今回は、フォトグラファーのイシヅカマコトさんに取材をさせていただきました。
イシヅカさんは、フォトグラファーとして活躍されていて、ニューヨークやパリで個展を開かれた経歴もあります。
さらに、キングコングさんのYouTubeチャンネル「毎週キングコング」のディレクターや、自身のYouTubeチャンネル「病気障がいラヂオ(仮)」を運営するなど、枠組みにとらわれることなく活動されています。
これまでのルーツを辿ると共に、イシヅカさんが写真を通して創りたい未来についても迫りました。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.イシヅカマコトさんってどんな人?
筆者は取材を通して、イシヅカさんは「常にワクワク感を大切にされている人」だと感じました。
自分もワクワクしつつ、同じ気持ちを伝えられるようカメラを持って駆け回るイシヅカさんですが、ご自身は根暗な性格だと言います。
ただ、その何倍も人が好きなのです。困っている人を助けて、喜んでもらえている姿を見るのが幸せなのだそうです。
総じて、人たらしで人好きの人間らしい人間だとイシヅカさんは言います。
ここからは、イシヅカさんの多様な経歴について伺っていきたいと思います。
1-1.多彩な経歴の持ち主
【インタビュアー(ライター):赤石/インタビュイー:イシヅカさん】
赤石:イシヅカさんは活動する上での指針を「病気や障害にかかわらず、生きづらさを感じている人が生きやすい社会を目指す」 とあげられていますが、具体的にはどんな社会ですか?
イシヅカさん:僕が目指しているのは平和な社会なんですが、そこに行き着くには多様性が重要だと思っています。
人種や信仰、性別、障害に関わらず、すべての人がそれぞれの違いを認め合える社会を目指して、活動しています。
赤石:活動をする上でのターニングポイントはありますか?
イシヅカさん:いろんなことをしてるので、すべてがターニングポイントかなと思うんですが、やっぱり「毎週キングコング」に入ったことですかね。
そこから西野さんのイベントで映像制作をすることになり、たくさんの出会いができたことで、今の活動に繋がっています。
1-2.今までの活動実績と内容
【経歴】
2013年 YouTube番組「毎週キングコング」のディレクターを勤める
2018年 自身のオンラインサロンを開設
2019年 ニューヨークで自身初の写真展を開催
2020年 ぬりえ えんとつ町のプペル出版
広告、イベント、人物撮影を中心に活動する
2021年5月 YouTube番組「病気障がいラヂオ(仮)」を開設/プロデューサー兼パーソナリティーを勤める
2022年11月 パリ、ロンドンで写真展を開催
過去3回のクラウドファンディングでは、合計880万円を超える支援を集め、
いずれも目標金額を達成している。
NPO法人好きと生きる 理事
NPO法人ASPJ 監事
一般社団法人こどもエンターテインメント プロデューサー
NPO法人super view 賛同アーティスト
1-3.ニューヨーク・パリ・ロンドンで個展を開催
赤石:先日もパリとロンドンで個展を開催し成功されたとのことですが、なぜパリとロンドンでの開催だったのですか?
イシヅカさん:パリでは6日間、ロンドンでは3日間開催したのですが、目的は有名なフォトグラファーになるためです。
日本でフォトグラファーというと実績を聞かれることが多いので、インパクトの強い名刺になるようにその場所を選びました。
赤石:パリ・ロンドンでの個展を開催されて、新たな気づきや心境の変化はありましたか?
イシヅカさん:前回のニューヨークの個展から3年ぶりの開催だったんですが、その間にイベントや「病気障がいラヂオ(仮)」で出会った人たちとの写真を、ロンドンの個展で555枚展示しました。
車椅子や杖を使う方もいれば、職業もバラバラなさまざまな人たちを撮ったんですけど、実際にその写真を並べてみると、同じ画角で同じポーズを撮ったのに、全部違って見えるんですよね。
これが世界の縮図を表していると僕は感じて、「一人ひとりが違ってもいいじゃん」って再認識しました。
その写真を見て、いろんな国籍の方が「Amazing」って喜んでくれて、世界に届く内容だと気付くとともに、継続して発信していくことで価値が実ると感じました。
2.YouTubeで配信する「病気障がいラヂオ(仮)」とは?
赤石:「病気・障害ラヂオ」とはどのような番組なのですか?
