バリアフリー認証を2020年8月に導入してから5ヶ月。
Ayumiは、バリアフリー認証店舗の「をざわ」に来店状況に関する状況をインタビューしてきました。
【店舗情報】
店名:をざわ
最寄駅:千葉駅徒歩8分/葭川公園駅徒歩3分
電話番号:043-224-1305
サイト:https://www.kabayaki.co.jp/
代表取締役:小澤
バリアフリー認証記事はこちら
目次
1.バリアフリー情報の開示方法や身体障害者に何を伝えることが的確なのかわからなかった
ー導入の背景はどういったものがありましたか?
小澤:私たちとしてはバリアフリー情報に関して、どこまで情報開示したらいいのか。なんと伝えたら良いのか、身体障害者の方々にどのような対応をしたら良いのかわからないことも多々ありました。
その戸惑いや焦りが、お客様に対して不安を与えてしまっていることは今でも反省しています。不安を与えてしまっている=そのお客様にとっては「をざわ」は次回以降の来店の選択肢から外れてしまうかもしれません。
私たちとしては自慢の鰻だけでなく、「をざわ」の空間やサービスを楽しんで欲しいと考えているため、どのように対策をしたら良いのかどうかを考えていました。
同じ時期に、私の母親が車椅子を利用して生活をするようになり、外食時に私または誰かがついていって食事をするため、今まで見落としてた層の集客の可能性も同時に感じていました。
2.バリアフリー対応、スタッフの思いやりだけでなく適切な情報開示が必要だと感じた。
ーバリアフリー認証の導入の決め手は何かありましたか?
小澤:車いす利用者が数年前に来店してきてくれていて、クチコミの力をよくわかっていました。車いす利用者の1人に対して私たちとしては当たり前の対応をしたんですが、その人がスポーツチームのメンバーを連れて来店してくれたんです。
身体障害者のコミュニティの広がりは強いと感じていて、拡散力が強いというのも納得しています。
車いす利用者の母親と「バリアフリーの設備やスタッフの配慮を出来る範囲でやることは大切。でも適切な情報開示もこれからの時代はより必要だよね。」と話していました。
ちょうどそのタイミングで、Ayumiからバリアフリー認証の提案を受けました。国土交通省のデータに加え、身体障害者70名以上と協議を重ねながら作成した、85項目以上のバリアフリー認証チェックシートをともにした調査・認証を行っていると聞きました。
加えて、Ayumiのバリアフリー認証に支払った費用が認証者である身体障害者に還元されると聞きました。元々、外国人労働者の雇用や障害者雇用に興味があったので、バリアフリー認証の意義や社会貢献度高さを感じました。
また、Ayumiは面白いデータを教えてくれました。
・身体障害者は健常者に比べて2.8倍のリピート率があること
・身体障害者は外出時必ず1名以上同行者がいること
・身体障害者を1人集客すると、健常者に比べて、1年間の売り上げは約6倍見込めること
社会貢献性だけでなく、収益性もしっかりとイメージが出来たので導入を決定しました。
3.初めての反応を実感「記事見ました、車いすで行ってもいいですかね?」
ーバリアフリー認証を受けて、車椅子利用者や身体障害者、高齢者の来店は増えましたか?
小澤:着実に増えてきています。電話越しで「記事見ました、車いすで行ってもいいですかね?」と言ってくださる人が増えています。バリアフリー認証を受けて、AyumiのメディアサイトやGoogleマップから開示をしてくれたからこそだと感じています。
月に数件こういった問い合わせがあり、月平均2〜3組の身体障害者の方々が来店されています。また、そこから七五三の予約や団体予約も増えました。記事を見て、来店してくれた人は、私たちの料理だけでなく対応にも喜んでくれて、リピーターになってくれている人達もいます。
「をざわ」は割烹・鰻屋ということもあって、ランチも良い値段するんです。良い値段を払っても来店したいと思っていただける障害者の方やその周りの人にも感謝をしないといけないと思っています。
嬉しいことに、バリアフリー認証に支払った年会費は既にPay出来ています。これから適宜バリアフリー対応や情報開示、接客についての相談もさせてください。
山口:本当ですか!小澤様の力になれていてなによりです!今後もお力になれるように尽力しますので、お願いします。実際にGoogleマップの数字を見ても小澤様の言う通り、着実に増えていますね。電話回数・通路検索回数・ウェブサイトクリック数と言ったユーザーの具体的なアクション数も増加していますね。
参照:Ayumiがバリアフリー認証記事を広報した9月1日からのGoogleマップのインサイトデータ
4.当事者が店舗利用者にもなるため生きたアドバイスを貰える
ー導入して良かったと思えたことはありますか?
小澤:今回のバリアフリー認証を受けて、「をざわ」の設備のどこがバリアフリーで、どこがバリアフリーじゃないのかを把握することが出来ました。自分にとってバリアフリーだと思ってたところがバリアフリーじゃないと知ることも出来たのは大きな発見です。
細かな情報開示だけでなく、「こういう時にはこうすると良い」などの的確なアドバイスを認証者からいただきました。「忙しくても、相手の状況を把握し、出来ることがありますか?と聞いてください」というアドバイスいただき、スタッフにも教えています。
こういった店舗の利用者でもある当事者が調査・認証・アドバイスを行っていただけるからこそ、私たちも納得ができます。彼らの経験談と知識だけでなくチェックシートに基づく話なので貴重です。
5.お客様の要望に全ては答えられなくても出来る範囲で対応し、楽しんでいってほしい。
ー最後に、小澤社長が伝えたいことを教えてください。
小澤:「をざわ」を気に入っていただき、訪問をしてくださるお客様のおかげで「をざわ」は創業から105年を超えるお店となっていると考えています。
そして「をざわ」のスタッフが、お客様との「丁寧な接客」「ゆったりとした時間や空間を提供すること」「お客様が気持ちよく料理を食べていただくために何をしたらいいのか」を常に意識してくれているからだと思います。
車いす利用者を始めとした身体障害者や妊婦さん、ベビーカーを使うママやパパ(乳児からOK)・盲導犬を連れている方など、色々な背景をお持ちの方々が訪れてくださいます。エレベーターもあって落ち着いた雰囲気があって好き、と好評で使ってくれているのが何よりも嬉しいです。
ベビーカー利用の方は、畳の上で赤ん坊の世話が出来るようにテーブルの配置を変えたりしたところ、喜んでいただけたことが印象に残っています。
お客様の要望に全ては答えられなくても、出来る範囲でお客様が喜ぶような対応は今後もスタッフ含めてしていきたいと思っています。
山口:小澤様のような店舗に今後もバリアフリー認証を導入していただけるように頑張ります。今回は長いお時間、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。