【新幹線で車椅子旅行】車椅子席や多目的室の予約方法を体験談を交えて詳しく解説!

ホームの写真

新幹線の中にも車椅子席や、車椅子利用者が利用できる多目的室の設置などバリアフリーな対応がたくさん用意されていることをご存知でしょうか。

この記事では、車椅子での予約方法からJR各社のバリアフリー対応等に加えて、車椅子利用者である筆者が実際に新幹線を利用した際の感想も合わせてご紹介します。

旅行などで利用される方に見ていただきたい内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.新幹線を車椅子で利用するための予約から乗車までの方法

新幹線の席の写真

1-1.予約方法:電話、WEBサイト、窓口での手続きと注意点

新幹線の座席は自由席と指定席があります。しかし車椅子席は原則指定席のみとなっているため、ここでは指定席の予約方法について解説します。

予約方法は駅窓口と電話、WEBサイトから乗車の1ヶ月前から予約が可能です。駅係員への介助を必要とされる場合は、予約の際に伝えておくことをおすすめします。

駅で予約される方は、みどりの窓口がある駅で直接ご予約ください。

電話をご希望の方は、JR各社のサポートダイアルにて予約ができます。電話番号は以下の通りです。

・JR東日本:050-2016-1600
・JR西日本:0570-00-8989
・JR九州:0570-07-8787

JR東海では新幹線乗車駅に直接申し込む必要があるため、下記サイトを参照ください。

参照:当社エリアの車いすをご使用のお客様のお申し込み電話番号

また、新幹線の切符はWEBサイトで予約することもできます。

必要事項を記入すると、後日申し込み結果について電話で連絡がきます。その後、申し込み時に指定した駅できっぷが購入できます。購入時には障害者手帳が必要な場合がありますので、ご注意ください。

多目的室については、JR西日本の山陽新幹線のみWEB申し込みが可能ですので、山陽新幹線以外で多目的室を予約される方は、駅の窓口もしくは電話でご予約ください。

各社の申し込みサイトは以下の通りです。

参照:お身体の不自由なお客さまへ|東日本旅客鉄道株式会社
参照:おからだの不自由なお客様へ|西日本旅客鉄道株式会社
参照:車いす対応座席受付フォームの利用について|東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
参照:車いす対応座席WEB申込のご利用案内|九州旅客鉄道株式会社

他にも利用にあたって不明点などあれば、各社コールセンターでご相談ください。

1-2.乗車前の準備:車両番号や席を確認と駅係員への介助依頼

WEBサイトでの申し込みには、発車時刻や車両番号の記入が必要です。

そんな時には「えきねっと」をご利用ください。乗車駅と降車駅、日時を入力して検索すると、ご希望の車両が直ぐに見つかります。

参照:えきねっと

一つの車両には、車椅子対応座席が2つ、多目的室が1つ、東海道・山陽新幹線と北陸新幹線の一部車両には車椅子スペースが4〜6つ設置されています。

座席については、切符購入時にお尋ねください。

また、ホームと新幹線の間には少し隙間や段差があります。車椅子用スロープの利用や駅構内の案内など駅係員の介助を必要とされる場合は、予約の際に伝えるようにしましょう

1-3.車椅子利用の注意点:列車や車両による制約

新幹線全車両に車椅子席は設置されているため、列車による制限はありません。

7号車か11号車に車椅子席が設置している場合が多いため、車両のドアも広く設計され、筆者も使用している大型の電動車椅子(幅約70センチ)でも問題なく乗車ができます。また多目的室や多目的トイレも同車両に設置されています。

一方で、自由席に車椅子席がある列車はほとんどありません。自由席を購入される場合はデッキで待機することになるため、長時間の移動は指定席がおすすめです。

1-4.新幹線を使う車椅子利用者の声を集めました!

今回、Ayumiでは車椅子利用者に新幹線の利用について感想を伺ってみました。

やはり、周りの乗客に気を使うことなく過ごせる多目的室を利用される方が多くいました。
しかし、上記でも説明したように多目的室はWEBサイトの予約ができないことが多いため
不便を感じられているようでした。

車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんは下記のようなポストを発信されています。

中嶋涼子さんのインタビュー記事は、下記よりご覧いただけます。

参照:【誰かの心を動かしたい思いが原動力に】注目の車椅子インフルエンサー・中嶋涼子さん

調べてみると、新幹線の予約にはまだまだ課題が多いと感じました。新幹線で車椅子席を予約される際は、余裕を持った行動が必要なようです。

2.新幹線のバリアフリー設備の特徴

新幹線にある車椅子利用者が使える多目的室

2-1. 車椅子利用者が使える多目的室や専用席の特徴

新幹線の車椅子席は、「車椅子対応座席」「車椅子スペース」「多目的室」の3種類です。

参照:車いすをご利用のお客様|西日本旅客鉄道株式会社

車椅子対応座席は、通常の座席1席分が空いており、シートベルトで車椅子を固定し、隣の座席に移乗がしやすいよう工夫がされています。もちろん車椅子に座ったままの利用も可能です。こちらの座席は全車両に設置されています。

車椅子スペースは、東海道新幹線と北陸新幹線に設置してあり、車椅子のまま利用できるよう広いスペースが確保された座席です。東海道新幹線が2021年に増設した席で、ストレッチャー型の車椅子利用者でも利用がしやすいといった特徴があります。

参照:車いすスペースを6席設置した列車のお買い求め方法について|東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社

最後に多目的室では、車椅子のまま入室できるスペースが確保されていて、座席を伸ばすことでベッドとして横になって過ごすことも可能です。

また急な体調不良や授乳が必要な方は、多目的室の予約がない時に限り利用できますので、乗務員にお伝えください。

2-2. 改札やホームへのアクセス: 案内サービスと移動経路

初めて訪れる場所だと、駅のルートが分からず困ってしまうこともありますよね。

新幹線の予約の際に駅係員の介助を希望されている場合は、駅構内であれば目的地まで誘導していただけます。

また、多目的トイレなど駅構内のバリアフリー情報は各社ホームページからも確認できます

2-3. その他の新幹線内のバリアフリー対策を紹介!

