多くの女性が憧れるウェディングドレス。車椅子に乗っているから着られない、結婚式も挙げられない…と諦めていませんか?
今回は、車椅子ユーザーでも着られるウェディングドレスや、式場選びのポイントをご紹介します!
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.障害があっても結婚式を挙げられる「ユニバーサルウェディング」とは?
最近、多くのホテルや結婚式場で「ユニバーサルウェディング」という言葉を目にします。これは、車椅子を利用している花嫁のために考案されたウェディングプランのことです。
ユニバーサルウェディング専用の車椅子もあり、座面を調整することが可能で、デザインもウェディングドレスに合わせて白いものもあります。
従来の車椅子だと、車椅子を利用している新婦と健常者の新郎の挙式の場合、バージンロードで身長差が出てしまう点や、新婦が車椅子に座るためにドレスのトレーンを引いての入場ができないといった問題点がありました。
ユニバーサルウェディング専用の車椅子は、これらの問題を解決してくれる優れモノです。
また、その際使用されるウェディングドレスには、着脱しやすいものや、座ったままでもシルエットが美しく見えるものなど、さまざまな工夫が凝らされています。
以下で、そんな車椅子ユーザーでも不便なく着ることができるドレスブランドを2つ、紹介していきます。
2.車椅子でも着られるウェディングドレスブランド2選
2-1.W2-Dress(ダブルツードレス)
「Wheelchair」と「Wedding」の2つのWがブランド名のもとになっているW2-Dress。
設立者である宮澤久美さんは、自身の家族の脊髄小脳変性症の進行により、長年障害とファッションについて想いを寄せてきました。
その想いをもとに設立されたのがW2-Dressです。「着るを通して 障がい者の明日を 楽しく選べる毎日に」というミッションのもと、既製品ドレスをカスタマイズするリメイク商品を提供しています。
W2-Dressの特徴は以下の通りです。
- 車椅子に座ったまま5分程度で簡単に着られる。
- 車椅子でプリンセスラインのボリュームのあるドレスが着られる。
- 体型や車椅子の形状、好きなテイストで自由にデザインできる。
また、車椅子ドレスのレンタルも行っており、リメイクよりお金をかけずにウェディングドレスを着る夢を叶えられます。
打ち合わせはオンラインでできるため、移動の負担なく理想のドレスを形にすることができますよ。
気になることがあれば、まずは問い合わせフォームより相談されてみてはいかがでしょうか?
参照:W2-Dress
2-2.Campanella(カンパネルラ)
Campanellaは、スタイリスト歴30年以上の石切山祥子さんが設立したブランドです。
車椅子ユーザー用ウェディングドレスの開発を、今まで10着以上行ってきました。
1着あたりの開発費は約40万円。ですが、レンタル料は3~7万円と、通常のドレスレンタル費用平均の約10分の1の額です。たとえ開発費をまかなうのが大変でも、おしゃれをしてキラキラ輝いてほしいという想いからこの値段に設定しているそうです。
また、ドレスの素材は肌に優しいコットン素材となっており、負担なく着ることができますよ。
レンタル・オーダーどちらも行っているとのことですので、気になる方はぜひ一度問い合わせてみてくださいね。
参照:Campanella
3.ユニバーサルなウェディングプランを提案するHopeWeddings(ホープウエディングス)
HopeWeddingsは、車椅子ユーザーの結婚式やフォトウェディングのプランニング、ドレス手配などを一貫して行い、ユニバーサルウェディングを実現するサポートを行っています。
ドレスは、2-1で紹介したW2-Dressのドレスを手配してくれます。
紹介される会場は、会場のバリアフリー(動線や段差)、ユニバーサルトイレの有無、ブライズルームの広さや段差、ドレス持ち込み料やスタッフの体制などを事細かに事前調査済み。また、事前にオーナーと話し合い、HopeWeddingsに賛同する会場のみを紹介しているため、後からのトラブルや会場変更の必要がありません。
また、サービス介助士による新郎新婦介添え(車椅子、片麻痺の方のサポート、視覚障害の方のガイドヘルプ、聴覚障害の方の手話通訳派遣手配など)なども行っており、安心して式を執り行うことができます。
HPにはモデルプランや実際に利用された方の声なども載っているので、気になる方は参考にされてみてはいかがでしょうか?
