おしゃれしたい、服をかっこよく着たい、コストパフォーマンスの良いアイテムを購入したい……。
多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
車椅子利用者を中心とした身体障害者は、どうしても選べる服が限られますよね。
丈や袖が長すぎるとタイヤに巻き込まれてしまったり、服が汚れてしまったりすることもあると思います。
誰しもが、気軽におしゃれしたいものですが、そんな願いを叶えてくれるのがユニクロです。
ファッション業界の中でも、バリアフリー対応が進んでいるユニクロについて紹介していきます。
目次
1.ユニクロで車椅子利用者や障害者が買い物をするメリット
車椅子利用者を中心とした身体障害者がユニクロで買い物をするメリットは多くあります。
それぞれのメリットについて、詳しく紹介していきます。
1-1.車椅子ごと入れる試着室がある
ユニクロのフィッティングルームは段差がない設備がほとんどです。
そのため、車椅子ごとフィッテングルームに入って試着することが可能です。
車椅子利用者がユニクロのフィッティングルームを利用している動画が、SNSでも拡散されています。
また、自走式の車椅子車いす利用者だけでなく、電動車椅子の利用者もユニクロのフィッティングルームを気に入っ気にいっているとの声が多くあります。
バリアフリーなフィッティングルームの実際の動画は以下をご確認ください。
1-2.バリアフリーな設備を整えている店舗が多数!
ユニクロの店舗では、以下のような対応が取られており、バリアフリーが進んでいる印象です。
- 多くの人が来店することを想定されているため通路が広い
- セルフレジにも必ず1人は店員が配置されるように全国で徹底されている
- 店内には多くの店員が配置されているため、洋服に手が届かない場合も対応してもらえる。
改めて見てみると、ユニクロが技術だけでなく設備や接客にも力を入れていることがわかりますね。
ユニクロほど、バリアフリーに対して積極的に配慮してくれているお店は国内でも多くありません。
また、商業施設やショッピングモール内に出店しているユニクロの場合は、店舗入口に段差がなかったり、施設やモール内にバリアフリー対応トイレがあったりと、施設によるバリアフリー対応がされていることも多いです。
1-3.オンラインでの購入が可能
店舗に行くことが難しかったり、1人での購入が困難だとしても、諦めることはありません。
ユニクロのアイテムは、アプリや公式サイトからも購入が可能です。
たくさんの商品を自宅などでゆっくり選ぶことができ、自宅にいながら買い物を楽しむことができます。
また、店舗で購入すると帰りの荷物になるため、店舗で実物を見たり試着したりしてから、後日オンラインで注文するという車椅子利用者も多いそうです。
1-4.選べる種類が豊富
ユニクロのアイテムは、デザイン・値段・サイズ・色合い・シルエットが豊富です。
最近のユニクロは、Uniqlo U、UNIQLO : Cなど多くのコレクションをリリースしています。
ユニクロ独自の服だけでなく、多くの会社やブランドともコラボしています。
アニメコラボも年々増えており、ファミリー層からも人気が出てきていますね。
ユニクロのデザイン・サイズ・色合い・シルエットの多さは、日本を代表するファッションブランドの象徴とも言えます。
2.障害者への配慮を徹底したユニクロの取り組み
2-1.車椅子利用者向けの特別営業を実施
ユニクロでは、一部の店舗限定で車椅子利用者向けの営業時間を設ける特別営業が行なわれました。
2021年にユニクロBRANCH神戸学園都市店やユニクロ吉祥寺店で開催され、多くの車椅子利用者が店舗での買い物を楽しむことができたとのことです。
さらに、銀座店では視覚障害者向けに、事前予約制でスタッフが買い物をサポートしてくれるサービスの提供も行なっています。希望すれば、駅と店舗間の送迎対応もしてくれます。
実際に、障害者専用の営業時間を設けてオープンしている動画は以下でご確認ください。
2-2.バリアフリー対応に対しての改善の早さ!
