【徹底解説】障害児を抱える家族に寄り添う強い味方。地域で受けられる支援制度をわかりやすく紹介!

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「子どもを家族だけでお世話するのが大変」

「保育園には入れられなかったけど、他の人や社会と関わる機会を持ちたい」

障害のあるお子さんがいるご家庭の中には、こんな要望をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時に使える制度やサービスがあります。この記事では、障害児を預かってくれたりお世話をしてくれたりする場所や制度についてご紹介します。

「家族だけで抱えなくてもいいんだ」と少しでも安心材料になりますように。

1.障害児家族が抱える悩みや不安

障害児家族は、こんな悩みや不安を抱えています。

こういった不安を軽減してくれるのが、支援者や支援機関・事業所の存在です。

・毎日のお世話、医療的ケア、移動付き添いなど、日常生活の大変さ
・将来の見通しがつかない、接し方がわからないなど、養育上の不安
・自分の時間が持てない、十分に家事ができないなど、社会的役割の制限

参照:在宅で重症心身障害児を養育する母親の養育負担感とそれに影響を与える要因|日本看護研究学会雑誌

親として、できることは何でもしてあげたいと思いながらも、家族だけで育てるというのは心身ともに負担がかかりますよね。不安や悩みを抱えるのは、当然だと思います。

こういった不安を軽減してくれるのが、支援者や支援機関・事業所の存在です。

2.障害児家族を支える施設や制度を紹介!

2-1.通所支援

まずは、障害があったり、発達に心配があったりする子どもが施設に通うことをサポートするサービス、「通所支援」についてご紹介します。

通所支援には大きく4つの種類があります。

・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・保育所等訪問支援

参照:障害福祉サービスの利用について(p6〜7)|厚生労働省

このうち、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービスの3つは、障害児が通所できる場を提供してくれるサービスです。

通所先の施設では療育が行われ、遊びの中で日常生活を送るにあたって必要な動作の練習ができたり、集団生活の経験ができたり、リハビリを提供してくれるところがあったりと、自宅ではなかなかできない経験をすることができます。

親子で通所しないといけないところもありますが、障害児を預かってくれるところもあるため、「自分の時間が持てない」「ずっと子どものお世話をしていて疲れがたまってしまう」などの困りごとを解消してくれるはずです。

また、家族以外の大人と関わること、ほかの子どもと一緒に遊ぶことで、子どもの社会性が育まれることも期待できます。

さらに詳しく見ていきましょう。

2-1-1.児童発達支援・医療型児童発達支援

児童発達支援とは、主に未就学の障害児に療育を提供する事業です。

児童発達支援センターと児童発達支援事業の2つに大別され、そのうち児童発達支援センターは、通所支援のほか、地域における支援機関としての役割も担っています。医療の提供も行う場合には、「医療型」となります。

児童発達支援センターと児童発達支援事業所で、行う療育について差があるわけではないようですが、児童発達支援センターのほうがやや規模が大きいと言えそうです。

それぞれのセンター、事業所に特色がありますので、利用する際には見学してみて、お子さんに合う施設を探せるといいですね。

2-1-2.放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、就学中の障害児が利用できるサービスです。放課後や夏休み・冬休みなどの長期休暇の際に通所し、生活技能の向上に関する訓練を受けることで、自立の促進や居場所づくりを目的としている施設です。

障害児の場合、放課後に学童に行ったり習い事をしたりという選択肢が取れないことも多いため、親が働いている場合の預け先としても機能しています。

こちらも施設ごとに力を入れている療育の内容が違うので、通えるところが複数ある場合は、見学して決めていくといいと思います。

2-1-3.保育所等訪問支援

保育所等訪問支援とは、保育所や幼稚園、認定こども園、学校等を利用中、または利用予定の障害児に対しての支援です。

障害児が集団生活を送るにあたっては、障害や特性により、一人ひとり異なる支援が必要なことが多いと思います。

しかし、障害児への対応に慣れていない保育所等でそのような支援を行うのは困難な場合も多く、親が不安を感じる場合もあります。

それを解消するのが、保育所等訪問支援です。

具体的には、児童指導員や保育士、作業療法士などの専門職員が保育所等を訪問し、子どもが集団生活に適応できるよう支援を行います。

2-2.訪問系サービス

このように、自宅外に出て他の人と関わることや、親と離れる機会が持てることは、親にとっても子どもにとっても貴重な経験になりますよね。

しかし、中には健康上の理由で外に出ることが難しい子もいます。そんな時に使いたいのが、訪問系サービスです。

家族だけではお世話が難しい時にも利用することができます。

2-2-1.訪問看護サービス

訪問看護とは、看護師が自宅に訪問して、健康状態の観察や医療処置などを行ってくれるサービスです。

訪問看護ステーションが提供してくれることが多く、どのようなことを依頼できるかはそのステーションによって違いますが、入浴介助など日常生活のサポートをお願いできることもあるようです。