多目的室の横に設置してある多目的トイレは、背もたれ付きの便器や手すり、ベビーベッドが用意されています。スペースについては、車椅子1台がギリギリ入るといった印象です。

またデッキにも手すりが設置してあり、走行中の揺れでも安心して利用できるよう工夫がされていました。

さらに、乗務員が座席までの案内や、到着が近づいた時の降車の準備も介助してくださるので、心のバリアフリーも完備されています。

3. 新幹線に乗って車椅子で旅行を楽しむためのポイント

3-1.障害者手帳を使って切符を割引料金で購入

障害者手帳があると切符を半額で購入することが可能です。

旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄に第1種または第2種の記載がある、身体障害者手帳と療育手帳を保有している場合、手帳所持者と介助者が割引対象となります。

割引料金を適用する際には、切符購入時に障害者手帳もしくは障害者帳アプリのミライロIDの提示が必要になります。

ミライロIDは下記の記事で詳しく紹介していますので、ご覧ください。

参照:【2024年最新】障害者手帳アプリ「ミライロID」の使い方・メリット・評判など徹底紹介!


また、障害者割引乗車券はみどりの窓口にて購入する必要がありましたが、JR東日本は2024年2月26日より、えきねっとでの販売を開始しました。

JR西日本でも、2月27日よりe5489にて同様の取り組みを始めており、より利便性が高まったのです

えきねっとやe5489を利用して、障害者割引を適用したJRグループの乗車券を予約できるようになりました。

他にも、えきねっとでは障害者割引を適用済みの新幹線eチケットの予約、障害者割引の料金を適用した乗車券と在来線特急のチケットレス特急券とのセット予約も可能です。

えきねっとの場合は「ユーザーID」、e5489では「WESTER ID」をマイナポータルと連携する必要があり、乗車券は乗車前に指定席券売機やみどりの券売機で受け取らなければなりません。

それでも、購入のために駅に行く必要がなくなり、障害者にとってより快適かつ割引料金で新幹線が利用できるようになり、ますます障害者の外出機会が増えるのではないでしょうか。

3-2. 新幹線から降りたあとの観光スポットへのアクセスを確認

新幹線で目的地に到着したら、観光スポットに向かいましょう。

事前に観光スポットのホームページでのアクセス情報やGoogleマップで調べておくと、スムーズに旅行ができるかもしれません。

在来線の利用があれば、新幹線の予約の際に伝えておくと、在来線の乗り換えも案内してもらえます

Ayumiでは全国のバリアフリー情報サイトを下記記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

参照:バリアフリー情報サイトまとめ-全国版


3-3.前日までに新幹線の運行情報や予約変更方法を確認

新幹線の運行情報も下記にある各社ホームページからご確認いただけます。

参照:JR東日本
参照:JR西日本
参照:JR東海
参照:JR九州


また予約の変更に関しては、予約をされた駅で変更の旨を伝えるようにしましょう。変更は原則1回までで、2回目以降はキャンセルと同様に手数料がかかりますので、ご注意ください。

4.筆者が実際に新幹線を使ってみた感想をお伝えします!

上記でも紹介したように、筆者は電動車椅子を利用して生活を送っています。

4月に広島から東京へ新幹線を利用して旅行をしたため、ここからは筆者が新幹線の利用で感じたことについて紹介します。

まず、乗車の1週間前にWEBサイトから多目的室を申し込みました。その後折り返しの電話で申し込み結果を伝えられるのですが、なんと多目的室が埋まっていたのです。

当日は車椅子対応座席を利用しましたが、終始周りに気を遣ったというのが正直な感想です。

1つはスペースの問題。普段はリクライニングなどで身体の圧を変えているのですが、後ろの座席との幅が狭く、同じ姿勢を保持せざるを得ませんでした。

2つ目は、心理的な問題です。介助者へ必要な介助を依頼するにはコミュニケーションが必要となります。しかし、静かな空間では周りの目を気にして、会話をしづらいと感じました。

一方で、駅構内の案内や在来線との乗り換えなどは、駅係員さんの誘導のおかげで一度も迷うことなく目的地にたどり着くことができました。

さらに東京駅では、車椅子利用者のための待合室があったことも驚きです。新幹線の到着が近づくと駅係員さんが迎えに来てくださり、丁寧なサポートをしていただきました。

確かにハード面のバリアフリーはまだまだ課題があるのは事実です。それでも、心のバリアフリーが統一されていることを筆者は強く感じました。

5.最後に

今回は、新幹線の車椅子席を中心に紹介していきました

調べてみると、JR各社でバリアフリーな取り組みがたくさんありました。しかし、各社で予約方法や条件が異なっているなど、情報がわかりにくい印象も受けました。

当記事はこうした情報を、わかりやすくまとめてみました。

新幹線を気軽に利用して、旅行に出かける人が1人でも増えると嬉しいです。

Facebook
Twitter
LinkedIn

シェアお願いします( ´ ▽ ` )

▼おすすめ記事

この記事のライター

メニュー

記事カテゴリー

新着記事

人気記事

Ayumiの活動を寄付で応援し、
社会を変える仲間になりませんか?

Yogibo Social Good


公式オンラインストアで
クーポンコード [ THAY ] を入力して
Yogibo(ヨギボー)を購入すると
売上の5%がAyumiの活動資金となります

プロボノ募集中

ボランティア募集中 activo

公式SNS

運営にご協力いただいている企業様