日常生活 障害者の恋愛や結婚事情とは?どうやって出会いを探す?

障害者の恋愛や結婚事情とは?どうやって出会いを探す?

障害者でも健常者でも「恋愛や結婚がしたい!」という感情を持つのは、ごく当たり前のことです。

しかし、障害があるがゆえに恋愛や結婚に対して前向きになれずにいる方も多いのではないでしょうか?

本記事では、障害者の恋愛や結婚における悩みや実情、そしておすすめのマッチングアプリなどを紹介します。

1.障害者の恋愛における悩み

障害者が恋愛に前向きになれない理由には、どのような壁があるのでしょうか?

ここでは、障害者の恋愛における悩みを解説します。

1-1.障害が理由で恋愛に積極的になれない


障害者が恋愛に積極的になれない理由の一つとして、障害そのものにコンプレックスを感じているという点が挙げられます。


もし仮に好きな人ができたとしても、「自分には障害があるから恋愛は無理」と諦めてアピールできないことも多いようです。

また、障害者のライフスタイルメディア「Media116」のアンケート調査によると、以下のような回答が上位を占めています。

質問『恋愛について悩みはありますか?』についての回答は
1位 障がいを理由にうまくいかなかった経験がある 31.1%
2位 好きな人にどうアプローチしていいか分からない 30.2%
3位 自分の体(容姿やにおいなど)が原因で恋愛に積極的になれない 25.1%

引用元:身体障がい者の恋愛と性の世界へようこそ。354人が語った本音アンケートのご紹介|障害者のライフスタイルメディア「Media116」

障害を理由にうまくいかなかった具体的な経験として挙げられていたのが、

「デートに行くにもバリアフリーのお店かどうか気にしなければならない」

「自分のことが相手にとって負担になってしまうのではと思い恋愛をすることに躊躇する」
などでした。

このように、多くの障害者が自身の障害を理由に、恋愛に対して積極的になれないといった現状があるのです。

しかし、現在ではバリアフリー化が進んでおり、車椅子でもデートを楽しめるスポットはたくさんあるのでぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

参考:「~約 500 人の障害当事者に聞いた恋愛意識調査~​​」|株式会社ゼネラルパートナーズ

1-2.外出の機会が少なく出会いがない


障害がある方は、健常者よりも外出に対するハードルが高く、必然的に恋愛に繋がる出会いも少なくなってしまいます。

特に、身体障害がある方や人工呼吸器をつけている方は、長時間の外出や遠出は難しいですよね。

行動範囲が狭まってしまう分、恋愛に繋がる出会いや機会も少なくなってしまうでしょう。

しかし、出会いがないというのは健常者においても同じです。

毎日職場と自宅の往復で、休みの日は自宅にいて趣味もないという状況なら、健常者でも出会いは訪れません。

つまり、健常者や障害者関係なく、積極的に出会いを求めていかなければ恋愛はできないということです。

現代では、マッチングアプリや婚活イベントといった出会いに繋がるさまざまなツールやイベントがあります。

記事の後半では、おすすめのマッチングアプリや婚活イベントなどをご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

1-3.日々の生活で手一杯(金銭的な問題)


恋愛や結婚は、相手を思いやる行為です。

そのため、障害がある方は日々の生活で手一杯で、相手を思いやり、幸せにできるイメージを持てないという人も多いのではないでしょうか?

