ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、様々なアトラクションがあり人気の高いスポットです。
また、バリアフリー対応なども図られているので、車椅子の方でも楽しめる特徴があります。
では、実際に車椅子の方がUSJを利用した場合、どのような感想を持つのでしょうか。
本記事では、脊髄性筋萎縮症という進行性の神経筋疾患を患っている車椅子利用者のひろおかさんがUSJを利用した体験談を紹介します。
ひろおかさんは、日常生活のほぼ全てに介助が必要な状態で、24時間体制でヘルパーさんに支援してもらいながら生活されています。
一人暮らしを始めて以降、外出の機会が増えて週に1回程度の頻度で出かけているのです。
最近はライブや野球観戦、テーマパークなど様々な場所に行くようになり、USJにもヘルパーさんと一緒に訪問されました。
車椅子の方でもUSJを利用できるかについて、ひろおかさんの率直な体験談をぜひ参考にしてください。
目次
1.車椅子でユニバーサル・スタジオ・ジャパン | USJに行った方の感想を徹底紹介!
1-1. 園内の移動
今回、USJに車で訪問しました。
その際に、エントランスにおいて車椅子であることを伝えると、障害者用駐車スペースに案内してもらえました。
障害者用駐車スペースもバリアフリーが行き届いていて、駐車場の中では最もパークに近い場所にあるので、案内してもらえて非常にありがたく感じました。
園内は基本的にフラットな形状で、段差のないアトラクションが多くて移動しやすいという特徴があります。
一部ではガタガタした道や坂になっている道があるものの、概ねフラットで移動しやすい道となっています。
1-2. アトラクション
車椅子の人でもどのようなアクションが利用できるかについては、事前にUSJの公式ホームページに載っているアクティビティを参考にしました。
ただし、公式ホームページの情報は少し古いものがあるため、当日パーク内のゲストサービスで詳しい情報を聞くとより確実に楽しめます。
参照:車イス、電動車イスをご利用の方へ|ユニバーサル・スタジオ・ジャパン|USJ
待ち列に並ぶことが難しい障害がある方で、障害者手帳を持っている方には、ゲストサポート・パスが発行されます。
ゲストサポート・パスを利用することで、待機列に並ばず他の場所で待つことが可能です。
参照:サービスについて|ユニバーサル・スタジオ・ジャパン|USJ
ウォーターワールドというアトラクションは車椅子でも楽しむことができますが、パークの端にあります。
よって、スケジュールがタイトな場合は余裕を持って移動しましょう。
1-3. レストランとショップ
USJのパーク内のレストランやショップは、基本的に車椅子で入ることが可能です。
また、実際に入店してもそれなりに広いので、混雑していない状況であれば特に問題なく利用できます。
ただし、USJ唯一の和食レストランであるSAIDO 彩道では階段があるため、利用可否については確認する必要があります。
1-4. トイレ
USJのパーク内には、バリアフリーに配慮した多数の車椅子対応トイレがあります。
各エリアだけでなく、テーブルサービス・レストランやステージ 33™にも配置されています。
USJのホームページでは、オストメイトの場所や介助ベッドの場所が記載されているので事前にチェックしましょう。
参照:忘れ物・迷子・救護サービス|ユニバーサル・スタジオ・ジャパン|USJ
ウォーターワールドの近くにあるトイレには介助ベッドが装備されており、少し狭いものの問題なく用を足すことができました。
1-5. 救護施設
USJでいざトラブルが発生した場合、救護施設がどれだけ充実しているかによって安心感が異なります。
USJでは、ゲストサービスで救護室について尋ねると、ゲストサービスの真反対にある建物に救護施設があると教えてもらえました。
参照:忘れ物・迷子・救護サービス|ユニバーサル・スタジオ・ジャパン|USJ
具体的には、以下のエリアに救護施設が存在します。
- ハリウッド・エリア(ファーストエイド)
- サンフランシスコ・エリア(サウスファーストエイド)
急に気分が悪くなったり、怪我してしまったりする場合に気軽に利用可能です。
ただし、救護施設は医療施設ではない関係上、治療行為や薬の提供は実施していないので注意してください。
1-6.サポートや合理的配慮
USJのパーク内のスタッフの方々は、対応がとても丁寧で分かりやすいという印象を受けました。
特に、ゲストサポート・パスの利用方法やスムーズにアトラクションを楽しむ方法について、親切に教えてもらえてありがたかったです。
ただし、アクティビティを体験しているときに緊急事態が発生した場合は、スタッフの方がすぐに手伝うのは難しいと思われるので、自力で移動できるように備えておくことをおすすめします。
2.車椅子でユニバーサル・スタジオ・ジャパン | USJを楽しむ上での注意点
2-1.体温調整が難しい方がする熱中症対策方法
昨今、夏は猛暑となるケースが増えており、屋外でアクティビティを楽しむ場合は熱中症対策が必要です。
脊髄損傷や頸髄損傷者など体温調整が難しい方は、特に注意して熱中症対策を念入りにおこなうことが重要です。
汗で濡れた服を着続けている場合、通気性が悪くなって体温が下がりにくくなることも多いです。
そこで、吸湿性や速乾性のある素材を使用した下着やウエアを着用することをおすすめします。
また、介助者の方が周囲の方が体調の変化に気を付けて、早めの水分補給などの声かけをおこないましょう。
2-2.冬の時期にしたい足の冷え対策
冬にUSJのアトラクションなどを利用する場合、寒さ対策が必要です。
防寒着を身に付けて身体は温まっても、足先が冷えてしまうことはなかなか防止が難しいものです。
手軽に足の冷えを防止する方法として、厚手の靴下を履く方法があります。
また、UNIQLOのヒートテックウルトラウォームを履いて寒さをしのぐ方法もおすすめです。
ほかにも、防已黄耆湯などの漢方を飲んで内面から温める方法も併せて実施することをおすすめします。
足の冷え対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
参照:【車椅子利用者必見】足の冷え対策どうする?障害者から聞いた対策方法を紹介!
3.医療的ケア児や障害児もユニバーサル・スタジオ・ジャパン | USJを楽しめる?
医療的ケア児や障害児であっても、USJで各種アトラクションを楽しむことは可能です。
「人と人が支え合える未来」をビジョンに掲げるNPO法人あえりあの代表理事であり、看護師資格を保有する高橋亜由美さんが、医療的ケア児とユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れた感想を発信されています。
体験談によると、首が座っておらず座位保持が難しい身体の状態でも、介助者が首を常時支えられる上体であれば、「ヨッシー・アドベンチャー™」を利用できたとの事です。
参照:重症心身障害児(医療的ケア児)とユニバーサルスタジオジャパン(USJ)旅行with看護師 | NPO法人あえりあ
また2021年には、NPO法人Linoが主催で、医療的ケア児とその家族を対象とした1泊2日のUSJツアーを開催した実績があります。
参照:だれでも旅行を楽しめるように ~Linoツアー2021 in USJ~|公益財団法人お金をまわそう基金
4.まとめ
USJは、車椅子の方でも楽しめるアトラクションが満載です。
また、園内もバリアフリー対応している場所があり、車椅子の方にも十分配慮されていることが覗えます。
実際に、車椅子で利用してもクルーの方を中心に優しく対応していただける点が良かったです。
医療的ケア児や障害児であっても利用できるツアーも開催されているので、ぜひUSJに訪問して思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか。