旅行/観光 ジブリパークは車椅子でも楽しめる?楽しみ方から注意点まで徹底解説!

ジブリパークは車椅子でも楽しめる?楽しみ方から注意点まで徹底解説!

「ジブリの大倉庫」の「中央階段」

ジブリパークは、スタジオジブリ作品の世界観を楽しめる公園施設です。車椅子ユーザーも楽しめるように、バリアフリートイレやエレベーターなどが設置されています。

本記事では、車椅子ユーザーがジブリパークを楽しむためのベストなルートや、注意点、さらにはアクセス方法まで徹底解説します。ジブリパークの世界を楽しみながら、特別な一日を過ごしましょう!

1.ジブリパークは車椅子でも楽しめるの?

ジブリパークは、愛知県名古屋市に隣接した長久手市にある「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に2022年11月にオープンした公園施設です。愛知県が整備しました。

2022年11月に「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」、2023年11月に「もののけの里」、2024年3月には「魔女の谷」がオープン。5つのエリアで構成されています。

園内にはバリアフリー対応のスロープやエレベーター、車椅子専用の観覧エリアなど、誰もが安心して楽しめる工夫が至る所に施されています。5エリアいずれも車椅子で快適に移動が可能です。

2.車椅子利用者でも楽しめるジブリパークの遊び方

2-1.「ジブリの大倉庫」

「ジブリの大倉庫」は、映像展示やカフェ、ショップがあるエリアです。

「ジブリの大倉庫」に入場し、進んでいくと、タイルで彩られた1階と2階を結ぶ「中央階段」があり、その上では『天空の城ラピュタ』に登場する全長約6メートルの「空飛ぶ巨大な船」が浮かんでいます。

「ジブリの大倉庫」の「中央階段」

色鮮やかなタイルの中には、『となりのトトロ』に出てくるマックロクロスケが隠れているので、ぜひ探してみてください。

ジブリの大倉庫では「ジブリのなりきり名場面展」「食べるを描く。」増補改訂版、「ジブリがいっぱい展」の3つの企画展示(いずれも期間限定の開催)が行われており、「ジブリのなりきり名場面展」では、『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシの横に座るシーンがあり、写真撮影もできます。

「映像展示室オリヲン座」では、スタジオジブリ制作の10作品の短編アニメーション映画が月替わりで上映されており、車椅子のままで入場可能です。車椅子専用席は館内の1番後方部にあり、最大4台の車椅子が入るスペースが確保されています。

他にもスタジオジブリのある東京・小金井市の昔の街並みをモチーフにした「子どもの街」や『となりのトトロ』をイメージした「ネコバスルーム」など、子ども向けの遊び場もあります。

「猫バスルーム」

ショップ「冒険飛行団」、サンドイッチやピザなどの軽食がいただける「カフェ 大陸横断飛行」があるのもジブリの大倉庫になります。

2-2.「青春の丘」

青春の丘は、『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』の19世紀末の空想科学的な時代をモデルにしてデザインされた​​「エレベーター塔」、『耳をすませば』に登場する「地球屋」と「ロータリー広場」、『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」などの見どころがあるエリアです。

「エレベーター塔」は、高さ約30メートルの展望台にもなっており公園を一望できるほか、バリアフリー動線で誰でも利用することができます。

「エレベーター塔」
© Studio Ghibli

「エレベーター塔」を降りて進むと、『耳をすませば』に登場する「地球屋」が見えてきます。

「地球屋」の外観

建物の前には作中と同じく車道を1周する「ロータリー広場」があり、真ん中に植えられたヒマラヤスギも見どころです。車椅子で「地球屋」に入るには、建物前のスロープから入ることができます。

1階は、天沢聖司がバイオリン制作を学んでいた工房を表現し、2階ではアンティーク家具やからくり時計などを修理・販売するアンティークショップがあります。

『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」は、建物から家具や小物まで全てが猫サイズで作られた木造平屋です。窓から中を覗くとバロンやムタの姿が見られます。

2-3.「どんどこ森」

「サツキとメイの家」

「どんどこ森」は、ジブリ作品の中でも人気の高い『となりのトトロ』の世界観を表現したエリアです。「どんどこ処」は、季節に合わせた飲み物やお土産が販売されていて、バリアフリートイレ完備の休憩所としても利用できます。

2005年に開催した​​愛・地球博のパビリオンのひとつとして公開された「サツキとメイの家」は、作中に主人公家族が引っ越してきた家を忠実に表現しています。作中の家がそのまま目の前にあるように思えます。お父さんの書斎や家族が食卓を囲んだ茶の間、炊事場があり、本当に映画の中に入り込んだようです。

