ライフハック eスポーツで広がる障害者の可能性とは?障害者雇用との関係性や市場規模を解説!

eスポーツで広がる障害者の可能性とは?障害者雇用との関係性や市場規模を解説!

UnsplashのELLA DONが撮影した写真

eスポーツの市場規模は、年々拡大しており雇用の機会という観点でも広がりをみせています。

eスポーツは、健常者だけでなく障害者の方でもプレイできるものがあり、実際にJeniさんなどeスポーツプレイヤーとして活躍されている方も多いです。

ほかにも、プロのプレイヤーとしてだけでなく障害福祉としてもeスポーツが活用されています。

では、eスポーツと障害者にはどのような関連性があるのでしょうか?

本記事では、eスポーツと障害者雇用との関係性や市場規模を解説すると同時に、eスポーツで広がる障害者の可能性について紹介します。

1.eスポーツとは?

黒いフラットスクリーンコンピューターモニターの近くにある黒いオフィスローリングチェア
UnsplashのELLA DONが撮影した写真

eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツの略称であり、広義では電子機器を使用しておこなう娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉です。

また、コンピューターゲームやビデオゲームを用いた対戦を、スポーツ競技として捉える際にもeスポーツと呼ばれています。

1-1.eスポーツの歴史

eスポーツの歴史を紐解くと、古くは1972年に「スペースウォー!」の大会が開催されたのが最古といわれています。

1990年に入ると、日本ではストリートファイター2を筆頭に格闘ゲームがブームとなり、欧米ではPGLやCPL等プレイヤーのプロ化が始まったのです。

また、1990年代にはインターネットが徐々に普及し始めたことで、ゲームのスポーツ化が加速化しました。

2000年には「eスポーツ」というフレーズが使用され始めて、10月にはWCGC (World Cyber Games Challenge)が開催されています。

2004年には、初めて韓国以外の開催地としてサンフランシスコが選ばれ、国家レベルでの理解と支援が見られるようになりました。

2006年10月には、OCAが主催した第2回アジア室内競技大会において、eスポーツの正式種目としての採用が決定しています。

日本でも、eスポーツに対する理解と対応が進み、以下のイベント等がおこなわれています。

年月内容
2007年6月日本eスポーツ協会設立準備委員会発足
2011年11月第1回eスポーツJAPAN CUP開催
2013年4月Japan Competitive Gaming(JCG)設立
2014年1月「e-sports SQUARE AKIHABARA」開店
2015年4月一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)設立
2015年10月一般社団法人e-sports促進機構設立
2016年3月一般社団法人日本プロeスポーツ連盟設立(その後一般社団法人日本eスポーツ連盟に改名)
2018年1月一般社団法人日本eスポーツ連合設立


上記から、2014年あたりから急激にeスポーツに関する環境の変化が発生していることが分かります。

1-2.eスポーツはゲーム?それともスポーツ?

eスポーツを語る上で、ゲームなのかスポーツなのかという議論が巻き起こることが多いです。

eスポーツとは、コンピューターゲームやビデオゲームを使用して、対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。

一般的に、スポーツと言えば自分の身体を駆使しておこなうことをイメージします。

一方で、eスポーツの場合は電子機器を使用するためどうしてもスポーツのイメージが持てないものです。

ただし、eスポーツと似たものとして囲碁や将棋をマインドスポーツと呼ぶなど、広義な意味でのスポーツの定義は広がっている状況です。

国際オリンピック委員会(IOC)がオリンピックeスポーツシリーズを立ち上げたことからも、eスポーツはスポーツとして今後認知されていくことでしょう。

1-3.主な種目

2023年6月にシンガポールで開催されたオリンピックeスポーツシリーズでは、以下の種目がおこなわれました。

種目ゲーム
アーチェリーTic Tac Bow
サイクリングZwift
セーリングVirtual Regatta
ダンスJust Dance
チェスChess.com
テコンドーVirtual Taekwondo
テニスTennis Clash
モータースポーツグランツーリスモ7
野球WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球
射撃フォートナイト


