おすすめ記事 デフリンピックとは?2025年大会の概要や見どころを総まとめ!

デフリンピックとは?2025年大会の概要や見どころを総まとめ!

陸上競技場の写真の上にタイトル

あなたは、「デフリンピック」という言葉を耳にしたことはありますか?

デフリンピックは、聴覚障害のあるアスリートが活躍する、今大注目のスポーツの祭典です。本記事では、デフリンピックの特徴や歴史、魅力について解説します。

1.デフリンピックとは?

1-1.デフリンピックって何?

陸上のトラック

デフリンピックとは、聴覚障害のあるアスリートが出場する国際競技大会のことで、耳が聞こえないことを意味するデフ(Deaf)+オリンピック(Olympic)が名前の由来となっています。

オリンピックやパラリンピックと同じく夏季・冬季の大会がそれぞれ4年ごとに開催され、今回は大会100周年を記念する特別な年でもあります。

1-2.デフリンピックはパラリンピックとどう違う?

障害者スポーツの国際大会と言えばパラリンピックが有名ですが、実はパラリンピックに聴覚障害者は居ません。コミュニケーションや競技の合図において情報保障を必要とするため、パラリンピックとは別に大会が設けられているのです。

情報保障については、下記の記事もご覧ください。

参照:障害がある方への情報保障とは?事例を含めてわかりやすく解説!


1-3.実はパラリンピックよりも古い!?デフリンピックの歴史

デフリンピックのはじまりは、1924年に遡ります。フランス・パリにおいて、第一回世界ろう者競技大会が開催されました。パラリンピックは第一回大会が1960年ですから、歴史としてはデフリンピックの方が長いことになります。

2.デフリンピックの魅力や見どころ

大勢の人の中で応援する男性

2-1.オリンピックやパラリンピックでは見ることのできない「視覚的な仕組み」

一般的なスポーツ大会では、ホイッスルやピストルなど、「音」を使用した合図が多いですよね。しかし、デフリンピックの選手たちは耳が聞こえないため、音は届きません。

そこでデフリンピックでは、ランプやフラッグなど「視覚的な合図」が随所に用いられており、聴力に関わらず競技に集中できる仕組みが整っているのです。

2-2.見える応援「サインエール」で会場を盛り上げよう!

選手にとって必要なのは、競技の合図だけではありません。観客からの応援もまた、大きなパワーになると言います。

しかしながら、これまでのデフリンピックには決まった応援方法はなく、観客によっては拍手をしたり声援を送ったりと、選手たちにうまく伝わらない方法になってしまうことが課題でした。そこで、大会100周年を記念する2025年大会に向け、新たな応援方法「サインエール」が開発されたのです。

サインエールとは、日本手話をベースに身体で表現する視覚的な応援方法。聞こえる・聞こえないに関係なく、誰でも使えるという利点がありながら、選手たちにもダイレクトに応援が届きます。TOKYO FORWARD 2025の公式サイトでは、「行け!」「大丈夫、勝つ!」「日本 メダルを つかみ取れ!」の3つの応援方法が紹介されています。あなたもぜひこのサインエールを使って会場で一体感を味わってみてはいかがでしょうか。

参照:デフアスリートに届ける新しい応援スタイル『サインエール』 | TOKYO FORWARD 2025


2-3.世界各国の手話に触れて非日常感を体験!

聴覚障害者が使用する言語のひとつに「手話」がありますが、手話も音声言語と同じように国によって表現が異なります。2025年大会に参加する選手の数は世界70〜80か国で3,000人ほどと言われています。各国から聴覚障害者がこんなにも多く集まるイベントは非常に珍しいです。デフリンピックでさまざまな国の手話言語や、ろう文化に触れられるのも、魅力のひとつだと言えるでしょう。