また、結婚するとなると金銭的な問題もでてきます。

国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年度の日本人の平均年収は約443万円で月給に換算すると約36万9,000円です。

一方で、障害者の平均給与は厚生労働省「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」によると、​​約14万6,000円で年収では約175万円となっています。

ただ、障害の種類によって以下のように平均月収は異なります。

  • 身体障害者:​​約21万5,000円
  • 知的障害者:​​約11万7,000円
  • 精神障害者:約12万5,000円
  • 発達障害者:約12万7,000円


交際の段階であればお金のことを気にせず恋愛はできますが、結婚となると経済状況的に厳しい障害者が多いのが現状です。

参考:「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」|厚生労働省


2.障害者の恋愛・結婚事情

障害者の恋愛事情について、「障がい者総合研究所」が約500人を対象に行った調査によると、交際相手がいない障害者の割合は約8割(うち今まで一度も交際したことがない方が約3割)です。

健常者で交際相手がいない人は約7割というデータから、現時点で、障害がある方の交際率は健常者よりも若干低いことがわかります。

また、交際相手の障害の有無に関しては、健常者であるとの回答が68%、何らかの障害があると回答した方が32%であり、多くの当事者は、健常者と付き合う場合が多いという結果となりました。

さらに、交際相手がいない約7割以上の障害者の方は「交際を望んでいる」と回答していることから、恋愛に対する積極的な姿勢も伺えました。

次に、障害者の結婚事情についてみていきましょう。

「障がい者総合研究所」の調査によると、障害があり、かつ配偶者がいらっしゃる方の割合は26%です。

また、内閣府が発行した「平成 25 年度 障害者白書」による、障害別の配偶者がいる方の割合は以下の通りです。

配偶者がいる障害者の割合

  • 身体障害者:​​60.2%
  • 精神障害者:​​34.6%
  • 知的障害者:2.3%


健常者で15歳以上の人口の配偶関係をみると、男性が60.8%、女性が57.0%という結果なので、身体障害者と健常者の割合はほぼ変わらないものの、精神障害者と知的障害者は結婚をしている方の割合が低いということがわかります。

そして「障がい者総合研究所」の調査では、障害がある未婚の方で、自身の障害が結婚をする上で支障になると思うと回答したのが71%であることから、多くの当事者は、自分が結婚をすることに対して不安を抱えているのかもしれません。

しかし実際は、同調査で障害が結婚をする上での支障になったと回答した既婚者の割合は、25%です。

つまり、結婚をしてみると、意外にも障害があることに関して不安や支障は感じられなかったことがわかります。

この結果は、未婚の障害者にとって非常に勇気づけられる結果だといえるでしょう。

参考:「~約 500 人の障害当事者に聞いた恋愛意識調査~​​」|株式会社ゼネラルパートナーズ
参考:恋愛・結婚調査2019|株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
参考:障がい者の結婚に関する意識調査|株式会社ゼネラルパートナーズ
参考:3 配偶関係|総務省統計局


3.障害者の出会いの方法



基本的に障害者の出会いは、健常者とそこまで変わりません。

恋愛における「出会い」の方法は、おもに以下の5つがあげられます。

  • 職場
  • イベント
  • 知り合いの紹介
  • 結婚相談所
  • マッチングアプリ
  • SNS


職場での出会いは、仕事を通じて相手の人柄や接する機会が多いため、恋愛に発展しやすい傾向にあります。

また、趣味や婚活に関連したイベントも、直接相手と会えるので、出会いの場としては最適です。

最近では、マッチングアプリやSNSなどネットを通じた出会いも多くなってきています。

ただ、注意していただきたいのはSNSでの出会いです。

SNSは、誰でも気軽にアカウントを作成してコミュニケーションができてしまうため、危険な人と出会う確率も高くなります。

ネット上での出会いを求めるのであれば、身分証の提示や運営による監視機能があるマッチングアプリをおすすめします。

しかし、安全なマッチングアプリと一言でいってもどれを利用すればいいのかわからないですよね。

そこで、次に障害者におすすめのアプリを紹介します。

4.障害者におすすめのマッチングアプリ5選

障害者がマッチングアプリを選ぶ際のポイントは、以下の3つです。

  • 会員数が多いこと
  • 障害に理解がある人を見つけられること
  • セキュリティ機能がしっかりしていること


まず、障害者が利用できるマッチングアプリの条件は、会員数が多いことです。

そこから、障害に理解のある人を絞り込んで検索すれば、効率よく出会うことができます。

また安全面では、なりすまし防止や24時間監視体制などセキュリティ機能が充実しているサービスを選びましょう。

4-1.Pairs(ペアーズ)