残念ながら構造上、車椅子で家の中に入ることはできませんが、家の周りから中の様子がみられるので、ぜひそこから楽しんでみてください。

サツキとメイの家を見た後は、いよいよ山頂にある「どんどこ堂」を目指しましょう。車椅子で「どんどこ森」の頂上へ行くには、スロープカー「どんどこ号」を利用します。

「どんどこ号」は、どんどこ森のチケットを持っていれば乗ることができます。車内は広々としており、乗り場との段差もわずかなので車椅子でも安心です。

頂上には、高さ5メートルのトトロを模した木製遊具「どんどこ堂」があり、小学生までの子どもは中に入って遊べます。遊具には、地元愛知県産のヒノキや杉が使われているのもこだわりです。

「どんどこ堂」

「どんどこ堂」の近くには、お守りや袋などが販売されている「どんどこ売店」があり、ここでしか買えないアイテムばかりなのでぜひチェックしてみてください。

2-4.「もののけの里」、「魔女の谷」

「もののけの里」は『もののけ姫』をイメージしたエリアです。里山風景の中に作中の建物をモチーフにした体験学習施設「タタラ場」、キャラクターを模した「乙事主」(遊具)や「タタリ神」(オブジェ)があります。
「魔女の谷」は魔女が登場する作品をイメージしたエリアです。『魔女の宅急便』の「グーチョキパン屋」や「オキノ邸」、『ハウルの動く城』の「ハッタ―帽子店」や「ハウルの城」、『アーヤと魔女』の「魔女の家」などがあります。

2-5.ジブリパーク内の移動方法、どのルートがいいの?

ジブリパークのある愛・地球博記念公園は、​​広さが約200haと非常に広大な敷地で、リニモ愛・地球博記念公園駅から各エリアまでの距離は以下の通りです。

    駅⇔「ジブリの大倉庫」 約400m
    駅⇔「青春の丘」 約300m
    「どんどこ森」(西口ルート) 約1300m
    「どんどこ森」(林床花園ルート) 約1000m
    駅⇔「もののけの里」 約800m
    駅⇔「魔女の谷」 約800m

引用元:アクセスおよび各エリアまでの距離目安|ジブリパーク


各エリアへは車椅子で移動可能ですが、全て回るのは大変という方には、園内を周遊している愛・地球博記念公園で運行されている無料バスがおすすめです。

無料バスは、東ルートと西ルートの2種類がありますが、ジブリパークをめぐるには「東ルート」のバスに乗車しましょう。各エリアの最寄りバス停は、以下の通りです。

「青春の丘」:地球市民交流センター
「もののけの里」:もののけの里(あいちサトラボ)
「魔女の谷」:魔女の谷(大芝生広場)
「ジブリの大倉庫」:ジブリの大倉庫(アイススケート場)
「どんどこ森」:どんどこ森

詳しい運行時間は、以下の時刻表を参考にしてください。

参照:園内バス時刻表|愛・地球博記念公園管理事務所

園内を走るバスはユニバーサルデザインで、乗降りの際にはスロープも出してくれるので、車椅子でも安心して乗れます。

また、ジブリパークの公式サイトでは、「青春の丘」「どんどこ森」は16時以降、閉園(17時)間際にかけて大変混みあい、両エリアとも16時30分に入場受付が終了とインフォメーションされているため、混雑具合を確認しながら午前中や午後早めにいくのがおすすめです。

参照:ご来場に際してのお願い|ジブリパーク


3.ジブリパークへのアクセス情報


3-1.公共交通機関を使って行くことを検討している方

公共交通機関を利用してジブリパークへのアクセスは、電車とバスの2つです。電車の場合、名古屋駅から地下鉄東山線で藤が丘駅で下車し、リニモに乗り換えて「愛・地球博記念公園駅」で下車します。

バスの場合は、名古屋駅発と空港発の2つのルートで運行しています。

名古屋駅・名鉄バスセンター:4階24番のりば『愛・地球博記念公園(ジブリパーク)』行き
中部国際空港第一ターミナル:『藤が丘』経由『愛・地球博記念公園(ジブリパーク)』行き

詳しい時刻表や料金については、名鉄バスの公式ホームページから検索できます。

参照:名鉄バス|名鉄バス株式会社
参照:アクセス|ジブリパーク


3-2.車を使って行くことを検討している方

ジブリパークには、専用駐車場がないため公共交通機関での来園を推奨しています。ただ、やむを得ず車で来園する場合は、愛・地球博記念公園の駐車場を利用しましょう。

駐車場は全部で6箇所あり、ジブリパークの入り口に近い「愛・地球博記念公園 北口駐車場」には、屋根付きの車椅子専用駐車場があります。

また、駐車場の詳しい位置や混雑状況などは、愛・地球博記念公園ホームページに掲載されているのでご覧ください。

参照:アクセス・駐車場|愛・地球博記念公園


4.障害者手帳やミライロIDを使うと割引の対象になるの?