参照:大会の概要・計画|東京2025デフリンピック


2-4.デフリンピックの楽しみ方

デフリンピックは、事前申込不要・無料で観戦できることが最大の魅力です(ただし閉会式はチケットが必要となります。抽選はすでに終了しています)。

東京体育館や駒沢オリンピック公園など都内を中心に21競技が開催され、世界のトップデフアスリートの迫力あるプレーを間近で楽しめます。

観戦のポイントは、視覚的な合図に注目することです。

スタートの合図はランプや旗で行われ、審判の指示もジェスチャーやLED表示などで伝えられます。

補聴器を外して全員が公平な立場で競技する選手たちが、音に頼らず視覚情報だけで駆け引きする姿は、デフスポーツならではの見どころです。

応援は、サインエールで想いを届けましょう。

会場では、株式会社方角が開発した「ミルオト」など、競技の音と動きを擬音で可視化するシステムも体験できます。

現地に行けない場合は、公式YouTubeでライブ配信を視聴可能です。

聴覚障害への理解を深めながら、100周年記念大会の熱戦を存分に楽しみましょう。

また、関連イベントとして「スポーツFUN PARK」を利用するのもおすすめです。

駒沢公園にスポーツ体験の一大拠点が集結するイベントで、パラリンピックで金メダルを獲得した木村敬一選手や田中愛美選手なども登場します。

ダンスやスポーツパフォーマンス、音楽ライブ、芸能パフォーマンスなどが開催されるので、一緒になって盛り上がりましょう。

3.デフリンピックの2025年大会はいつ・どこで開催される?

手帳のカレンダーのページ

3-1.史上初!デフリンピックが日本で開催されます!

デフリンピックには長い歴史がありますが、その歴史の中で初めて日本での開催が決定しました。しかも、今回は記念すべき大会100周年でもあるため、参加選手や観客にとっても特別な大会となることは間違いありません。

試合会場は競技によっても異なりますが、多くが東京を中心とした関東地域で行われます。気になる競技や注目の選手を見つけて、ぜひ会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

デフリンピックの開催日程は2025年11月15日土曜日 〜 2025年11月26日水曜日ですが、競技によって開催日や会場は異なります。観戦を希望する場合は、事前に公式サイトが発表している日程や会場の情報を確認しておきましょう。

参照:東京2025デフリンピック 競技種目別スケジュール | TOKYO 2025 DEAFLYMPICS


3-2.デフリンピック2025年大会の競技種目

デフリンピックの2025年大会は、次の21の競技で争われます。各競技の概要については、参照リンクでも詳しく解説されています。

陸上バドミントンバスケットボール
ビーチバレーボールボウリング自転車(ロード・マウンテンバイク )
サッカーゴルフハンドボール
柔道空手オリエンテーリング
射撃水泳テニス
卓球テコンドーバレーボール
レスリング(フリースタイル・グレコローマン))

参照:競技|東京2025デフリンピック


4.デフリンピックを観戦するには?チケットはどこで手に入る?

観客席

あまり知られていませんが、実はデフリンピックを観戦するときにチケットは必要ありません。全ての競技が無料で観戦できるので、気になる競技があれば会場に出向くだけで観戦できます。(混雑状況によっては入場制限あり)

ただし、開閉会式の観覧席は抽選制となっており、すでに受付は終了しています(2025年9月現在)。現地で観覧することはできないので注意しましょう。

5.デフリンピックが抱える課題とこれから

デフリンピックが抱える大きな課題として、知名度の低さ資金力不足があります。これらの課題にはどんな背景があるのか、詳しく見ていきましょう。

5-1.圧倒的な知名度の低さ

そもそも、「デフリンピック」の存在自体があまり知られていないという現実があります。

2021年のデータでは、パラリンピックの知名度は97.9%なのに対し、デフリンピックの知名度は16.3%と圧倒的な低さ。知名度が低いために視聴率を狙えず、試合の放送や配信すらされないという悪循環に陥っているのです。

参照:2021年に、2020東京オリンピック・パラリンピックが開催 そして2025年東京でデフリンピックが開催!|全日本ろうあ連盟


5-2.資金力の不足

前述のとおり、デフリンピックは知名度が低いため、スポンサーが獲得しづらいという課題もあります。スポンサーが獲得できないと、試合や練習にかかる資金を調達することができないので、選手や運営陣が自身で準備するほかありません。

現在、デフリンピックの選手たちは海外遠征などにも自費で参加していることが多く、1度の遠征で50万円程度を要する場合も多いのだと言います。これでは、選手たちに経済的負担が強いられるばかりで、競技に集中できません。経済面の整備が早急に求められています。

6.まとめ

デフリンピックは聴覚障害のある選手が出場する世界競技大会であり、パラリンピックよりも長い歴史を持ちます。

耳の聞こえない選手が競うスポーツならではの視覚的な仕組みがたくさん散りばめられており、新鮮さを感じながら観戦できることでしょう。

今秋開催の2025年大会は、デフリンピックの長い歴史の中で初めて日本で開催されます。しかも、どの競技もチケットは不要で無料で観戦が可能。デフリンピックの知名度を上げるまたとないチャンスです。100周年を記念する特別な大会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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