障害と向き合う挑戦者 一人一人の可能性を見つめ、自信と気づきを与えるハンディキャップヨガ代表 峯岸道子さん

一人一人の可能性を見つめ、自信と気づきを与えるハンディキャップヨガ代表 峯岸道子さん

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今回は、「ハンディキャップヨガ」の創始者である峯岸道子さんについて紹介します。取材をさせていただく中で、峯岸さんがハンディキャップヨガに込めた強い思いを知ることができました。

そんな峯岸さんの思いや、ハンディキャップヨガによって障害者自身や周りの人々がどのような恩恵を得られるのか、詳しく解説します。

ハンディキャップヨガや峯岸さんについて知りたい方を始め、障害によって自信をなくしている方、障害者のサポートをする上で悩みを抱えている方は、ぜひお読みください。

1.ハンディキャップヨガとは?

「ハンディキャップヨガ」は、心身に障害を抱える方を対象に、一人一人の可能性を引き出すことを目指して行われている、峯岸さん考案のヨガです。

通常のヨガと異なり、ヨガのポーズを正しく行うことではなく、その人の身体に合わせた動きをすることを重視しています。また、身体だけでなく心にもフォーカスしているのが特徴です。ヨガを通して身体に残っている可能性をどれだけ引き出すことができるかを大切にしています。

身体の安定性や体幹の向上に加えて、心のリフレッシュや自己肯定感アップといった効果が期待できます。加えて、他の人と一緒に行うため、仲間と協力する喜びを感じたり、コミュニティを獲得したりすることも可能です。

特に身体的な障害のある方は、姿勢が固まっている場合が多いため、ハンディキャップヨガで血流や神経系にアプローチすることで、身体の変化を感じられるでしょう。

2.何故ハンディキャップヨガを展開し続けるのか?

では、峯岸さんは何故ハンディキャップヨガを始めたのでしょうか。その背景には、息子さんの存在があります。

峯岸さんの息子さんは、身体の筋肉が壊死しやすく再生もされにくい、筋ジストロフィーという持病がありました。

息子さんは、不自由なことがあっても「人に迷惑をかけてはいけない」と考え、手伝って欲しいことをなかなか他人に伝えられなかったそうです。
そんな姿を見て、峯岸さんは「設備のバリアフリーは何とでもなるけど、他人との関係性の中でバリアフリーを構築することは難しい」と感じ、人との関わりに生まれがちなバリアを減らしたいという思いが芽生えました。

その後、日本にヨガブームが訪れ、障害者向けのヨガがないことに気づきました。また、残念ながら息子さんが亡くなってしまい、息子さんが経験したような辛さを抱えている人たちにヨガを取り入れられないだろうかと考えたのです。

そして2009年に、障害者自身やその周りの人々の支援、そして障害者と社会の間にあるバリアの軽減のために、ハンディキャップヨガを創始しました。

また、峯岸さんは介護者の休息の時間がない「レスパイト問題」にも注目していて、同じような境遇の人々と関わり、悩みや不安を誰かに聞いてもらいやすい環境を作ることも目指しています。

このような目的で、各地でハンディキャップヨガを展開し続けています。

3.代表 峯岸道子さんが考える障害者との向き合い方

峯岸さんが、障害者の人々と向き合う中で大切にしていることがあります。それは、「安心できる空間作り」です。

その人に合わせて、同じ目線で対応することを意識しています。また、面識が少ない人には、目を見て「触っていいですか?あなたの安定を保つために、触りながらヨガをやらせてください」と尋ねてから触るようにしているそうです。

加えて、障害への理解が浅いとすぐに壁を作られてしまうことがあるため、味方だと思ってもらえるように、相手への理解を深めることも大事にしています。身体面だけでなく、心理面への理解も重要視しているそうです。

こういった峯岸さんの活動や想いが共感を呼び、上大岡にある障害者スポーツ文化センター「ラポール上大岡」の協力のもとハンディキャップヨガの開催を実施しています。

障害者スポーツ文化センター「ラポール上大岡」の活動やラポール上大岡が運営する情報発信サイト「For Smile」をご覧になりたい方は下記のサイトから

参照:ラポール上大岡-ラポール For Smile

参照:ラポール上大岡


4.ハンディキャップヨガを通して描く未来

峯岸さんは、亡くなった息子さんに対して「生きるために、普通に暮らすために、周りの人にやってもらうのは、迷惑なことじゃないんだよ」とちゃんと伝えられなかったことを後悔しているそうです。

この後悔もあり、ハンディキャップヨガを始め、障害者と周りの人々の間にあるバリアをなくそうと試みています。バリアをなくすには、障害者自身が変わることも、周りの人々が理解を深めることも必要です。

一人一人の可能性を引き出すハンディキャップヨガが普及していけば、障害者が自信を持てるようになるだけでなく、周りにいる人も様々な気づきを得られるでしょう。

ハンディキャップヨガの公式HPには、”私を見つめ、支え、支えられる中に見つかる無限の可能性”というキャッチコピーがあります。ハンディキャップヨガを通して描く未来には、人々が支え合い、自分が持つ無限の可能性を信じて前進していく姿が見えるでしょう。

参照:ハンディキャップヨガ® – Michiko Style Yoga


5.最後に

ハンディキャップヨガの概要や目的、峯岸さんの思いについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。

ハンディキャップヨガは、全国各地に活動者がおり、様々な障害に合わせたプログラムが用意されています。また、オンライン(Zoom)開催の講座もあります。興味のある方は、ぜひご自身に合う内容があるか探して、お近くの地域やオンライン上で参加してみてください。

障害者とその周りの人々の可能性を切り開くハンディキャップヨガと峯岸さんの活動に、今後も要注目です。

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