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Ayumiのライター、小澤です。
私は主に、医療的ケア児や障害児についての記事を担当しています。それは、私自身が医療的ケア児・障害児の親だからです。
私の息子は、病気を持って生まれてきました。その影響で障害もあります。今は5歳ですが、歩くことも、話すこともできません。でも、とてもかわいくて、大切な存在です。
そんなかわいい息子と暮らす中で、さまざまな壁にぶつかり、私は今までに経験したことがない生きづらさを感じていました。その中でも大きな壁が、「働けない」という壁と、「情報不足」の壁です。
今回の記事では、私が感じたその壁の話を通じて、感じた生きづらさの詳細や、どんな想いで記事を書いているのか、ということをお話ししようと思います。
医療的ケア児の親は、働けない、という壁
息子を妊娠する前、私は2度流産しています。
当時働いていた会社は残業も出張も多く、仕事自体は楽しかったですが、体には負担がかかっていました。体調が悪くても休みづらい環境で、妊娠を望んだときに働き続けるのは難しいと考え、悩んだ末に退職。
それでも働くことは好きだったので、子どもができたら、保育園に預けてまた働こうと思っていました。みんなやってることだし、もちろん自分にもそれができると思っていました。何の疑いもなく、です。
でも、生まれた子どもは生きるために医療的ケアが必要で、その状態では保育園に入れないことがわかりました。
以前こちらの記事で医療的ケア児の入園問題について取り上げましたが、まさにこの苦しみを私も味わっています。
医療的ケア児である息子を預かれるところはない、とはっきり役所の方に言われてしまい、その時は落ち込んで、それ以上預け先を探そうという気力も湧きませんでした。
さらに追い討ちをかけるようにぶつかったのが、情報不足という壁です。
息子が生まれて知った、障害児の情報不足という壁
困ったことがあった時、現代ではたいていの人が、ネットで検索すると思います。子どもの病気や障害の可能性を医師に宣告された時、例に漏れず私もそうしました。
「検索魔」という言葉がぴったりなほど、暇さえあれば検索し、検索結果を最後のページまで確認し、該当ページを読み漁りました。
でも、探している情報は出てきません。
「こんなにインターネットが発達した世の中で、知りたい情報がないなんて…」最初はとても驚きました。そしてストレスも感じました。
「病児や障害児の情報は、健常児よりも圧倒的に少なく、検索しても出てこない。」私が今まで知ることのなかった社会の課題を、子どもが生まれて初めて知ったのです。
「マイノリティとして生きるってこういうことなのか。ただでさえ生きるのが大変なのに、情報が足りずさらにハードになるのか。」と、痛感しました。
何もかも思うようにならなくて、息子のお世話もとても大変で、最初はただただ「その日一日を乗り切る」ということだけしか考えられず、無気力に生きていました。
しかし息子との日々が落ち着いてきた頃、「私がこれだけ情報を求めているなら、他にもそんな人がいるのでは?」と思うようになります。
「だったら私から発信しよう。」ある時思い立ち、子どもとの生活を綴ったブログを始めることにしました。
というのも、私自身、個人ブログにすごく救われた経験があるからです。
検索魔になっていた時、ヒットする情報が少ない中で、参考にしていたのは個人のブログでした。ブログに綴られている「経験談」は、障害児家庭のリアルな生活を知ることができる貴重な情報源だったのです。
同時に、「一人じゃない」と思えたことで得られた安心感もありました。
「私の経験談も、他の誰かの役に立つかも」そんな気持ちで記事を書き続けました。
「働きたい」「障害児者の情報不足を解消したい」二つの想いを叶えたくて書き続ける「手紙」
Ayumiを知ったのは、そのブログを始めて3年ほど経った時です。SNSで偶然見かけた投稿。そこに書いてあったのは、「障害者の情報不足を解消したい」という山口代表の想いでした。
「私と同じだ」
ひどく共感し、私も役に立ちたい、と思い、ライターに応募しました。
ブログを書き続けていたことで、すっかり書くことが大好きになっていた私にとって、自分が課題を感じていた「情報不足」の解消に携われて、「働きたい」という希望を「好きなこと」で叶えることができるライターの仕事は天職だと思っています。
主に車椅子ユーザー向けの記事が多かったAyumiのWEBメディアですが、今は医療的ケア児・障害児についての記事も増えてきています。代表が、医療的ケア児の問題を深刻に受け止め、私だから書ける記事を、と依頼してくれているおかげです。
私自身、文章を書くことには慣れていても、ライターとしては未熟です。それでも校正さんをはじめ色んな人と「チームで書く」ことで力不足を補ってもらいながら、伝えたいことを明確に伝えられるように、「読者への手紙」だと思って記事を書いています。
たくさんの人に届けたい、というよりも、今苦しんでいる、悩んでいるたった一人のために、その人に届くように、書きます。だから、「手紙」なんです。
手紙は相手がいなければ成立しません。今日も読んでくださるあなたに、心から感謝して、この手紙を終わります。