車椅子に乗ってると同じ姿勢が続くため、足の血行が悪くなって冷えてしまいがちです。
また、そのままにしていると足が冷たくて集中できない、だるさや下痢、免疫力の低下など様々なトラブルにつながる可能性があります。
足の血行を良くするために頑張ってるけどなかなか改善しない、あるいは冷えは体質だから仕方がないと諦めている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そのように思っているあなたにおすすめの足の冷え対策を紹介します。
目次
1.足が冷えてしまう原因は?
梅雨や夏の暑い時季などに皮膚が暑さを感じると皮膚から熱を発散させるために、血管を広げて血流を増やし、体温を下げようとします。
一方で、冬の寒い時季などに皮膚が寒さを感じている(寒冷刺激)と、逆に血液が流れにくくなるよう血管をギュッと縮めて、皮膚の表面温度を低く保ち、体中の熱が外に放出されにくい状況を作り出します。
このように、冷え性が起こる原因は、環境に対して体を守ろうとする自然な防御反応の結果なのです。寒い時季になると足が冷えやすくなるのは、ある程度はいたしかたないとも言えます。
体の構造として3つの理由があります。
1-1.血行循環が悪くなる
足が冷えてしまう理由として一番多いのは、日々の生活習慣に何らかの問題を抱えていることです。特に足を動かさないことで筋肉量が少なくなってしまうため、血行循環が悪くなります。その結果熱産生が低下し、足が冷えるという状態になります。
能動的・自発的な動きや感覚に関わる体性神経と言われています。
1-2.自律神経の働きによるもの
人間の体内には無数の神経があります。その中で自立神経は、内臓の働きや代謝、体温などを一定に保つよう常に活動しています。
しかし、内臓の機能や運動に関わる自分の意思や脳からの指令で動かすことが出来ません。
例えば血液の流れる量を調整・変化させるといった機能です。
自律神経には血液の流れる量を調整・変化させる機能があります。
例えば梅雨の時期から夏場にかけては、暑さを感じると皮膚から熱を放出・発散させるために体温を下げるために身体から逃がそうとします。
他方で、寒さを感じると反対に血液の流れを抑えるために血管を縮めることで皮膚温度を低く保って、身体中の熱が外に出にくい状態を作りだすのです。
このように足が冷えてしまう原因は、自分達がいる環境に対して身体を健康に保つこと、守ろうとして起こる防御反応の結果と言えます。
1-3.ストレスによるもの
生活習慣の乱れやストレスが続くと、四肢への血液が流れる量が低下・不足します。これは上述の自律神経に関係しています。
ストレスを受けて交感神経が優位な状態になると、血管が収縮してしまい、血液が四肢まで届きにくくなってしまうのです。
足が冷える理由は多くありますが、総じて生活習慣や人間が持っている防御機能が大きく関わっていると言えます。
2.車椅子利用者に聞いた足の冷え対策4選
2-1.入浴・足湯
足の冷え対策として、真っ先に思い浮かべるのが入浴や足湯ではないでしょうか。
入浴や足湯によって、体を温めて血流を促すことができるので、代謝アップが期待できます。
ただし、何も考えずに入浴しても思うような効果は得られない場合があります。
体の芯から温めることを意識して、38度から39度くらいのお湯に、20分から30分程度浸かりましょう。
また、入浴剤を入れることでリラックスしながら入浴を楽しめます。
足湯の場合は、42度程度の若干熱めの温度のお湯を張り、汗がうっすら出る程度まで足を浸かった状態で温めるのがおすすめです。
2-2.膝掛け・ホッカイロ
足が冷えていると感じる際に、膝掛けを使用すると冷え対策として効果を発揮します。
膝掛けを使用するだけで、血行が改善される効果があると同時に、外気からカバーしてくれるので寒さを感じにくくなるメリットもあります。
膝掛けは900mm×600mmがレギュラーサイズであり、外出先でも使用しやすいのでおすすめです。
膝掛けを使用する際には、冷えを感じている場所より少し心臓に近い、太い血管を温めると良いでしょう。
また、冷え性の症状を緩和するためにホッカイロを使用する方法もあります。
ホッカイロには、主に靴や靴下に貼るタイプと、肌に直接貼るタイプがあります。足先が特に冷えやすい人はつま先を温めるタイプ、足裏全体が冷えている場合は全体に行き渡るタイプを選択しましょう。
カイロを使用する場合は、長時間使用することで低温火傷が発症するケースがあるので注意してください。
2-3.弾性ストッキング(ハイソックス)を履く
車椅子を利用している人の足冷え対策として、弾性ストッキングを履く方法もおすすめです。
弾性ストッキングを履くと、適切な圧力によって足首からふくらはぎがを圧迫されます。これにより、皮膚や筋肉の血流が活発化して、むくみや冷えを改善できるのです。
一見すると締め付けられることで血流が悪くなるイメージがありますが、弾性ストッキングは強く締め付けるわけではないので血流の改善効果をもたらします。
特に、病院で取り扱っている弾性ストッキングは、血流を良くするために足首から順に圧力が計算されているので、さらに高い効果を期待できるでしょう。
2-4.漢方(防已黄耆湯)を毎食前に飲む
内面から足の冷えを解消したい場合、漢方を服用する方法がおすすめです。
特に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が足の冷えに対して有効であると言われています。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体を温めることをサポートしてくれる漢方です。手足の末梢を温めると同時に、体の内部から改善できるので冷えが原因となる頭痛なども改善できる場合があります。
参照:【漢方解説】当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)|クラシエ株式会社
桂枝茯苓丸は、滞った血のめぐりをよくして、のぼせや足冷えなどを改善できます。特に上半身がのぼせて下半身が冷えやすい方にとって、ぜひ取り入れたい漢方です。
参照:【漢方解説】桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)|株式会社クラシエ
3.足の冷え対策におすすめなグッズ3選
3-1.足湯器(フットバス)
フットバスとは、足浴器とも呼ばれており、どこでも気軽に足湯を楽しめるアイテムです。
足湯器は、大きく分けると温度を維持できたり足をほぐせたりする機能が豊富な電動タイプと、持ち運びができ手軽に使用できるバケツタイプの2つがあります。
足ほぐし機能があると、足湯にはないマッサージ効果があるのでよりリラックスできるのが特徴です。
また、電動式の場合は水を入れておくと適温に温めてくれる機能があります。
それぞれの特徴を把握し、自分の生活スタイルにあったタイプを選びましょう。
3-2.ユニクロ「ヒートテック」シリーズ
UNIQLO(ユニクロ)のヒートテックは、2003年に誕生したアイテムであり、年々進化を遂げています。
ヒートテックの場合、吸湿発熱素材を使用しているため厚着をしなくても暖かくなるという特徴があります。
厚着をしてしまうと動きが制約されて車椅子の操作がしにくくなることがあるため、ヒートテックは車椅子利用者に適したアイテムです。
また、ヒートテックシリーズの中でも、足の冷え対策としてタイツやレギンスなどの下半身に身につけるアイテムがおすすめです。
特に、女性向けのヒートテックタイツは着圧サポートにより血流が良くなる場合もあります。ヒートテックソックスと合わせて利用すれば、より暖かさをキープできるでしょう。
3-3.パネルヒーター
コンパクトな暖房家電として人気が高いのが、パネルヒーターです。
空気が乾燥しない・換気の必要がない・音が静かなどのメリットが多く、障害者や高齢者がいる家庭を中心に使用している方が多いです。
また、火を使わずに部屋を暖めるので、火事が心配な人も取り入れやすい暖房機器と言えるでしょう。
パネルヒーターの中でも、デスクヒーター(足元パネルヒーター)は足元をピンポイントで温めることができるのでおすすめです。スリムなデザインなので足元に置いても邪魔になりにくいという特徴もあります。
使用する範囲などを考えて、パネルヒーターもしくはデスクヒーターの導入を検討しましょう。
4.まとめ
足の運動量が少ない車椅子利用者にとって、足の冷えと向き合うことは今後も重要になってきます。
今回紹介した足湯や漢方などの冷え対策方法、フットバスやパネルヒーターなどのおすすめグッズを参考にして、歳を重ねるごとに身体機能が低下してしまう中で毎日5分だけでも自分に合う足の冷え対策を行っていきましょう。
こんな足の冷え対策もあります!といった情報共有もお待ちしています。
本記事のようにバリアフリーに関するライフハック情報を収集したい!という方は、以下のページもご覧ください。
参照:ライフハック|Ayumi