会員数No.1のPairs(ペアーズ)は、登録者数2,000万人以上を誇るマッチングアプリです。

Pairs(ペアーズ)は、障害者専用のサービスではありませんが、会員数が多いことから効率よく出会えるのがメリットです。

また、「コミュニティ機能」と呼ばれる共通の価値観や趣味をアピールできる機能があります。

コミュニティの中には、障害に関するトピックもあるので、理解がある人に出会うことができるでしょう。

アプリ名称Pairs(ペアーズ)
運営会社株式会社エウレカ
主な利用目的婚活、恋活
会員数2,000万人以上
月額料金男性:3,700円〜女性:0円
利用者の多い年齢層10〜50代
本人・年齢確認あり
セキュリティ機能​​24時間パトロール、通報システム
成婚率34.8%

参考:Pairs(ペアーズ) – 恋活・婚活マッチングアプリ|株式会社エウレカ

4-2.with(ウィズ)


with(ウィズ)は、会員数700万人もいるマッチングアプリです。

特徴は、心理テストでの性格分析や同じ趣味の人を探せる「好みカード」など、他のマッチングアプリにはない機能があるという点です。

会員数の多さと、独自の機能により、価値観の合う人と出会えるでしょう。

アプリ名称with(ウィズ)
運営会社株式会社with
主な利用目的婚活、恋活
会員数累計会員数700万人
月額料金男性:3,600円〜女性:0円
利用者の多い年齢層20〜30代
本人・年齢確認あり
セキュリティ機能24時間監視、通報システム
成婚率37.1%

参考:with(ウィズ)価値観で出会う恋活・婚活マッチングアプリ|株式会社with

4-3.​​tapple(タップル)


tapple(タップル)は、会員数が1,700万人いるマッチングアプリです。

やりたいことや行きたい場所から気の合う相手を探せたり、豊富なデートプランをプロフィールに掲載できたりと、さまざまな機能があります。

また、直接会う前にビデオ機能でのオンラインデートも可能なので、利用のしやすさも特徴です。

tapple(タップル)では、毎月10,000人のカップルが誕生しています。

アプリ名称​​tapple(タップル)
運営会社​​株式会社タップル
主な利用目的婚活、恋活、遊び
会員数1,700万人以上
月額料金男性:3,700円〜女性:0円
利用者の多い年齢層10〜30代
本人・年齢確認あり
セキュリティ機能24時間パトロール、通報システム
成婚率28.6%

参考:タップル(tapple) – 恋活・婚活マッチングアプリ|株式会社タップル

4-4.めぐりば!


めぐりば!は、障害者専用のマッチングサイトです。

総合型のマッチングアプリとは異なり、障害をオープンにして相手を探せるのが特徴です。

地域や年齢はもちろんのこと、障害特性を指定して相手を絞り込むことができます。

ただ、会員数が不明であることや障害者に利用者が限定されていることなどから、マッチング率は低いことが予測されます。

アプリ名称めぐりば!
運営会社HPCホールディングス株式会社
主な利用目的婚活、恋活
会員数不明
月額料金男性:2,750円女性:0円
利用者の多い年齢層不明
本人・年齢確認あり
セキュリティ機能24時間年中無休体制、個人情報徹底管理
成婚率不明

​​参考:めぐりば!- 障がい者のための恋愛・婚活マッチングサイト|​​HPCホールディングス株式会社

4-5.IRODORI(イロドリ)


IRODORIは、障害をもつ方、障害に理解のある方が利用できる恋活・友達作りアプリです。

異性だけでなく同性のユーザーとも複数人でチャットや通話が可能で、男女問わず友達を探せます。

また、多くのマッチングアプリは男性が有料の場合が多いですが、IRODORI(イロドリ)は男女ともに無料で利用できる点もメリットだといえるでしょう。

アプリ名称IRODORI(イロドリ)
運営会社Comet
主な利用目的恋活、婚活、友達探し
会員数不明
月額料金男性:無料女性:無料
利用者の多い年齢層不明
本人・年齢確認あり
セキュリティ機能​​なりすまし防止、24時間365日の監視体制
成婚率不明

参考:障がい者の友活・恋活・婚活アプリ「IRODORI」|Comet


5.障害者向けの恋活・婚活イベントはあるの?



