今回は、全国のユニバーサルビーチについて紹介します。
梅雨も明け、暑い日が続くと「海へ行きたい!」という方も多いのではないでしょうか?どんな方でもマリンアクティビティを体験できますので、海好きや旅行の予定を立てているあなたは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.車椅子で海を楽しめるの?
「車椅子で海を楽しめるの?」「危険なアクティビティでは?」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。
実は水陸両用型の車椅子があります。
大きなタイヤで柔らかく、走行が難しい砂浜でも自由に動くことができ、そのまま海の中に入ることができます。
障害者や高齢者など、車椅子を利用していても家族や友人と一緒に海を楽しむことができるのです。
しかし、こうした特殊車椅子の導入コストや人手不足から、まだまだ安全に楽しめるユニバーサルビーチは多くありません。
そこで、2022年6月に、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトと日本財団が、ユニバーサルビーチを目指す上で必要なツールやマニュアルを支援する「日本全国ユニバーサルビーチ化計画」を発足させました。
日本には綺麗な海が多くあります。こうした自然を誰でも楽しむことができるよう、今ユニバーサルビーチが注目されているのです。
2.ユニバーサルビーチとは?
ユニバーサルビーチとは、誰でも安全かつ快適に楽しめるビーチを指します。
ビーチを利用するには車椅子の移動だけでなく、更衣室や多目的トイレの有無も重要になってきます。特に車椅子利用者であれば、車椅子が入れるスペースの確保や、介助用ベッドの設置も必要です。
さらに、車椅子専用駐車場を設けておくことで、乗り降りがしやすくなり、快適に利用ができます。
また、ライフセーバーが常駐し、緊急時に適切な対応が準備されていることも、安全性を確保する上で大切なポイントです。
以前Ayumiでもご紹介した車椅子トラベラーの三代達也さんをはじめ、車椅子利用者がユニバーサルビーチを訪れている様子がわかる動画を紹介します。施設の細かな部分に配慮が施されていたり、心のバリアフリーに溢れるビーチですので、ぜひご覧ください。
3.兵庫(須磨)の須磨ビーチ
まず初めに、先ほど紹介した須磨ユニバーサルビーチプロジェクトが運営する「須磨ビーチ」を紹介します。
を気軽に楽しんでもらうために、波打ち際まで車椅子が快適に行けるビーチマットや一緒に海水浴を楽しめる水陸両用型車椅子のヒッポキャンプ、さらにヒッポキャンプのまま乗れるユニバーサルメガSUPが用意されています。
また、障害者向けに、スーマくんハウスと呼ばれる多目的トイレ・シャワー室に加えて、更衣スペース・更衣ベッドが完備されている施設があり、便利な工夫が施されています。
「「車椅子は海は楽しめない」という既成概念をぶち破りたい」と言う想いから始まり、日本全国にユニバーサルビーチを発信し、20県23箇所のビーチのユニバーサル化をサポートしてきました。
ユニバーサルビーチの原点ともいえる須磨ビーチ。海を楽しむことを諦めている方はぜひ訪れていただきたい場所です。
参照:「アイテムとアイデアで楽しむ」特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
4.茨城(大洗)の大洗サンビーチ海水浴場
次に紹介する「大洗サンビーチ海水浴場」は、広大な砂浜に覆われた遠浅の海水浴場で、例年、150名を超える観光客が利用しており、会員は1,000名を超えています。
障害を持つ子供たちが、海に入ることができない様子を見たことが、ユニバーサルビーチへと変わるきっかけになったとのことです。
大洗サンビーチ海水浴場では、障害者用の駐車場や更衣室、トイレ・シャワー室が設置されています。また、ゴム製のタイヤに空気を入れた、乗り心地の良いランディーズという特殊な車椅子が利用できます。しかし、混雑時には砂浜のみの利用になることがあるためご注意ください。
障害者と共に試行錯誤を重ねて作られたビーチで、砂浜と海を快適に楽しみましょう。
5.沖縄のオリオンECO美らSUNビーチ
「オリオンECO美らSUNビーチ」は、全長700mの沖縄県内最大の人工ビーチで、ハブやクラゲを防ぐネットやビーチ監視員も常駐しているので、安全に楽しみやすいでしょう。
チェアボードという車椅子で、砂浜や海の中を自由に遊べます。チェアボードは1回60分の利用で、幼児には大人の付き添いが必要な場合があります。
その他にも、シーカヤックやバナナボート、シュノーケリングなどが体験できます。予約をすれば、現地スタッフが移譲などのサポートをすることも可能ですよ。
多目的トイレやシャワーはもちろん、申請すれば救護室も用意してもらえます。
夏休みの観光や旅行先を沖縄で考えている方は、ぜひ検討してみてください。
参照:「バリアフリーマリンレジャー」オリオンECO美らSUNビーチ
6.南知多にある内海海水浴場
「南知多ユニバーサルビーチプロジェクト」は「できない」を「できた」へ変えることを目標にするプロジェクトで、ユニバーサルビーチの他にもユニバーサルツーリズムを体験できる様々なイベントが企画されています。
ユニバーサルビーチイベント開催時には、車椅子やベビーカーのまま砂浜を移動できるビーチマットや、水陸両用型車椅子ヒッポキャンプを利用することができます。
また、全国でユニバーサルビーチを体験していただくために、ビーチマットの貸し出しも行っているので、興味を持たれた方はぜひお問い合わせください。
7.長崎の三宇田浜海水浴場
「三宇田浜海水浴場」は、「日本の渚・百選」の認定を受けた海水浴場です。対馬では希少な貝殻成分からなる天然白砂の浜と、太陽光を浴びてエメラルドグリーンとなる海が観光客に好評となっています。
また、バリアフリー駐車スペースや多目的トイレ、おむつ交換台が用意してあります。海開き期間には、監視員がいるので安心して利用ができます。
8.静岡の熱海サンビーチ
「熱海サンビーチ」の青い海や白い砂浜、ヤシの並木通りは外国のリゾートを思わせ、早朝には水平線から昇る朝日、夜にはライトアップなど綺麗な景色を満喫することができるでしょう。
砂浜へのスロープは4か所にあり、オストメイト対応の多目的トイレが設置されているのは、ありがたいポイントです。
9.車椅子で海やマリンスポーツをより楽しむためのポイント
9-1.海で遊べるマリンスポーツやイベントがあるかを確認しよう!
海に入った次はマリンスポーツも楽しみましょう。
須磨ビーチのユニバーサルメガSUPのように、車椅子でも楽しめる様々なイベントが用意されています。
下記動画では、車椅子トラベラーの三代達也さんがダイビングを楽しむ様子を発信されています。
イベント情報は各ビーチのホームページで随時発信されていますので、お見逃しのないようご注意ください。
9-2.熱中症対策・体温管理対策をしよう!
ビーチが賑わう夏は熱中症の危険もあります。障害によっては体温調節が難しいこともあり、より気をつけなければなりません。
また車椅子は座面と体が常に接していることから、熱が逃げにくく背中が蒸れるといった問題もあります。
熱中症の対策には下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】:【体温調整が難しい方へ】夏こそ気をつけて!今からできる熱中症対策方法とは?
ユニバーサルビーチを楽しむにも、体調管理には十分に注意しましょう。
10.最後に
今回は、全国のユニバーサルビーチを紹介しました。海辺で景色を見るも良し、ランディーズなどの道具でアクティブに楽しむも良しです。観光や旅行プランに加えてみてはいかがでしょうか?