「女性が元気になれば、家族や社会も元気になると確信しています」
そう話すのは、株式会社Meroneの執行役員である清水翔さん。
清水さんは、複雑な家庭事情に直面した経験から家庭の幸せを考えるようになり、ブライダル業界で活躍されていました。
その後、自ら起業したものの、詐欺被害に遭って1億5000万円の借金を抱えることに。
しかし、人との出会いによって自分自身を見つめ直し、再びビジネスの第一線で活躍されている清水さんのルーツや、女性にとってのバリアフリーな未来を伺いました。
目次
1.株式会社Meroneってなに?
株式会社Meroneは「女性の自立を教育で支援する」ことをミッションとしている企業です。
同社は、教育事業を通じて女性たちの人生の選択肢を増やし、自分らしく輝けるバリアフリーな社会を目指しています。
在宅物販スクール「Re:che」は、売り手の教育に注力していて、メーカーやブランドの廃棄品、不要品を預かり販売することで、社会に貢献しながら、すきま時間に月10万円の収入が得られるように販売ノウハウを提供し、女性の自立を支援しています。
また、月1回の勉強会や個別LINEサポート、弁護士・税理士への無料相談などの福利厚生も充実していて、1,000人以上の生徒が一緒に学んでいるスクールです。
1-1.女性が感じる社会の障害
【インタビュアー(ライター):赤石/インタビュイー:清水さん】
赤石:女性が感じている社会の障害について教えてください。
清水さん:社会の中では「女性に仕事ができるの?」といった態度を取られることがあります。また、家庭では「女は黙って家事をしていればいい」とパートナーから言われる場合もあり、こうしたケースがまだまだ多くあるのが社会の障害だと捉えています。
このように、女性は社会や家庭から異なった見られ方をされることで、精神的にも経済的にもとても大変な方が多くいるのが現状です。
そうしたママさんへ物販のノウハウを提供し、活用していただくことで、働きたくても働けないママさんに1人でも多く自立をしていただくのが、我々の行なっている取り組みです。
赤石:女性を支援する中で、感じていることはありますか?
清水さん:1,000名を超える女性の支援に向き合う中で感じることは、女性の可能性は無限大であるということです。
家庭が元気になり、男性も元気になり、社会も元気になるという流れを創るためには、やはり女性が自分らしく生きられる環境が必要であると感じています。
しかし、日本にはまだまだ、地域や貧富による格差により、経済的にも精神的にも追い詰められた多くの女性が存在しているのも事実です。
そうした女性たちにとって、いつでも帰ってくることができるサードプレイスとして、Re:cheをより広く深く展開していきたいと考えています。
1-2.Re:sellerという価値観を大切に、女性の自立を促す
赤石:「Re:seller」とはどんな価値観でしょうか?
清水さん:一般的に物販のイメージとして、莫大な利益を上げるために需要の増減をいち早く察知して買い占め、高値で販売するなど、正常な商品の流通を妨げる悪質な販売行為が目立っているように感じています。
しかし私たちは、ECサイトを通じて不要品を安く譲ったり、廃棄予定の品物を買い取って販売したりすることで、商品の無駄という社会問題を解決し、その結果として自分も豊かになるという在り方を「Re:seller」と定義しています。
当社が他社では取り扱えない商品を仕入れることができるのは、私たちの理念に賛同してくださった企業様があってこそです。
だからこそ、私たちは売り手に正しい教育を提供することで、物販業界全体をクリーンにし、新たな企業様も巻き込みながら販売活動を創出することを目指しています。
2.清水翔さんってどんな人?
中学生の頃に家庭内の複雑な問題を目の当たりにし、家族の幸せについて考え始めたという清水さん。
大学では、家族の成り立ちや人の行動について考える「家族社会学」を学んだそうです。そして、家族が幸せになるためにできることとしてブライダル会社に就職し、年間2万人を超える新郎新婦の門出を応援していたとのこと。
そして、結婚した先を見据えて家族を支援したいという想いから起業へ進みます。しかし、そこからが清水さんにとって今も続くルーツとなる出来事の連続でした。
2-1.経歴と実績
・1986年生まれ。慶應義塾高等学校/大学文学部で家族社会学を学ぶ
・卒業後、株式会社ベストブライダルにて新規事業立上げ、社内唯一の役員付を担当
・株式会社マクロミル、SONY生命に勤務後、独立
・株式会社FAMILY設立
・結婚コンサル事業を口コミのみで初年度100組の新郎新婦に提供
・並行し株式会社MOSOmafiaにてCMOとして美容版Uber”careL”リリース
・@コスメより1,000万円資金調達
・詐欺事件に遭い1億5,000万円の負債を抱え社会的・精神的に追い込まれる
・六本木会員制Bar RAIDON創業
・株式会社Pipicを創業しマッチングアプリ開発をFounderとして牽引
・9,000万円を全国の個人投資家から資金調達
・株式会社カンリーにCROとして就任
・リリース1年で15,000店舗導入/代理店経由商談獲得を3ヶ月で2倍達成
・株式会社Merone執行役員に就任、事業戦略から店舗運営まで全事業部を統括
2-2.起業後1億円の負債を抱えることに
赤石:起業のきっかけを教えてください。
清水さん:私は28歳のときに離婚を経験しました。
当時、幸せな家庭を作りたいという願いを持ちながらも、思いもよらずに離婚してしまい、自分の人生が上手くいっていないと感じる瞬間でした。
しかし、「そんな私だからこそ、家族や家庭といった大切なことに人生を捧げたい」という思いが強まり、自分にとっての生きがいが見つかったのです。
その後、家庭を継続的に応援できるコンサルティング事業を立ち上げ、起業の道に進むことを決めました。
赤石:なぜ、1億円の借金を抱えることになったのですか?
