障害者であっても、芸能分野で活躍されている方を多く見かけます。
障害者専門の芸能事務所やプロダクションがあるため、障害者が活躍できる舞台が用意されているのです。
特に乙武洋匡さんが有名であり、コメンテーターとしてテレビ番組に多く登場しています。
では、障害者がモデルなどの仕事をしたい場合、どのような事務所やプロダクションを利用すればよいのでしょうか。
この記事では、障害者専門の芸能事務所やプロダクションを紹介するとともに、選び方のポイントやステップを解説します。
1.障害者専門の芸能事務所・プロダクション5選
障害者専用の芸能事務所やプロダクションは、障害者の方でも活躍できる場所を提供するために存在しています。
実際に、障害者雇用の職域拡大などを目的として誕生したところも多いです。
特に、以下の芸能事務所やプロダクションが有名です。
- アクセシビューティーマネジメント
- ココダイバーシティ・エンターテイメント
- アヴニールプロダクション
- グローバル・モデル・ソサイエティー
- tenbo
各芸能事務所やプロダクションの特徴について、詳しく解説します。
1-1.障害×美容のちからでCMからテレビ番組まで活躍「アクセシビューティーマネジメント」
アクセシビューティーマネジメントは、東京都あきる野市にある障害者専用の芸能事務所です。
「障害×美容が当たり前の社会をつくる」をテーマとして掲げ、元々は障害者への美容普及に取り組んでいました
その流れを汲んで、芸能事務所であるアクセシビューティーマネジメントを誕生させたのです。
「障害×美容」の視点より、ブランディングを叶えるための撮影サポートをおこなっており、自社の強みを存分に活かした対応をおこなっています。
実績として、以下のようなメディアやCMへ所属者が出演した実績があります。
- 日本テレビ「newsevery」
- NHK「地球まるわかり」
- 資生堂150周年記念CM出演
- MIZUNO「ミズノケーン」広告出演
- GROBAL WORK webモデル
- HONDAモビリティーPV出演
障害者手帳がなくても所属でき、年齢制限がないところが特徴です。
また、モデルや俳優が未経験の方もスクールが用意されており、各分野で活躍できるスキルを習得できます。
参照:アクセシビューティーマネジメント|障がい者専門芸能事務所
1-2.多彩なジャンルのエンターテイナーが所属「ココダイバーシティ・エンターテイメント」
ココダイバーシティ・エンターテイメントは、大阪に本社スタジオを構えており、東京や広島、福岡にオフィスを構える芸能事務所です。
2020年6月にフリーマガジン「ココライフ女子部タレント部」より、事業移管して設立されました。
ココダイバーシティ・エンターテイメントは、障害や難病を持つ方であってもエンターテイメント業界において普通に出演することを目指している事務所です。
大手メディアや公官庁との取引実績があり、ソーシャルファーム企業として東京都の認証を受けています。
大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」において共創チャレンジを計画しており、空飛ぶ車椅子構想を掲げていることでも有名です。
何らかの障害や難病を抱えている方であれば、オーディションを受けて合格すれば所属できます。
主にCMやテレビ、ラジオ、Web、新聞、雑誌などで活躍されており、音楽配信やライブ活動をおこなっている方が多いという特徴があります。
1-3.映画から舞台まで幅広く活躍できる「アヴニールプロダクション」
アヴニールプロダクションは、東京都荒川区にある芸能事務所です。
事務所経営だけでなく、タレントやヘアメイクアーティストなどのマネジメントや芸能スクールなども担当しています。
「アヴニールスクール」では「身体障害者コース」があり、以下のジャンルで現役第一線で活躍する関係者からレッスンを受けられます。
- モデルポージング
- ダンス
- 演技
- ボイストレーニング
- コーチング
- ビューティー
- 手話レッスン
アヴニールプロダクションには多彩なジャンルのエンターテイナーが在籍しており、2023年12月に公開された映画「PERFECT DAYS」に所属タレントの吉田葵さんが出演した実績があります。
また、ダウン症の競泳競技選手として知られている村井海人さんとパートナーシップ契約を締結して話題となりました。
参照:アヴニールプロダクション | 知的障害者タレント事務所
1-4.世界で活躍するモデルを発掘する「グローバル・モデル・ソサイエティー」
グローバル・モデル・ソサイエティーは、プロフェッショナルな障害者モデルを発掘することを目的として誕生した、インクルーシブ・モデルエージェンシーです。
