片腕の人生、彼女が歩む道とこれからの未来

公開: 2022/9/16更新: 2026/3/132221 viewsこの記事は約5分で読めます
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片腕がないとしたら、あなたはどう生きますか?

今回は、SNSを中心に自己表現されている片腕の人生さんを取材しました。

コンプレックスだった障害をなぜ表現するようになったのか、彼女が思う個性とは何かなど、これまでのルーツについても語っていただきました。

ご自身の障害との向き合い方に困っている方にも、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※2026年3月13日に情報を確認し、一部を最新情報に更新しています。

1.片腕の人生さんはどんな人?

Instagramを中心に活動される片腕の人生さんですが、普段は児童指導員として、障害のある子供の支援をされています。

片腕の人生さんは、四肢欠損という障害があり、生まれつき左腕から下がありません。当時は生まれるまで四肢欠損がわからず、ご両親の心身に配慮して、生まれた直後は会わせてもらえなかったとのことです。

参照:「四肢の先天異常」MSDマニュアル プロフェッショナル版

幼少期はとても明るく、小学校ではバレーボールをするなど、周囲におてんばといわれていました。しかしあるとき「自分は障害者だ」と何故か思い、そこから人と違うことを意識し始めました。

中学校では、校則により髪を結ばなければならなかったそうです。当時はまだ自分で結べず、毎日家族にサポートをお願いできないことから、やむを得ず髪を切りました。

何故私だけできないのか、何故髪を切らなければいけないのか、そのとき初めて障害という壁にぶち当たったといいます。

そして、年齢を重ねるうちに関わる人が増え、周りの目を気にするようになったそうです。

また、夏用の制服は左手が見えてしまうため、次第に右手で隠すようになり、その影響でかなりの猫背になりました。そうして、段々と半袖を着なくなりました

しかし、おしゃれが好きな片腕の人生さんは、障害を隠さず武器にしようと決意したのです。現在はSNSを通して自身の姿をありのままに発信して、多くの人々に勇気を与えています。

2.SNSで発信を続ける理由

2021年から始めたInstagramでは、主にファッションを掲載しています。

デニムシャツを着た片腕の人生さん

片腕の人生さんは、健常者になりたいと思う一方で、それが難しいということは嫌というほど感じてきました。それなら障害を持っていても気にせずに生きたいと思い、友人の勧めもありInstagramを開設しました。

その後たくさんのコメントやDMが届き、反響の大きさに驚いたそうです。同時に、誰かの役に立てていると感じた瞬間でもありました。

そして投稿では、半袖のファッションが多くみられます。

柄シャツを着こなす片腕の人生さん

それは、片腕の人生さんの理想の自分だそうです。人前で半袖を着るのは勇気が必要でも、Instagramでは好きなファッションを着やすく、自己表現の一環としてSNSで発信し続けています。

3.児童指導員という仕事と出会い、人生の転機が訪れる

片腕の人生さんは、発信活動の一方で、児童指導員として障害のある子どもを支えるデイケアで働かれています。

学校のお迎えや勉強のサポート、イベントの企画など幅広い業務をされており、仕事がとても楽しいと思えるそうです。

しかし、ここで働くまでにはたくさんの挫折を経験しました。

もともとは調理業界に進みたいと思っていたものの、障害を理由に周りの理解を得られず、情報系の高校に進学したのです。

周囲の友人が夢に向かって進んでいる中、自分だけ障害を基準に決めることに強く疑問を抱いたそうです。

卒業後は市役所に採用され、窓口に配属となりました。人と接することが多く、ときには、お客さんにジロジロと見られることもあったといいます。その影響で次第に働くことが辛くなり、最後は適応障害と診断されました。

参照:「適応障害」厚生労働省

退職後は別の求人に応募するも、四肢欠損を理由に断られることが続き、毎日が嫌だと感じることもありました。そんな中、一度は断られた児童指導員の求人が、何故だか頭から離れなかったそうです。

そして今の職場に出会い、人生の転機を迎えることができました。

自身も障害があることから、子どもたちとの接し方や周りの目線を気にしなくて良いといった安心感があるといいます。また、サポートしていく中で子どもの成長を感じたときが一番やりがいを感じ、自分も励まされるそうです。

辛い経験をしながらも、向き合い続けた結果、楽しいと思える職場に出会えました。

4.障害を隠さずに堂々と生きる

片腕の人生さんは、これまで障害に振り回されることが多かったといいます。

以前、パートナーから「障害者なのにメイク濃いよね」といわれた経験があり、障害者という色眼鏡で見られていることを全く理解できませんでした。そのとき「障害関係なく私は私、もう全部自分で決める」と心に決めたそうです。

ライダースジャケットを着こなす片腕の人生さん

それが今の活動にもつながっています。

片腕の人生さんいわく「個性とは、自分らしいこと」で、人の目を気にせず、自分で着たいファッションや進みたい道を決めることが個性、とのことです。

これからもInstagram等を通して、個性を表現すると共に、1人では無いことを伝えていきたいそうです。

最後に片腕の人生さんの目標を伺いました。

もちろん答えは「半袖で外を歩きたい」でした。

5.最後に

今回の記事はいかがだったでしょうか?

取材の中で、SNSの発信だけでは見られなかった、片腕の人生さんの人間味を感じることができました。

読者の方へのメッセージを聞くと、「障害と向き合う上で、1人で悩まないでほしい」とおっしゃっていました。

もしあなたが悩んでいるのなら、ぜひ片腕の人生さんのSNSをご覧ください。あなたの背中を押してくれるかもしれません。

Instagram:https://www.instagram.com/footprint_syk/
Twitter:https://twitter.com/footprint_syk

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