身体障害者で車椅子ユーザーの多くは、旅行をすることに不安を抱えています。
宿・ホテル予約サイト「じゃらん」のアンケート調査によると、足腰に不安や障害を抱えている人の91.7%は旅行がしたいと思っているのにも関わらず、約半数の人が行けていないというのが現状です。
また、障害者が不安を抱く原因として「観光地がバリアフリー対応しているかわからない」というのも大きな障壁になっています。
参照:車イス・足腰が不安な方も91.7%は旅行がしたい! 障壁は情報不足!? じゃらん、旅行先のバリアフリーに関する調査結果を発表|株式会社リクルートライフスタイル
そこで本記事では、車椅子でも楽しめる九州のおすすめのバリアフリーテーマパーク・遊園地5選と、車椅子でもテーマパークを楽しむためのポイントをご紹介します。
1.車椅子でも楽しめる九州地方でおすすめのバリアフリーテーマパーク・遊園地5選
1-1.本格的なヨーロッパの街並みでイベントが盛りだくさん!長崎の「ハウステンボス」
©ハウステンボス/J-20797
ハウステンボスは、長崎県の佐世保市にあり、敷地面積152万㎢の「日本ー広いテーマパーク」として知られている長崎を代表する遊園地です。
中世のヨーロッパのような街並みをコンセプトに、四季折々の花が咲き誇り、夜になるとイルミネーションも楽しめます。
また、ハウステンボス内には5つのオフィシャルホテルがあるため、ホテルへの移動時間を気にせず遊ぶことができます。
ハウステンボスの気になるバリアフリー情報はというと、車椅子や電動車椅子「WHILL Model C2」、さらには電動カートのレンタルが可能です。
さらに園内には、車椅子・オストメイト対応化粧室などが設置されているので、車椅子ユーザーも安心して楽しめるでしょう。
ハウステンボスのさらに詳しいバリアフリー情報を知りたいという方は、公式サイトのバリアフリーページから確認できるので、参考にしてみてください。
ぜひ、ハウステンボスで異国情緒あふれる体験をしてみてはいかがでしょうか?
1-2.車椅子で水族館を満喫!餌やり体験もできる大分マリーンパレス水族館 「うみたまご」
大分マリーンパレス水族館 「うみたまご」は、大分市の別府湾沿いに佇む自然豊かな水族館です。
見どころは、セイウチやアザラシ、イルカをはじめとする海獣ゾーン、90種1,500匹もの魚が自由に泳ぎ回る大回遊水槽です。
また、2015年4月に「動物とあそぶ×アートであそぶ」をコンセプトにオープンした「あそびーち」では、イルカやペンギンを間近で見ることできます。
海の生き物たちをできるだけ自然環境に近い状態で飼育しているため、動物たちのリラックスした姿を楽しめるでしょう。
うみたまごの館内・全施設は、ユニバーサルデザイン・バリアフリー対応であり、障害や車椅子利用を考えられた設計になっています。
うみたまご館内のバリアフリーマップもあるので、下記の情報も参考にしてみてください。
大分県に行った際には、障害者に優しい水族館うみたまごを訪れてみてはいかがでしょうか?