清水さん:私が行っていた事業は、新郎新婦へ結婚式を含めたライフプランニングをご提案していました。その中で大切な資産を将来の子育てや家の購入に使えるように、投資も提案しており、連携していた資産運用会社様をご紹介していました。
しかし、後日その会社がお金を全て持って逃亡する事態が起こり、私がご紹介した方々の資金の合計約1億5千万円が返ってこなくなってしまったんです。
そこからが大変でした。その責任を取って返済をしていたのですが、時には取り立て屋が自宅の前で待機していることもあり、返済するまでの2年の間、追い回される日々が続きました。
その時はお金を返すのに必死で、本来やりたいことではないビジネスをして、精神的にも落ち込む日々でしたね。
赤石:立ち直ることができたきっかけを教えてください。
清水さん:今もお付き合いしている方と出会ったことです。本当に大切にしたい人と出会ったことで目が覚めたんです。
気付けば、家庭を幸せにするのが自分の使命と言っておきながら、お金を稼ぐために全く逆のことをしていました。
このままでは後悔すると思い、再度0からキャリアを作っていくために、ベンチャー企業の役員として再スタートしました。
2-3.ビジネスで最も大切にしている想い
赤石:清水さんがビジネスで大切にしていることはありますか?
清水さん:代表の思想がちゃんと組織に反映されて、言語化できているような組織文化がとても大切だと考えています。
当社は、全国に1,000人のママさんに生徒として参加していただいています。しかし、社員は1人もいません。
「Re:che」で学ばれた生徒さんには当社の想いに共感してくださる方も多く、教える側として活躍してくださっている方もいます。1,000人のママさんをその10人のママさんが支援しているのです。
それが実現できるのは、代表取締役の森川の想いをもとに、全員で「どうすればママさんにとってベストなアクションになるのか」を考えられる組織文化があるからこそです。
これからビジネスにおいて良いチームを作るには、思想をきちんと共有し体現できるような組織が育っていくと感じています。お金ではなく、心地よいと思える組織作りが大切だなと思います。
3.清水さんがこれから創る幸せな家庭を増やす事業とは?
赤石:これから挑戦していきたいことはありますか?
清水さん:1つは当社を日本一のママさん向けスクールにすることです。
当社のスクールに来られるとママさんの表情が前向きな顔に変わっていくのを何度も見てきました。やはり自分でお金を稼げると自信もついて、人生観が変わったとたくさんの声をいただきます。
こうしたママさんを1人でも増やしたいですし、悲しい家庭を減らすためにも、ママさんの応援は絶対に続けていきたい活動です。
もうひとつは、家族のログが取れるサービスを作りたいと考えています。
昔のような「男は外で女が内」が絶対的な常識ではなく、夫婦の形も2人で決める時代だと思っているので、家庭内の約束事を全て見返すことができるような仕組みを作りたいですね。
さまざまな家庭のログを見ることで、問題が起きる原因も分かり、事前に避けるためのサポートも可能かもしれません。
やはり、不幸な離婚が減るようなサービスを生み続けていきたいですね。
4.これから挑戦する人へ送るメッセージ
赤石:一歩が踏み出せない方へ向けてメッセージをお願いします。
清水さん:諦めないことは最強のスキルだと思っています。
ただ、諦めないことと押し付けることは違います。時には自分の行動を客観視し、自分のやりたいことに対して今の行動がベストなのかを常に考える必要がありますね。
そして、素直さも忘れないで欲しいです。
自分の理想を叶えるためには、今のやり方に満足するのではなく、いろんな人の意見を素直に聞いて、良いところは吸収しようという気持ちが大切です。
常に自分自身のアップデートを怠らず、諦めずに走って行くことが重要だと思っています。
5.最後に
清水さんは、人生のどん底を味わったといいます。そこから自分が命をかけて取り組みたいことに気付き、女性が抱えている課題を解決し、バリアフリーな社会を実現するためにビジネスの第一線へ復活されました。
取材の中でも、同じような思いをしている人に「一度失敗してもゲームオーバーではない」と伝えたいと仰っていて、諦めないことの大切さを体現されている方だと改めて感じました。
今回紹介した株式会社Meroneさんが気になった方は、ぜひホームページからお問い合わせください。
公式HP:https://merone.jp/
また、Ayumiでは障害児を持つママを取材した記事もあります。生まれてきた子供が、名前のない病気だとわかったとき、ママはどんな行動に移ったのでしょうか。ぜひこちらの記事もご覧ください。
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