バリアフリー認証推進運動を行う一般社団法人Ayumi(所在地:東京都渋谷区、代表理事:山口広登)は、身体障害者72名に対し、「コロナ禍における外食・外出に関するアンケート」に関する調査を実施し、結果をお知らせいたします。
PDF資料でご覧になりたいかたはこちらからご覧ください。
■サマリー
■調査概要
調査概要:「身体障害者の外食・外出に関するアンケート」に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年12月23日〜2022年1月20日
有効回答:身体障害(視覚障害・四肢障害・言語障害・聴覚障害・内部障害)を持つ72名
目次
- 1.外出・外食をする際の同行者の人数として、約88.9%が1名以上連れて一緒に来店すると回答。40.3%は2名以上の同行者がいると回答。
- 2.お店を探す時にバリアフリー情報を見ると回答した人は73.7%。バリアフリー情報が来店判断基準になる要素の一つ。
- 3.お店を探す手段として、グルメ予約サイトだけでなく、GoogleマップやInstagramが活用する人も。
- 4.バリアフリーとわかる文字情報だけでなく、お店の雰囲気やバリアフリー対応状況がわかる写真が必要と答える人が7割を超える。
- 5.物理的バリアフリーの店舗やスタッフの配慮によりバリアが無くなった店舗に、もう一度行きたいと思う人は98.6%。
- 6.まとめ
1.外出・外食をする際の同行者の人数として、約88.9%が1名以上連れて一緒に来店すると回答。40.3%は2名以上の同行者がいると回答。
0名:11.1%
1名以上:48.6%
2名以上:25%
3名以上:5.6%
4名以上:9.7%
2.お店を探す時にバリアフリー情報を見ると回答した人は73.7%。バリアフリー情報が来店判断基準になる要素の一つ。
必ず見る:33.3%
時々見る:40.3%
ほとんど見ない:16.7%
見ないでとりあえず行く:9.7%
3.お店を探す手段として、グルメ予約サイトだけでなく、GoogleマップやInstagramが活用する人も。
グルメ予約サイト:54.2%
Googleマップ:49.7%
Instagram:34.7%
知人に聞く:34.7%
バリアフリー情報開示アプリ:11.1%
外食しない:4%
新たに探さない:2%
〈その他自由回答・一部抜粋〉
・まずは電話で問い合わせる
・入れるお店にてきとうに入る
4.バリアフリーとわかる文字情報だけでなく、お店の雰囲気やバリアフリー対応状況がわかる写真が必要と答える人が7割を超える。
バリアフリー対応とわかる写真:72.2%
お店の雰囲気がわかる写真:72.2%
バリアフリーとわかる文字情報:52.8 %
スタッフのバリアフリーに向けた配慮の内容:41.7%
身体障害者が開示しているのがわかること:20.8%
バリアフリーに関する設備は整っていないとしても、スタッフのバリアフリーに向けた配慮の内容が記載されている情報を参考としている人が41.7%となっています。
ハード面のバリアフリーだけでなく、「私たちはこういったサポートもしています」というアピールを行うことも重要であるとわかります。
5.物理的バリアフリーの店舗やスタッフの配慮によりバリアが無くなった店舗に、もう一度行きたいと思う人は98.6%。
また行きたい:65.3%
行きたいけど、他のお店も検討したい:33.3%
行きたくない:1.4%
〈もう一度いきたいと考える人達の詳細理由・一部抜粋〉
・行きやすかった経験があると、初めてのお店よりリスクがなく安心して行ける
・入りやすいお店ならリピートしたい
・バリアに対して対応して下さったお店の方やそれに携わった方々に感謝の気持ちを込めて
・気持ち良い時間が過ごせてストレスがなく、なにより感謝が大きいから
・店舗内でのバリアフリー化はまだ少ないので行きやすい場所に結局行くことになるから
・人の親切、またその想いがあるお店は、大切にしたいから
〈行きたくないの詳細理由〉
・物理的バリアがあるとどうしても来店は難しいので、スタッフの配慮には感謝をしつつ来店は出来ない。
6.まとめ
身体障害(視覚障害・四肢障害・言語障害・聴覚障害・内部障害)を持つ72名に対して、「外食・外出に関するアンケート」を実施してきました。
身体障害者は外食・外出をする際の同行者の人数として、約88.9%が1名以上を連れて一緒に来店しており、40.3%は2名以上の同行者がいることがわかりました。
次に、バリアフリー情報を掲載する時に、文字情報だけでなく、「お店の雰囲気」「お店がバリアフリーとわかる写真」を重要視する人は72.2%となっており、文字だけでなく写真を使って具体的にイメージさせることが重要という結果になりました。
また、ハード面でバリアフリーの店舗やスタッフの配慮により、バリアが無くなったハートフルな店舗にはもう一度行きたいと思う人は98.2%という結果になりました。
今回の調査ではハード面・ハート面のバリアフリー対策の重要性だけでなく、バリアフリー対応をすることで収益性の確保にも繋がる可能性を充分に見出せることがわかりました。
店舗をバリアフリー対策を行い、バリアフリー対策の情報開示によって収益性にも繋げることが可能になります。バリアフリー対策を講じることにより、新規顧客獲得・リピーター獲得という集客力向上に寄与する可能性があると言えます。
身体障害者の人口は436万人。上記の調査でもある通り、そのうちの9割近くは1名以上の同行者を連れてきます。436万人+1名以上=872万人の市場規模です。国土交通省のデータによれば、身体障害者のリピート率は健常者に比べて2.8倍と言われています。
バリアフリーを意識する高齢者の人数3,640万人も含めると4000万人を超える市場に対してアプローチが可能になり、大きなポテンシャルの秘めている市場であることが言えます。
バリアフリー対策への投資は、身体障害者・高齢者の受け入れ促進・外出促進という観点からESG投資としても捉えることが可能です。SDGsで言えば、3番・10番・11番の達成に向けて一部貢献していると言えます。
コロナ禍だからこそ、飲食店の集客対策「バリアフリー」に注力することで、新規顧客獲得・リピーター獲得力を強めることが可能です。社会貢献性と収益性の両立が今後のカギとなります。
サービスサイト:https://the-ayumi.jp/about/