この度、一般社団法人Ayumiではバリアフリー認証店舗・バリアフリー基金導入店舗に対してノベルティを配布することが決まりました。
ノベルティであるコミュニケーションボードが完成したことをご報告いたします。
私たちが何故、コミュニケーションボードを作ることに決めたのか、どのようなデザインを意識しながら作っていったのかについてお話しをします。
なお、今回のコミュニケーションボード作成にあたり、デザイン作成でご協力いただいた株式会社方角には感謝をお伝えします。
参照:株式会社方角
目次
1.ノベルティに、コミュニケーションボードが選定されたのか?
一般社団法人Ayumiのメンバーから「最近、コミュニケーションに関する話がよく議題にあがる。特に高次脳障害のある人や聴覚障害のある人からの相談が増えてきた」という話をしてもらったことが始まりでした。
詳細に聞いてみると、
- 聴覚障害者はみんなマスクしてるから口の動きが見えないため読み取りづらい
- 小さい子供を持つママからぬるま湯の相談ができたら嬉しいという声がある
- 予約する時に「コミュニケーションボードあり」と書いてあったら優しい
- 聴覚障害者は、自己申告するまで聞こえないことを気づいてもらえない
このように、コミュニケーションを取る上で多くの課題が顕在化されていることがわかりました。話し合いを重ねた上で、ノベルティはコミュニケーションボードにすることに決まりました。
2.コミュニケーションボードを作る時に意識したこと
2-1.コミュニケーションボードに作成における考え方
コミュニケーションボードは一般的に聴覚や音声に障害のある方のためだと考えられています。
一般社団法人Ayumiのコミュニケーションボードは既存のものとは違います。注文に必要不可欠な情報に加えて、その店舗が提供できるサポート内容を記載することで、来店者がより気軽に他のことを頼みやすくなるように想定して作っています。
コミュニケーションボードを作るにあたり、来店者目線だけでなく、バリアフリー認証やバリアフリー基金を導入している店舗様とも議論をしながら作成していきました。
コミュニケーションボードにおいてはバリアフリー情報よりも、店舗が提供できるサービスや配慮が分かることの方が大切なのではないかと考えています。
来店する障害者から店員さんに聞いて頼めばいいことかもしれません。ですがこのボードに「こんなこともできます!」と書いてあるとします。そうすると、来店者からは気軽に頼みやすいですし、書いていないことも「もしかしたらこんなこともできるか聞いてみようかな?」という気持ちになるように促すことに繋がります。
一般社団法人Ayumiのメンバーには医療的ケア児のママがいます。そのママが感動した話の中で、「店員さんから注文の最後に、他に何か要望はありますか?と聞いてくれたのは嬉しかった。頼みやすくなったのでこの言葉があるだけで全然違いました。」というのがあります。
今後、バリアフリー認証店舗・バリアフリー基金導入店舗に対して配布するコミュニケーションボードはこちらです。
2-2.コミュニケーションボードに作成において意識したこと
エキマトペのデザインを行った株式会社方角様には多くの要望をしてしまいましたが、その
要望に答えてくれました。
【一般社団法人Ayumiから依頼した内容】
・ピストグラム風かつオシャレに
・文字と絵があること
・あらかじめ枠にして指差すだけで良いようにする
・絵が見やすく、パッと見でなんのことを言っているのかわかりやすくする
・文字が多いと読むのが大変になるので極力シンプルに
・文字は弱視や高齢者でも見やすいとされている12p以上で記載t
・プレーンなゴシック体
・テキストと背景のコントラスト比を「4.5対1」
・裏面には店舗独自の配慮を載せても良いですよという形にする※自由記述
改めて素敵なデザインを作ってくださり、本当にありがとうございました。
配布するときにラミネートなどに入れて渡すのではなく、紙でお渡ししています。紙の質などにも工夫をしながら作成していきます。
【紙を選定した理由と紙の質にこだわる理由】
・新型コロナウィルスを気にかけている人もいるため
・紙を綺麗に保つよりも捨てて、新しいものを用意できるようにするため
・店舗によってメニュー表にもこだわっているため、紙を渡して自由に使うことができる
・両面を使った紙なので、薄い紙ではなく、両方がくっきりと見える紙を使用
3.最後に
私たちとして、コミュニケーションボードを渡して終わりにはしません。マニュアルや電子パッドを配布し、すぐに導入して使えるようにフォローをしていきます。
また、店舗様に使い方の講習も行いながら、どういう場面で使うと良いのか等のより実践的に使ってもらえるようにします。
導入店舗様に使ってもらいながら、「どんな要望があったのか?」「どんな使い方をしているか?」などを聞いていき、そこで集まった情報や好事例を可能な範囲で他の店舗にも共有したり、コミュニケーションボード自体を改良したり、アップデートしていく予定です。
コミュニケーションボードをはじめとして、バリアフリー認証やバリアフリー基金を通して多くの店舗の支援ができればと考えています。