ライフハック 【初心者向け】クロックポジションとは?事例交えて使い方を紹介!

【初心者向け】クロックポジションとは?事例交えて使い方を紹介!

障害者と介護する人

皆さんはクロックポジションという言葉をご存知ですか?

知覚障害を持つ方に対して、健常者と同じ形で物事を伝えることは難しいものですが、よりわかりやすく伝える方法としてクロックポジションの考え方が用いられています。

今回は視覚障害の方と接する際に役立つ「クロックポジション」について紹介します。まだクロックポジションのことを知らないという方は、ぜひ最後までご覧ください。


1.クロックポジションとは?

クロックポジションは、目の前の具体的な状況を説明するときにどこに・何があるのかを時計の針に例えて伝える方法です。

奥が12時・右方向が3時・手前が6時・左方向が9時と伝えると、簡単にイメージでき、視覚障害者にとって理解しやすくなります。

普段の生活の中で、「こっちにおいで」「あっちに行こう」「ここに置いておくね」などの表現を用いる場合があります。

この表現は、あくまでも相手が周囲の状況などを把握していたり、手招きなどが加わっていたりして成立するものです。

よって、目の見えない方にとってイメージすることはとても難しいのです。

そんなときに、わかりやすいとされているのが「クロックポジション」です。

クロックポジションが活用する場面として多く挙げられているのが、テーブルの上にある料理の位置や歩く方向です。

例えば「2時の方向にご飯があります」「4時の方向に進みましょう」といったような形で、伝えることで方向性を具体的にイメージさせることが可能になります。

クロックポジションを使わずとも、「10歩前に進んだら右に」「10センチ左にサラダがあります」などその場の状況に応じて、臨機応変にサポートが出来ると尚良いです。

参照元:視覚障害リハビリテーション協会


2.クロックポジションの使い方と声かけのタイミング

シンプルな形状の掛け時計

ここまで紹介してきたとおり、クロックポジションは、位置や場所を伝えるのに有効な方法です。

クロックポジションを用いる場合、身の回りの環境を細かく・具体的に表現をすることが重要です。

具体的には、シーン別に以下のような声がけをおこなってください。

・狭いところを通る場合に「通路が狭くなります」
・方向が変わらずに歩く場合「しばらく真っ直ぐ歩きますね」
・信号がある場合「信号があるのでとまりますね」
・方向展開をする場合「あと3歩進んだら右に曲がりますね」

このように具体的な状況を説明して、相手に周りの環境がどのような状況かを伝えると親切です。

そして、歩くスピードも人によって変わります。相手のスピードに適切に合わせることで視覚障害者は安心することができます。

もし立ち止まって辺りを見渡したり、白状を上に掲げている人を見かけたらSOSのサインです。

視覚障害者を見かけて困っている人を見かけたら、まずこんな言葉をかけると良いです。

「お手伝い出来ることはありますか?」
「腕をお貸ししましょうか?」
「どこに立ちながら一緒に歩くと良いですか?」

こういった言葉をかけながら、相手の半歩手前・白状を持っていない側に立ちます。

そして、肩や肘、手首の近くに視覚障害者の手を持ってきて掴まってもらいます。

一緒に話しながらどの方向に誘導するべきかを焦らずに確認しながら誘導することが大切です。

3.クロックポジションの事例を紹介

3-1.食事

クロックポジションを活用する場面として多く挙げられているのが、テーブルの上にある料理の位置を説明する時です。

下の画像をご覧ください。

この場合は次のように説明してください。

・12時の方向に漬物があります
・2時の方向に納豆があります
・5時の方向に味噌汁があります
・7時の方向にご飯があります
・10時の方向にひじきがあります
・真ん中に鮭があります

そうすることで、どの位置にどんな食べ物があるか把握することができ、食べる順番を選びながら楽しく食事ができます。

また容器が熱い場合は、クロックポジションと合わせて伝えてもらうことで、やけど防止に繋がります。

3-2.歩行

歩行する際にクロックポジションで伝える場合、大前提として障害者を中心として12時の方向が正面、6時の方向が真後ろで統一してください。

そして、障害者が歩く際に誘導者も全く同じ方向を向きながら、白杖を持っていない方の手で肘や肩につかまってもらいクロックポジションで状況を伝えて歩行します。

例えば、2時の方向から自転車とすれ違うなどの形で事細かに状況を伝えてください。

人混みの中を歩かなければならない場合、誘導者と前後一列で歩く必要があります。

階段を利用しなければならない場合は、ただ階段があることだけを伝えるのではなく、上りか下りかもしっかりと伝えることが重要です。


4.クロックポジションの誘導方法

視覚障害者の方を見かけて、「何かサポート出来ることあるかな?」と考えたことはありますか。今後そういった場面になったときに、クロックポジション以外の誘導方法をお伝えします。

視覚障害者の行動習慣・その場の状況によってサポートの方法は異なりますが、より多くの人に一般的に共通する内容を説明しますので、ぜひ参考にしてください。

4-1.クロックポジション以外の具体的な表現を用いて説明する

クロックポジションを用いれば、ある程度の方向は把握できるものの、距離感までは掴みにくいものです。

特に、歩行時に障害物などがある場合に、どの程度先にあるのかを具体的な表現を用いて説明してください。

距離数が分かれば「5m先に障害物があるから注意して」など、数値化して伝えるのがおすすめです。

また、方向についてはまだクロックポジションに慣れていないとすぐに判断できない場合があるので、後ろを向きたい場合に6時の方向と伝えるよりも、真後ろを向くように伝えた方がわかりやすいです。

4-2.実際に触れてもらう

実際に触ってもらいながら、距離感などを把握してもらうことも重要です。

皿の位置を手で触りながらイメージしてもらい、クロックポジションの精度を高めていくことで自然と慣れていくものです。

ただし、触る際には手に怪我を負うようなものを置かないように注意してください。

4-3.サポート者が一緒になって腕を動かす

クロックポジションに慣れるまでは、サポート者が一緒になって腕を動かすことも重要です。

これにより、自分が伝えたい方向と相手が受け取った方向を目合わせでき、精度が高まります。

5.最後に

今回は視覚障害に関するクロックポジションを紹介していきました。

クロックポジションは、障害者とサポート者のイメージを一致させることができる手法で、様々なシーンで活用されています。

考え方自体は単純であり誰でもすぐに実践できる点が魅力的ですので、ぜひ積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、視覚障害者にとって点字も情報を取得する大切なツールです。以下の記事で、点字メニューに対応している飲食店を紹介しているのでぜひ参考にしてください。

参照:【視覚障害のある方必見!】点字メニュー対応店舗5選!あの有名なお店も対応しています!

あなたの1つの配慮・サポート・工夫で視覚障害者にとってバリアフリーな暮らしが実現できます。こういった知識を蓄えながら、自分たちが出来ることから1つずつ始めていける世の中になることをAyumiは願っています。

Facebook
Twitter
LinkedIn

シェアお願いします( ´ ▽ ` )

▼おすすめ記事

この記事のライター

運営にご協力いただいている企業様