特別な意識はなかったといいます。

きっかけは、専門学校の講師時代に遡ります。

福祉の現場経験がある生徒から、パンツの縫い目によって起こる床ずれや褥瘡に困っているという話を聞き、障害者ファッションのニーズがとても高いことに気が付いたのです。

加えて、機能性かつデザイン性のある障害者ファッションをまだ誰も手掛けていませんでした。ニーズがあるうえ喜んでいただけて、とてもやりがいを感じられるため、やらない理由がなかったといいます。その時、障害の分野に興味関心を持ち始めました。

障害があっても、当たり前に東京コレクションに出ても良い、鶴田さんはそう問題提起をしたかったそうで、それを世界が注目する舞台で成し遂げたのです。

tenboが目指す平和な社会

tenboのコレクション展示会の様子

tenboでは立ち上げ以来、毎年平和について発信されています。

「私が心がけているのは、ファッションというフィルターを通して平和への願いを届けることで、誰もが知りやすい入口を作れるということ。ファッションがそのきっかけになればと思っています」

その言葉通り、広島、長崎、沖縄に世界中から届けられる千羽鶴1万羽を使用したドレスを製作し 、世界に大きなインパクトを与え続けています。

一方で、平和の定義については発信していません。大切なのは平和への大切さを発信し、一人ひとりにとっての平和を考えてもらうことだからです。平和との向き合い方に正解はないのですから。

まずは興味を持ってもらいたい、これからもファッションを通して発信し続けるといいます。

2.代表 鶴田さんってどんな人?

tenbo代表の鶴田能史さん

鶴田さんがファッションの世界に興味を抱いたのは、高校時代でした。当時のアルバイト先にいた、とても奇抜で個性的な格好をした先輩を見た瞬間、雷が落ちるほどの衝撃を受けたといいます。

理由などありません。自分の生きる道はこれだ、と大学へ進学する予定だった進路を180度変え、ファッション業界の門を叩きました。

それから時が経ち、目標を達成し続けている鶴田さんですが、これまでの活動について振り返ってみましょう。

経歴と実績

【経歴】
1981年 千葉県君津市生まれ
2000年 千葉県立木更津高校卒業
2003年  文化服装学院デザイン専攻を卒業
             株式会社ヒロココシノに入社
             コシノヒロコに師事しコレクションとライセンスビジネスに携わる
2011年  昭和学院短期大学の講師として勤務/ 服飾専門学校の専任講師
            講師の傍ら舞台衣装デザインミュージシャンの衣装デザインなど幅広く活動
2012年  JVCケンウッド・デザインのデザインイベントの展示アイデアと制作を協力
2015年  1月 テンボデザイン事務所設立

【実績】
・東京コレクションで日本初障害者モデルを起用、平和やハンセン病についても発信
・スポーツオブハート東京/大分でファッションショーをプロデュース(2015〜2022)
・Pray for Peace Collection 2020  原爆の日に広島で平和を願うファッションショー開催
・長崎市平和の文化事業認定 ほか

参照:「テンボ 代表デザイナー鶴田能史」テンボデザイン事務所


ここで紹介した実績は、ほんの一部です。輝かしい実績の背景には、もがき苦しんだ過去がありました。

明るい道のりではなかった人生に転機が訪れる

衝撃を受けて飛び込んだファッションの世界ですが、就職活動はかなり難航し、30社から断られてしまったそうです。

それでも、「この道しかない。もう後がない」という想いで決して諦めずに挑戦し続けた結果、なんとか就職が決まりました。

やっとの思いで入社した会社でしたが、想像を超える仕事内容で、ファッション以外の分野の業務も多く、毎日終電や徹夜三昧でした。この経験がなにより大切だと気づいたのは、少し先のことです。

「ここに自分がいるべきではない!」と判断し、入社からわずか半年で退職を決断しました。 

そして、将来の独立を見据えて、せっかくなら最先端のコレクションブランドで経験を積もうと、格式のあるデザイナーズブランドの株式会社ヒロココシノに応募したのです。

テキスタイルデザイナー枠(生地のデザイン)の経験者のみの応募条件でしたが、条件に全く該当しない事にもひるまずに応募し、幾度かの面接を経て、なんと採用されることになりました。

服を製作中のtenbo代表の鶴田能史さん

しかし、ここからが過酷な日々だったと振り返ります。

採用条件から外れていた鶴田さんに仕事がないのです。そのため、まずは居場所作りから始めたといいます。

誰よりも早く出社し、ゴミ当番や掃除などの雑用をがむしゃらにこなしていきました。すると徐々に信頼を獲得し、任せてもらえる仕事も徐々に増えてきました。

そうして、ようやく思う存分に才能を発揮できる環境ができたのです。環境がないのであれば、自分自身で作るんだ、という事を逆境から学びました。

コシノヒロコでの5年間で、日本のファッション業界の最先端を知ることができたため、自身に足りないものが明確化し、独立までの道のりも鮮明になったといいます。

デザイナー人生の中でも辛くも成長できた時間でした。

大切にしている信念・想いとは?

パソコンで仕事をするtenbo代表の鶴田能史さん

鶴田さんはファッションをデザインする際、必ずテーマ(名前)をつけるといいます。それは、親が子供に名前を付けるのと等しい感覚とのことです。

愛着を持って接するうちに、魂のこもった服になる。すると、服に魂が宿ります。そんな服ですので、衣装を着た途端に涙を流す方もいらっしゃるそうです。

tenboは、流行に惑わされるのではなく、着る人のための服をデザインします。その方の人間力や個性、魅力が強ければ強いほど、デザインに反映されるのです。

こうして生まれた服は、一度だけで終わるのではなく、自立し、たくさんの人と出会い、たくさんの人を幸せにしていきます。

売り物として服を作るのでなく、子供を産む感覚で制作するのが、鶴田さんの想いであり、tenboのファッションなのです。

3.tenboを通して伝えたいこと

ファッションショーの舞台裏にいるtenbo代表の鶴田能史さん

tenboは7年間、さまざまな社会問題にも向き合ってきました。しかし、まだまだ取り組めていないことも多いといいます。

たとえば、病院の入院着や、農家の服装、刑務所の囚人服にもファッションをおしゃれに取り入れたり、全てのジャンルに向き合えるブランドにしたいといいます。

また、気持ちは既に引退しているという鶴田さん。今後は若い世代へ向けて、これまで培ったスキルやノウハウを伝えていきたいそうです。

tenboがこれまで築き上げてきたものは、ファッションデザインの域を超えて教育に等しいと考えています。

tenboの理念である「平等に分け隔てなく接する」想いは、教育にもつながると考え、これまでのノウハウを使い、誰もが参加でき、学べる学校を作りたいといいます。今後は、世界中の人へ教育を伝えていきたいそうです。

4.鶴田さんから全ての人へ送るメッセージ

笑顔のtenbo代表の鶴田能史さん

自身の目標を叶えてきたからこそ、伝えられることもあります。

それは、想いを言葉にすると目標に近づくということです。

これに障害者や健常者は関係ありません。言葉にすることで、1人では叶えられなくても、それを聞いた誰かが一緒に叶えてくれる可能性もあります。

コミュニティによって人と人とが繋がり、目標を達成することもあるのです。

また、障害者ファッションに取り組む鶴田さんですが、やはり障害を理由にファッションを諦める人を見ると自分の非力さに気づき悲しいといいます。

「おしゃれができない、そんな先入観をファッションデザイナーが変えられるようにしたい。おしゃれを諦める人が、いつか諦めなくて良いんだと楽しく思えるような時代になればいい」と話します。

ファッションを諦めかけている人に、希望を与え続けている鶴田さん。これからの活動もますます注目です。

5.最後に

今回の記事はいかがだったでしょうか?

鶴田さんは、諦めないことの大切さを私たちに教えてくださいました。

取材をした筆者も、鶴田さんの話に夢中になり、仕事に誰よりも情熱を持たれている印象を受けました。

また、鶴田さんはtenboをファミレスに例えていました。コミュニティが広く様々なジャンルの方とも交流があるため、困ってきてくれた方が何かしらを得て帰ってもらえるのも魅力の一つといいます。

他にも、今回の記事だけでは伝えられなかった活動がたくさんありますので、興味を持たれた方はぜひ公式HPやSNSをご覧ください。tenboについて詳細を知りたい方はこちらからも確認ができます。

公式HP:https://www.tenbo.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/tenbo_official/
Twitter:https://twitter.com/tenbo_design

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