参照:大分マリーンパレス水族館 「うみたまご」|株式会社マリーンパレス
1-3.四季の花々が楽しめて可愛い動物たちともふれあえるテーマパーク!「海の中道海浜公園」
海の中道海浜公園は、福岡市東区にある周囲が海に囲まれている自然豊かな国営公園です。
園内では四季折々の花が鑑賞でき、「動物の森」には、モルモットと直接触れ合えるコーナーや、水鳥・ヤギ・羊への餌やり体験コーナーがあります。
また、車椅子やベビーカーなどをご利用の方も移動がしやすいように、園路の舗装や施設の見直しを行っているのが海の中道海浜公園の特徴です。
さらに、ユニバーサルデザインにも取り組んでおり、園内各施設の利用目安を公式ホームページにて公開しています。
ユニバーサルデザインとは、年齢や性別、障害に関係なく誰もが利用しやすい社会を目指して、サービスを設計・提供しようとする考え方です。
こうしたバリアフリー情報を事前に知っておくことで、車椅子でも無理なく園内を散策できるでしょう。
参照:国営海の中道海浜公園|海の中道海浜公園 海の中道管理センター
1-4.日本で唯一実物大のモアイ像が間近で見学できる「サンメッセ日南」
宮崎県日南市にあるサンメッセ日南は、世界で唯一、復元されているモアイ像をみることができる公園です。
イースター島の倒れていたモアイ像を、1990年から約3年かけて、日本の修復チームが立ち上げた友好と奉仕の証に、イースター島の長老会は日本でモアイ像を復元することを許可しました。
7体のモアイ像は忠実に復元されており、1体あたりの大きさは「アフ」という土台を含めると高さ5.5m、重さ18〜20トンにも及びます。
間近で見るモアイ像は圧巻で、日本にいながらイースター島にいる気分が味わえるでしょう。
また、園内のセンタープラザにある「南洋レストランnoa・noa」では宮崎名物のチキン南蛮を味わうことができます。
サンメッセ日南は傾斜が多い施設ですが、車椅子の方はラウンドカーが利用できるので、ぜひ活用してみてください。
1-5.大分でサンリオの仲間たちに会える!「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」
出典:サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド|株式会社サンリオエンターテイメント
大分県日出町にあるハーモニーランドは、屋外型のサンリオテーマパークです。
こちらの施設は、東京多摩市にあるサンリオピューロランドの姉妹施設として1991年に誕生し、今年で32周年を迎えます。
パーク内には、大観覧車ワンダーパノラマやハローキティのお城「キティキャッスル」など見どころがたくさんあります。
ハーモニービレッジでは、サンリオの大人気キャラクターたちが歌って踊るパレードが大人気です。
また、バリアフリーの取り組みとしては、エントランス(出入口)に近い「車いす専用スペース」への案内や、乗車できるアトラクションの一覧をホームページから確認できます。
参照:障害をお持ちの方へ|サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド
ハーモニーランドは、車椅子対応トイレも多く完備されており、障害がある方でも安心して楽しめる工夫がされています。
参照:サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド|株式会社サンリオエンターテイメント
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2.車椅子で遊園地・テーマパークをより楽しむためのポイント
2-1.交通機関やチケットの予約方法などを確認
バスや電車、飛行機などの公共交通機関は、事前に予約しておくのがおすすめです。
事前に予約しておくことで、料金が安くなったりスムーズに乗車できたりします。
たとえば、飛行機の場合、スマホからチェックインすることで、空港カウンターでチェックインする手間が省け、そのまま保安検査場に直行できます。
また、新幹線での旅行を検討している人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
参照:【初心者向け】新幹線に乗って車椅子で旅行を快適に楽しむためのポイントをまとめました!
2-2.場所移動は福祉タクシーの利用を検討
車椅子の旅行で特にネックになるのが、移動ですよね。
公共交通機関だと、どうしても乗車に時間がかかったり、乗り換えなどで体力を消耗してしまったりします。
そこで検討したいのが「福祉タクシー」の利用です。
福祉タクシーとは、身体障害者の方や身体の不自由な方の移動をサポートする車両で、利用目的に関係なく利用できます。
ただし、事前に予約が必要な点や、運転手に介助を頼む場合は運賃の他に介助料金がかかることもあるので、よく確認して依頼するようにしましょう。
2-3.宿泊先もバリアフリーに対応したホテルを選ぶ
車椅子の方が快適に旅を楽しむためには、観光先だけでなく宿泊先選びも大切です。
最近では、バリアフリー対応の宿も増えてきていますが、行ったことのない宿のバリアフリー情報を調べるのは簡単ではありません。
そこでAyumiでは、バリアフリーホテルを探すのに便利なサイトをまとめた記事を公開していますので、ぜひ宿探しの参考にしてみてください。
参照:バリアフリーホテルや宿を探す手間を減らす!情報掲載サイト3つの特徴や使い方を解説
下記の記事では、今回ご紹介した「うみたまご」から、車で1時間圏内にある「住吉浜リゾートパーク」もご紹介しています。
参照:覚えておきたいバリアフリーホテル3選!〜最高の思い出を作るために〜
3.最後に
今回は、九州地方にある車椅子でも楽しめる遊園地・テーマパークと、旅行先でより楽しむためのポイントなどをご紹介してきました。
九州には、ハウステンボスをはじめとする敷地面積が広めのテーマパークが多いですが、車椅子でも快適に移動と楽しめる工夫がそれぞれされています。
今まで「車椅子だから…」と、旅行を躊躇されていた方も、今回の記事を参考に、ぜひ車椅子旅行のプランを立ててみてはいかがでしょうか?