参照:訪問看護とは|公益財団法人日本訪問看護財団

医療的ケアが必要なお子さんの場合、職員の方にケアをお任せしている間に親が休養をとったり、外出をして気分転換をしたりするという利用の仕方をされている方もいらっしゃいます。

また、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職員が在籍しているところもあり、自宅でリハビリを行うことも可能です。近くにリハビリ施設がない場合や、予約が取れないなどの場合にも利用することができますね。

利用には主治医の指示書が必要ですので、利用したい場合は、かかりつけ医や病院のソーシャルワーカーなどに相談しましょう。

2-2-2.訪問介護サービス

訪問介護とは、ホームヘルパーなどが自宅に訪れ、入浴や排泄など日常生活の介助や、料理・掃除など家事の手伝いをしてくれるサービスです。

障害児の家庭でも利用することができ、主に入浴介助をお願いしている家庭がSNSなどでは多く見られます。

ホームヘルパーの中には「喀痰吸引等制度」のもとで行われる研修を修了していて、医療的ケアを実施できる方もいますので、医療的ケア児のいるご家庭では、その認定を受けたヘルパーが在籍している事業所を探すといいかもしれません。

参照:平成24年4月から、介護職員等による喀痰吸引等(たんの吸引・経管栄養)についての制度がはじまります。|厚生労働省


3.支援を使うためにはいくらかかる?

これらのサービスを使うときに「どれくらいの費用がかかるのか」というのは、気になるところですよね。

実は、障害児福祉サービスには月ごとに利用者負担の上限が決められていて、手頃な価格で利用することができます。

区分 世帯の収入状況負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯
(所得割28万円(注)未満)
通所施設、ホームヘルプ利用の場合 4,600円
入所施設利用の場合 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

(注)収入が概ね920万円以下の世帯が対象となります。

引用元:障害児福祉:障害児の利用者負担|厚生労働省

自分がどの世帯に該当するのか、負担上限月額はいくらなのか、詳しくは上記厚労省のホームページ、もしくはサービス利用申し込み時に自治体の窓口で確認するようにしましょう。

また、児童発達支援等については、3〜5歳までの子どもの場合、利用者負担が無料になりました。

対象となるのは以下のサービスです。

・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設

引用元:就学前障害児の発達支援の無償化について|厚生労働省

訪問看護については、福祉ではなく医療分野になるため、料金体系が異なります。ただ、基本的には医療保険が適用されるため、子ども医療助成制度で無償化されている自治体の場合は費用がかかりません

別途交通費などがかかる場合がありますので、利用される訪問看護ステーションなどにあらかじめ聞いておくと安心です。

「結局何を使っていくらかかるの?」という具体的な例として、参考までに、筆者が利用しているサービスとその料金についてご紹介してみますね。

我が家には5歳の重症心身障害児がおりまして、現在以下のサービスを利用しています。

・訪問看護(リハビリ):週に1回
・訪問介護(入浴介助):週に3回
・児童発達支援事業所への通所:週に2回

こちらを利用して、月に支払っている金額は合計で4,600円です。

訪問看護は公的医療保険(子ども医療助成制度)で無料、児童発達支援事業所への通所も、年齢が5歳なので無料です。訪問介護の料金は、月額の上限が適用されて4,600円となり、これだけが請求されている状態です。

サービスの対価としてはかなり安い印象で、とてもありがたく使わせてもらっています。

4.まとめ

このような福祉サービスを使うことで、障害児を「家族だけでみる」という必要はなくなります。

ただ、こういったサービスを提供している事業所が少なかったり、地域差があったりすることが現実です。

まずはお住まいの自治体やソーシャルワーカーなどに、どんなことに困っているのか、どんなサービスを使いたいのかをお伝えし、相談してみましょう。公的な支援はうまく使っていきたいですね。

Ayumiには障害児のお金に関する支援についての記事もありますので、ご興味がありましたらこちらからどうぞ。 

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