セルフレジが導入された時、車椅子利用者を中心とした身体障害者達からユニクロにこんな声が届きました。
- 「会計の際に使うタッチパネルの位置が高くて操作が出来ない」
- 「届いても光の反射でほとんど見えない」
- 「ひとつも高さに配慮したセルフレジがない」
この声を聞いたユニクロは、セルフレジの前に常に店員がいるように配置を変更しました。
そして、車椅子利用者に対しては有人レジに誘導するなどの合理的配慮を行い、今までのような声が届くことはほとんどなくなったそうです。
当事者からの声や要望に対するユニクロの対応の早さは、圧巻でした。
2-3.障害者の社員の声を聞き、サービス向上を図る
ユニクロでは障害者雇用にも力を入れています。
障害者の法定雇用率2.3%に対し、ユニクロを運営するファーストリテイリンググループは国内でも4.89%と、倍以上の雇用を実現しています。(2023年6月1日時点の数値)
「障害があるから気付けることがある。それは武器になる」
という柳井社長の想いもあり、障害のある社員と共に、お客様視点で障害者も楽しめるサービスを考えるプロジェクトがあります。
先程紹介した、障害者専用の営業時間や、視覚障害者の付き添いなどは、お客様と社員の声から生まれた素敵な取り組みです。
3.入院患者の声を聞き実現したユニバーサルファッションを紹介
ユニクロでは、入院患者の声を実際に聞いてより使いやすいアイテムを次々と登場させています。
特に、前あきできる下着関連のアイテムは、多くの身体障害者や入院患者に使い勝手の良さから評価されています。
ここでは、特に便利なユニバーサルファッションアイテムとして、前あきブラと前あきインナー、サニタリーショーツを紹介します。
3-1.前あきブラ
ブラジャーは、背中側にホックがあるのが一般的です。
自分でホックを見ながら装着することができないので、慣れない状態で一人で行うにはかなり難しい動作が必要になります。
身体が不自由な場合や入院している状態ならなおさらであり、身体の可動域が狭いと装着すらままなりません。
そこで、ユニクロでは前あきかつスナップボタンで容易に止めたり外したりできる「前あきブラ」を販売しています。
「前あきブラ」のスナップボタンは適度な強度で着脱しやすい特徴があり、さらに内側にタグがないので、肌へのストレスを軽減している点も魅力的です。
さりげなくユニバーサルファッションを意識している点に、ユニクロのレベルの高さが覗えます。
参照:脱ぎ着しやすく、心地いい。医療・看護・介護のプロが選んだ、役立つ工夫満載アイテム特集|株式会社ユニクロ
3-2.前あきインナー
入院時には、各種検査や診察の際に胸やお腹を出す機会が多いです。
毎度、下着を脱いで対応するのは手間がかかるものですが、そこで便利なのが前あきインナーで
AIRismの前あきクルーネックTシャツは、ブラジャーと同じように適度な強度のスナップボタンで容易に着脱できます。
また、背中側の裾がフロントよりも長い仕立てとなっており、かがんだ状態でも背中がみえにくいデザインを採用している点も特徴的です。
さらに、縫いしろやタグが肌に接触しないので、長時間ベッドにいる状態でも快適に過ごしやすく工夫されています。
この前あきインナーのように、さりげなく縫いしろにまで細かくこだわっているのは、ユニクロがユニバーサルファッションの観点から多くの身体障害者や入院患者の意見を取り入れた結果と言えます。
参照:エアリズム前あきクルーネックTシャツ/8分袖|株式会社ユニクロ
4-3.サニタリーショーツ
ユニクロのサニタリーショーツは、クロッチ部分には安心の3層構造を採用しており吸水、防水性能に優れています。
30㎖から40㎖の水分をすばやく吸水する能力があり、撥水生地に防水フィルムのをラミネートを施している点も魅力的です。
防水シート面を広めに確保しており、マチ部分が2枚構造の羽付き対応仕様なので、ナプキンとの併用も可能です。
ドライ&防臭消臭機能によって、蒸れやにおいを気にせず快適に過ごせるでしょう。
株式会社me 代表取締役の田中恵さんや医師の河野恵美子先生が監修した特集記事でも紹介されており、注目度の高いアイテムです。
参照:脱ぎ着しやすく、心地いい。医療・看護・介護のプロが選んだ、役立つ工夫満載アイテム特集|株式会社ユニクロ
4.車椅子対応の試着室はこのサイトで探すと良い!
車椅子利用者からすると、フィッティングルームを利用できる店舗が少ないのが現実です。
そんな困りごとを解決する、車椅子対応の試着室を探し出せるサイトとして「uni mode」が有名です。
uni modeでは、ユニクロだけでなくUrban Research Doorsや無印良品などの店舗を紹介しています。
また、車椅子対応の着付けサービスや美容サロンなども探すことができます。
今後車椅子に対応している試着室を探す際には、ぜひ以下のサイトから探してみてください。
5.最後に
今回は、車椅子利用者の洋服や買い物に関するバリアフリー情報を紹介しました。
ユニクロは「安い・おしゃれ・機能性が良い」だけでなく、バリアフリーな設備や接客にも配慮したブランドです。
「コストパフォーマンスの良い洋服を買いたい!」と考えている車椅子利用者は、ぜひユニクロの店舗やオンラインショップを利用してみてください。
また、既製服を着やすくお直しする「キヤスク」というサービスがあります。
キヤスクについては、以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。