参照:HopeWeddings
4.純白のドレスに合わせられる車椅子「Felicita(フェリチタ)」
“白”にこだわり、ブライダル専用の車椅子であるFelicita。機能性だけでなく、デザイン性に非常にこだわりがある車椅子となっています。
パールホワイトのフレームはウェディングドレスによく合う色となっており、ホワイトレザーシートで長時間の式でも快適に過ごすことができます。
また、背面にポケットを設けることで、両親への手紙やグローブ、ストールなどの小物をしまうことができ、痒い所に手が届く仕様です。
そのほかにも、オプションとして、スワロフスキー・ジャパン公認の上品かつゴージャス感あふれるスワロフスキーを贅沢にあしらったエンジェルウィングをつけたり、ブーケホルダーをつけたりすることもできますよ。
参照:Felicita
5.片麻痺と装具ユーザーから生まれた靴「EKAHI」
ウェディングドレスに合う靴を探している車椅子ユーザーや義足、下肢装具ユーザーの方には、片麻痺と装具ユーザーから生まれたお店「Mana’olana Select Shop」の「EKAHI」がおすすめです。
セミオーダー式での注文となっていて、希望サイズのサンプルを試してから、使用装具や足の形・状態に合わせて微調整することが可能です。左右サイズ違いでも注文できます。
「EKAHI ホワイト(ラメ入り)」はウェディングドレスにぴったりな華やかで洗練されたデザイン。甲周りの幅違いで重なっているストラップは、マジックテープで留めるのでユーザーのサイズに合わせてしっかりと固定でき、着脱が簡単です。
立ち上がりや移動が必要な時にサポートしてくれる、滑り止め効果の高い靴底を採用しているのも嬉しいポイント。
なお、使用装具の種類によって対応できない場合があるので、注文の際は事前に確認しておきましょう。
参照:EKAHI ホワイト(ラメ入り) | Mana’olana Select Shop
6.車椅子でも和装はできる?
ウェディングドレスだけでなく和装もしたい!と思う方も多いのではないでしょうか?
和装は重く、着付けも大変なイメージがあるため、車椅子では難しいと思われるかもしれません。
でもご安心を!車椅子ユーザーでも和装はできます。
例えば3でご紹介したHopeWeddingsでは、白無垢や打掛など和装のラインナップもあります。上下セパレートになっており、帯は面ファスナーで留めるため、身体への負荷が極力少なくなっています。
参照:婚礼衣装|車椅子和装
以下の和装フォト婚のレポートもぜひ参考になさってくださいね。
参照:小田原城址公園 フォト婚|結婚式をすべての人へ~HopeWedinngs|note
7.車椅子で結婚式を挙げるための式場選びのポイント
7-1.1日1組限定の結婚式場かどうか
車椅子での挙式は移動や準備に時間がかかるので、気兼ねなく過ごせるように、1日に1組しか結婚式を行わない会場やレストランで、バリアフリー対応をしている会場を探すのが良いでしょう。
「みなとみらい sea&terrace ~DANZERO~」では、1日1組限定の挙式が可能で、バリアフリーにも対応しています。
参照:みなとみらい sea&terrace ~DANZERO~
7-2.プランナーのサポート体制があるかどうか
どんな会場でも見学は必須です。結婚式場の専門カウンターや、フリーランスのウェディングプランナーに相談すれば、会場の紹介や見学の手配などもスムーズに行えます。
自分たちにはどのような設備やサポートが必要か予めリストアップし、それをもとに直接式場に問い合わせたり、窓口に相談してみましょう。
7-3.会場の広さやバリアフリーに対応しているかどうか
挙式場の祭壇や高砂席には段差があるので、スロープを設置できるかどうかは非常に重要です。スロープが会場にない場合は、レンタルショップなどで借りることもできますよ。
介護用品・福祉用具のレンタル・販売を行うダスキンヘルスレントでは、さまざまな種類のスロープの貸し出しを行っています。
式場には、持ち込みが可能か必ず事前に確認しましょう。
参照:スロープ・リフト・徘徊感知機器 レンタル商品一覧|ダスキンヘルスレント
また、多目的トイレやオストメイト対応トイレの有無も確認が必要です。
障害の程度にもよりますが、看護師や理学療法士など医療関係者に待機してもらうことも考えましょう。お世話になっている施設の人に相談すれば、対応してもらえるでしょう。
8.お金をかけなくても結婚式はできる!
結婚式はお金がかかるものです。結婚式の費用は平均で300~400万円で、障害者の平均収入と比べると高過ぎて結婚式を挙げられないと諦めてしまう方も多くいらっしゃるかもしれません。
お金をかけない結婚式のひとつとして、会費制という方法があります。ゲストを招く際に会費を案内し、一人2万円~2万5,000円の会費をもらって行うパーティです。
ゲストを40名程度にすれば会費の中で、料理や会場使用料、装花、司会者などほぼ賄えるため、自己負担額は衣裳代と諸経費で20万円以下に抑えることができるのです。
最近は会費制ウェディングを導入しているレストランも増えているので、会場を上手に選べば、高額な出費をしなくても結婚式は挙げられます。
また、ゲストをそこまで呼ばない場合は、教会や神社で挙式のみを執り行うこともできます。
ほかに、写真を撮るだけのフォトウェディングというスタイルも、形に残り、素敵な思い出となるでしょう。
結婚式の形も多様化しているので、まずはどのような結婚式スタイルがあるかを調べてみてはいかがでしょうか?
障害者の恋愛・結婚事情については以下の記事でご紹介しています。
9.最後に
今回は、車椅子ユーザーでも着られるウェディングドレスやふさわしい式場、アイテムの紹介をしました。
また、ドレスだけでなく、和装もでき、さまざまなスタイルで結婚式を挙げることもできます。
昔はユニバーサルウェディングというプランがなかったため、挙式を諦めていた方や、今後車椅子で挙式を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事が、一歩踏み出せるきっかけになれば幸いです!