イシヅカさん:いろんな病気や障害を抱える方をゲストとしてお呼びして、その障害について僕とYUJIさんが根掘り葉掘り聞いていく番組です。
僕も「1人じゃない」と感じた時に救われるので、この番組が誰かの支えになって、救われる方が1人でもいればと思って配信しています。
赤石:なぜ障害の分野に興味を持たれたのですか?
イシヅカさん:きっかけは、心臓病を患う少年に出会ったことです。
それから障害児のいる施設に訪れて関わるようになりました。僕は子どもが好きで、みんな可愛かったんですけど、写真を撮ることにためらった自分がいたんです。
そこにすごく違和感を感じました。でも、親御さんに「写真を撮ってもよいですか」と聞くと、すごく喜んでくれたんです。
カメラマンの需要がここにもあることに気付きましたし、これまでのネガティブなイメージが変わり、もっと発信していきたいと思うようになりました。
赤石:それが「病気障がいラヂオ(仮)」に繋がるんですね。
イシヅカさん:そうですね。
あるテレビで、人気芸人さんが入院している子どもたちと病院内で一緒に話すラジオ番組があって、毎回感動して、僕もいつかこんな番組を作りたいと思っていたんです。
一緒にやっているYUJIさんは、僕が憧れていたバンドのドラマーでした。YUJIさんと話すのが本当に楽しくて、YUJIさんとなら番組ができると思い、相談したのが始まりです。
3.なぜ、フォトグラファーに?
赤石:昔からフォトグラファーになりたいと思われてたんですか?
イシヅカさん:全然思っていませんでした。
フォトグラファーになったのは4年前ですね。イベントで写真を撮ってたら、スタッフさんがSNSのアイコンにしてくれたんですよ。
正直に言うと、「すごくコスパが良い」って思ったんです。撮影した画像をアイコンにしてもらえたら、ずっと僕のことを宣伝してくれていることになるんですよね。
それで撮影自体もすごく楽しかったので、気持ちが写真に切り替わっていきました。
4.カメラ・写真を通して世の中に伝えたいこととは?
赤石:活動の目的として「有名なフォトグラファーになる」 があったかと思いますが、イシヅカさんが目指すフォトグラファーについて教えてください。
イシヅカさん:影響力がある人間になりたいと思ってます。
いろんな活動を始めてから、時間がなくなることに気づいたんですよ。写真家だから、有名になれれば写真の価値も上がって、それで誰かを助けるための宣伝ができると思って。
承認欲求ももちろんありますけど、有名になれると結果的に他のことができる時間も増えて、僕も大好きなことに集中出来るし、みんなが楽しく過ごせるきっかけも作れるので、有名なフォトグラファーを目指しています。
赤石:カメラを通して社会へ発信したいことはありますか?
イシヅカさん:僕はモデルさんを撮影するのではなく、社会の現状を撮影するジャーナリストに近いフォトグラファーだと思っています。
そんな僕の武器は、フットワークの軽さです。
障害や病気によって動きにくい分、僕が代わりに皆さんのもとに行って、写真や言葉で自分が感じた違和感や現状を届けていければと思っています。
5.イシヅカマコトさんが想い描くバリアフリーな生きやすい社会
赤石:バリアフリーな社会を実現する上で挑戦されたいことはありますか?
イシヅカさん:「病気障がいラヂオ(仮)」でたくさんの人と繋がれているんですけど、今度はオフラインで直接繋がれるようなカフェを作ろうと思っています。
赤石:どんなカフェなんですか?
イシヅカさん:全員が障害者である必要はありませんが、何かのきっかけに出会える場所になればいいなと思います。
たとえば、「病気障がいラヂオ(仮)」に出演してくれたゲストさんに一日店長として働いてもらったり、地域の人がたまたま訪れたら障害者の人がいて、仲良くなれたりするようなバリアフリーな空間を作りたいですね。
6.最後に
日々たくさんの方の今をカメラに収め続けているイシヅカさん。
筆者は右手しか動かせず、1人で旅行はしたことがありません。しかし、イシヅカさんはそんな僕を「じゃあ行こう」と誘ってくださり、僕たち障害当事者にとっての非日常を作り出してくださいます。
いつか、さらに有名なフォトグラファーとしてバリアフリーな社会を体現されることを、楽しみにしています。
Instagram:https://www.instagram.com/ishizuka_makoto/
オンラインサロン:https://community.camp-fire.jp/projects/view/109889
病気障がいラヂオ(仮):https://www.youtube.com/@byoukishougairaradio