インターネットで調査したところ、障害者向けの恋活・婚活イベントは少ないものの、存在します。

婚活パーティー・お見合いパーティー・街コンなどのイベントを主催しているイベントブランド「エクシオ」では、「障害をお持ちの方&理解者」というカテゴリーで、定期的に婚活パーティーを開催しています。

開催されている場所は主に東京や大阪などが多いので、首都圏周辺や主要都市に住んでいる障害者の方におすすめです。

しかし、マッチングアプリ紹介でも述べたように、障害者であっても健常者と同じように通常の婚活イベントに参加することは可能です。

イベントに参加するとしても、障害者という枠に囚われずに恋活・婚活することをおすすめします。

参考:エクシオ|婚活総合カンパニー TMS GROUP

6.障害者の結婚についてサポート制度や支援団体などはあるの?

障害者の結婚をサポートしてくれる企業には、結婚相談所などがあります。

例えば、障害者専門結婚相談所「チャレンジド・マリッジ」では、加盟店を募り障害者の婚活をサポートしています。

参考:一般社団法人チャレンジド・マリッジ

また「未来デザイン」という企業では、福祉資格保持カウンセラー、精神保健福祉士、サービス管理責任者などの資格を持つスタッフが、障害者の婚活をサポートしてくれるのが特徴です。

未来デザインでは、障害をお持ちの方&理解者のオンライン婚活パーティーを定期的に開催しているので、自宅にいながら婚活ができます。

参考:障害者専門結婚相談所「未来デザイン」


「NPOブライダルサポーター」は「門前払いをしない結婚相談所」のキャッチフレーズのもと、2013年から運営している​​結婚相談所です。

2022年7月時点で日本全国の登録会員数が 80,000人を超える、日本結婚相談所連盟(IBJ)に加盟する結婚相談所としても知られています。

また、東京都が認証しており、他の結婚相談所と比較して低価格に設定されているため、利用しやすいサービスだといえるでしょう。

参考:結婚相談NPOブライダルサポーター

もちろん、障害者であっても通常の結婚相談所で婚活は可能ですが、こうした専門的にサポートしてくれる企業・団体であれば、不安や本音を話しやすく、安心して登録できるでしょう。

7.障害者の結婚における今後の課題とは



障害者がひとりの人間として、恋愛や結婚を意識するのはごく当たり前で自然なことです。

しかし、障害を理由に恋愛や結婚を諦める人が多いのも今の世の中の実情としてあります。

ただ、「諦めを当たり前にしてはいけない」というのが筆者が考える今後の課題です。

障害者にも、恋愛や結婚をする、もしくはしないという選択肢があることを忘れてはいけません。

障害を理由に恋愛や結婚を諦めないためには、一人ひとりが障害者に対して理解をし、周りがサポートすることが大切です。

そうすれば、障害者自身も恋愛や結婚に積極的になれるのではないかと思います。

8.最後に



今回は、障害者の恋愛や結婚をテーマに伝えてきました。

障害がある方で恋愛や結婚に悩んでいる人は、本当にたくさんいます。

しかし、障害を理由に結婚や恋愛に前向きになれないのは、非常にもったいないというのが筆者の考えです。

現代では、マッチングアプリや結婚相談所など相手を探せる手段はいくらでもあります。

本記事があなたの素敵な出会いのきっかけになれば、嬉しいです。

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