ジブリパークには、限定販売を含めて4種類のチケットがあり、平日や休日によって価格が変更になります。チケットの料金と障害者割引は、以下の通りです。

大人子ども(4歳〜小学生)障害者割引
チケットの種類平日土日休平日土日休一般チケット金額の半額料金(本人と同伴者1名に適応)
ジブリパーク大さんぽ券3,500円4,000円1,750円2,000円
ジブリパーク大さんぽ券プレミアム7,300円7,800円3,650円3,900円
ジブリパークさんぽ券1,500円2,000円750円1,000円
ジブリパーク魔女の谷・もののけの里セット券
(2025年2月まで期間限定販売)
3,300円3,800円1,650円1,900円

※2024年11月現在
※上記価格は税込み表示。
※3歳以下は入場無料。
※ジブリパーク指定の障害者手帳は「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」、「療育手帳」、難病の患者は「特定医療費受給者証」、「被爆者健康手帳」、「戦傷病者手帳」です。

チケットはオンラインかコンビニ販売になっており、障害者割引の場合は、「障害者 大人」もしくは「障害者 子ども」を選択し購入します。入場の際には、手帳の原本またはコピー、ミライロIDのいずれかの提示が必要です。

また、チケットを購入する際には1枚につきシステム利用料として別途110円(税込)が必要になります。

チケットの詳しい種類や入場できるエリア、予約・購入方法など詳しい情報は公式サイトをご確認ください。

参照:チケットの種類と料金|ジブリバーク


5.ジブリパークはベビーカーで入場できるの?

ジブリパークの一部エリアでは、ベビーカーの持ち込みは禁止されています。持ち込みを禁止している理由としては、エリア内に十分なスペースがないことや安全を考慮しての対策です。ベビーカーを預けて​​抱っこひも、おんぶひもの使用を推奨しています。

ただし、医療機器がついたベビーカーやバギーなどは車椅子と同等の扱いとなるので、各エリアでも入場が可能です。また、通常のベビーカーとこども用車椅子は形が似ているため周りの人に誤解されやすく、障害児をもつ親御さんは苦労されています。

この記事を読んでいる方には、ぜひこども用車椅子の存在を知ってもらいたいです。

参照:「ベビーカー」と「子供用車いす」の違いとは?誤解を生む理由や機能の違いなど徹底解説!

障害をもつお子さんがいる場合は、近くにいるスタッフに事情を説明してベビーカーやバギーでも入場できるように配慮してもらいましょう。

6.ジブリパーク内にある施設ごとのサービスまとめ

ジブリパークには以下の施設ごとに、バリアフリートイレやエレベーターなどが設置されています。

エリア施設・サービス
「ジブリの大倉庫」・バリアフリートイレ(オストメイト、介助用ベッド、おむつ替え台)
・ベビールーム/授乳室
・エレベーター
・車椅子用鑑賞スペース
「青春の丘」・バリアフリートイレ(オストメイト、おむつ替え台)
「どんどこ森」・バリアフリートイレ(オストメイト、おむつ替え台)
・スロープカー
「もののけの里」・バリアフリートイレ(オストメイト、おむつ替え台)
「魔女の谷」・バリアフリートイレ(オストメイト、おむつ替え台)
・ベビールーム
・エレベーター

参照:利用のご案内|ジブリパーク

バリアフリートイレは、全てのエリアについておりオストメイト設備も対応しています。また、おむつ替え台が設置されているのも、こども連れにとっては嬉しいポイントです。

荷物を預けたい方は、愛・地球博記念公園内にあるコインロッカーやクロークを利用してください。車椅子やベビーカーの貸し出しも、以下の場所で行っています。

サービス施設
コインロッカー・北口案内所
・地球市民交流センター
・西口案内所・休憩所
クローク・北口案内所
車椅子・ベビーカーの貸し出し・北口案内所
・西口案内所・休憩所

参照:愛・地球博記念公園内にある施設・サービス|ジブリパーク

コインロッカーは、大きさによって300〜600円にて利用可能です。

北口案内所のクロークでは、サイズ縦横高さ合計が180cm・重さ20kgまでの荷物を1点600円にて預かってもらえます。(財布やスマートフォンなどの貴重品はNGです。)

また、天候不良時は以下のエリアに入場規制がかかる場合があるので注意しましょう。

  • 「どんどこ森」:どんどこ森の裏山散策路
  • 「もののけの里」:乙事主(おっことぬし)
  • 「魔女の谷」:メリーゴーランド、フライングマシン

参照:ジブリパーク内にある施設・サービス|ジブリパーク


7.まとめ

今回は、車椅子でのジブリパークの楽しみ方をエリアごとに解説してきました。東京ドーム42個分もの広さを誇るジブリパークは、一日では周りきれないくらい見どころや魅力が満載です。

広い園内の移動は、東ルートの無料バスをうまく活用するのがおすすめです。ジブリパークは、車椅子を利用する人々でも快適に楽しめる工夫がたくさん実施されています。

アクセスのしやすさやバリアフリーの設備だけでなく、ゆったりとジブリの世界観に浸れる環境が整ってているため、誰もが夢中になれる空間です。本記事の情報をもとに、車椅子でジブリパークを満喫してきてはいかがでしょうか?

当メディア「ふらっと。」では、おでかけ情報を中心にテーマパークのバリアフリー情報を随時発信していますので、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。

参照:旅行/観光

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