インクルーシブ・モデルエージェンシーとは、障害の有無や性別、性的嗜好、人種などの違いや属性に左右されないモデル事務所のことです。
多様化しているファッション界のニーズに応じるため、さまざまな障害者モデルを発掘しています。
世界トップクラスのインクルーシブ・モデルエージェンシーとして知られている「Zebedee」と提携しており、広く活躍の場が用意されているという特徴があります。
実際に、インターナショナルモデルとしてDiorやELLEなどのイメージモデルを輩出している状況です。
5歳以上で日本人、ダブル、日本在住で海外にルーツがある障害者の方であれば、モデルに応募可能です。
参照:GMS | 株式会社グローバル・モデル・ソサイエティー
1-5.障害者モデルを専属起用しているファッションブランド「tenbo」
障害者モデルを専属起用しているファッションブランドとしては、tenboが有名です。
点字をあしらったシャツを発売しているなど、障害者に寄り添ったブランドとして広く認知されています。
tenboは、日本ハムファイターズの新庄剛志監督の衣装などもプロデュースしていることでも知られています。
また、障害のある未成年の子どもたちをファッションデザインで支援するプロジェクトとしてティコを立ち上げており、障害者の自立支援をおこなっているのです。
tenboの鶴田代表は、誰もが参加でき、学べる学校を作りたいという思いをAyumiのインタビューでも語っています。
参照:【ファッションで世界中に笑顔と幸せを届ける】tenbo 鶴田代表が切り開く未来とは?
参照:tenbo/テンボ/ファッションデザイナー/鶴田能史|tenbo
2.障害者が芸能人・モデルになるには?
障害者が芸能人やモデルになるには、芸能事務所やプロダクションに所属する方法がおすすめです。
現在では、YouTubeやSNSなど個人発信により有名人になれますが、さらに著名になるには相当な才能や運が必要です。
そこで、オーディションを受けたり、スカウトされたりすることで、芸能人やモデルになれる可能性が高まります。
特に、障害者専用の芸能事務所やプロダクションに所属すれば、より自分に合った仕事ができる可能性が高くなるため、おすすめです。
多くの事務所では、自社で独自のスクールを提供しており、スキルや経験がない方でも、必要な能力を得られるケースが多いです。
実際に障害者モデルとして活躍されている丸橋主有さんのインタビュー記事を、ぜひご覧ください。
3.芸能事務所・プロダクションを選ぶポイント
芸能事務所やプロダクションを選ぶ際には、以下の点に着目してください。
- 活躍したいジャンルの実績
- 運営の背景
- 養成講座のカリキュラムが自分に合っているか
各ポイントについて、詳しく解説します。
3-1.活躍したいジャンルの実績
芸能事務所やプロダクションによっては、特定のジャンルに特化している場合があります。
たとえば、グローバル・モデル・ソサイエティーでは、DiorやELLEのイメージモデルを務めた実績もあり、モデルを目指す方にとってはよりよい選択肢といえるのではないでしょうか。
このように、活躍したいジャンルに実績のある芸能事務所やプロダクションの中から選ぶことをおすすめします。
3-2.運営の背景
障害者に特化している芸能事務所やプロダクションに関しては、運営している背景が明確な場合が多いです。
たとえば、アクセシビューティーマネジメントは、美容分野で得られた経験を活かすために芸能事務所を始めたという背景があります。
運営の背景が自分の求めているものと合致するかどうかは、気持ち良く仕事できるかどうかを図る上で重要な要素です。
多くの場合、企業理念などで運営の背景などを確認できるため、チェックすることをおすすめします。
3-3.養成講座のカリキュラムが自分に合っているか
多くの芸能事務所やプロダクションでは自社のスクールを用意していますが、その内容が自分に合っているかを確認することも重要です。
芸能人やモデルとしての経験がない方に向いた内容であるのか、自分の能力をさらに活かせるような内容なのかによって、自分に合うかどうかが決まります。
自分の能力などを棚卸しして、提供している育成講座のカリキュラムが自分にマッチするのかをしっかりと判断してください。
4.最後に
障害があっても、芸能人やモデルとして活躍したいという方が多くいます。
そのような場合、芸能事務所やプロダクションに所属するのがおすすめです。
ただし、自分に合った所属先を選べるかがポイントとなります。
今回の記事で紹介した内容を参考にして、芸能事務所やプロダクションにチャレンジし、芸能人やモデルを目指してみてはいかがでしょうか?