さらに、エキシビジョンマッチとしてストリートファイター6の大会が開催されました。

オリンピックeスポーツシリーズ以外でも、個別のゲームを用いた世界大会が各地で開催されています。

2.eスポーツの市場規模は国内だけで125億円!世界では14.5億ドル

コンサート場に集う人々
UnsplashのDanny Howeが撮影した写真

角川アスキー総合研究所が発表した「日本eスポーツ白書2023」によると、eスポーツの市場規模は国内だけで125億円です。

2022年に入り徐々に増加したオフライン開催との相乗効果もあって、eスポーツ市場の成長速度が加速したと分析されています。

これは想定を超える成長度合いであり、2025年に向けてさらに年平均20%を超える成長を遂げるとみられています。

また、同時に2022年の日本eスポーツファン数は前年比約104%の776万人となり、2025年には1,000万人に到達する見込みです。

日本だけでなく、世界的に見てもeスポーツの市場拡大が続いており、2022年は14.5億ドル、2030年には67.5億ドルまで成長すると予測されています。

3.eスポーツで広がる障害者の可能性

会議の群衆
UnsplashのStem Listが撮影した写真

eスポーツは、オンラインでいつでも気軽に参加できるため、障害者にとっては出会いが広がる場としても注目されています。

また、障害の有無に関係なく同じ土俵で勝負できるため、活躍できるチャンスが増えるのです。

実際に、競技力の向上とスポーツ精神の普及を目的として、一般社団法人障がい者e-スポーツ協会が設立されました。

既に海外では​​、Brolylegs氏が格闘ゲームの大会で活躍を見せていたり、障害者向けのeスポーツ大会としてBarrier Break Cupが毎月開催されたりしています。

さらに、パラリンピックの正式種目になる可能性があり、障害者がさらに活躍できる舞台が登場する予定です。

4.eスポーツ×障害者雇用促進に取り組む企業を3社紹介

VRで授業を受ける女の子5

4-1.就労支援を目的にしたeスポーツ大会「ePARA(イーパラ)」

ePARAは、バリアフリーeスポーツのニュースサイトとして、様々な情報を提供しているサイトです。

また、同時にeスポーツを通じて障害者が自分らしく、やりがいを持ちながら社会参加する支援をおこなっています。

その一環として、バリアフリーeスポーツ大会の企画運営を担当しているのです。

バリアフリーeスポーツは、参加するプレイヤーが障害者というだけではありません。

バリアフリーeスポーツ事業における様々な業務を障害者に委託、もしくは雇用の形で参画することで就労支援しています。

この理念や活動には、Yogiboやジョイサウンドなどの企業が支援しており、各方面から高く評価されています。

参照:ePARA|株式会社ePARA


4-2.eスポーツの障害者雇用推進サービス「GROW-GAMING.」

GROW-GAMINGは、ESJコンサルティングが運営しているサービスの名称です。

法人向け障害者雇用ソリューションサービスがメイン事業となり、eスポーツの障害者雇用推進にも積極的です。

障害者雇用サイクル形成を見込み、eスポーツだからこそできる多様な人材確保や職場定着を実現するサービスとして注目されています。

また、障害者に対しても企業や支援機関と連携して、夢や希望に向かい長く働けることを目指しているのが特徴です。

参照:GROW-GAMING.|ESJコンサルティング


4-3.eスポーツ専門の就労移行支援事業所「ACADEMIA」

ACADEMIAは、株式会社ACADEMIAが運営しているサービスです。

ACADEMIAは今までにない、障害者とeスポーツを組み合わせた、新しい障害者福祉事業所として誕生しました。

eスポーツで好きを仕事にするをコンセプトに、プロゲーマーやゲーミング関連会社への就職などをサポートしており、eスポーツに対して専門知識をもった講師が講義、実習などを担当している点が魅力的です。

就労までのカリキュラムを確立して、利用者がどの分野に進みたいかという気付きを与え、目指す道に沿って個別にサポートしています。

2年間の支援を受けられ、最終的にはビジネスマナーや面接対応などのスキルも習得できます。

参照:就労移行支援事業所ACADEMIA|株式会社ACADEMIA


5.eスポーツの障害者参入で見えてきた今後の課題

eスポーツの分野において、障害者の参入がみられる一方で、今後の課題も露呈しつつあります。

その1つとして、障害者プレイヤーの競技レベルの向上が挙げられます。

障害者でもeスポーツの分野で活躍できるものの、すべての障害者が平等に活躍できるわけではありません。

あらゆる人がeスポーツをプレイできるように、ソフト・ハード両面で工夫や配慮が必要となっています。

次に、eスポーツ産業において売上の75%をスポンサー収入に頼っている点です。

障害者eスポーツプレイヤーを増やし業界を活性化させるために、入場料や放映権料、グッズ販売などの比率をより上げていく必要があります。

ほかにも、障害者の就労に関する考え方の変化が必要になっているなどの課題もあります。

6.最後に

ドライビング シミュレーター

eスポーツの市場規模の拡大はめざましいものがあり、今後はパラリンピックの種目として追加される見込みがあるなどさらに注目度が高まっています。

eスポーツでは、障害者であっても平等にプレイできる場合があり、既にeスポーツプレイヤーとして活躍されている方もいます。

また、eスポーツの分野で障害者の就労の機会を作っている企業や団体があり、eスポーツを仕事にしている障害者も多いです。

この記事で紹介した内容を参考に、今後のeスポーツ業界の動向にも注目しましょう。

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