車椅子利用者の方が旅行を楽しむ際には、移動手段に困ることが多いです。
電車や航空機以外でも、福祉車両を利用して移動したい場合もあるでしょう。
実際に福祉車両で移動する際には、現地での確保が必要です。
では、どのような形で福祉車両を依頼すれば良いのでしょうか。
本記事では、車椅子で福祉車両をレンタルする方法を紹介するとともに、全国展開する福祉車両のレンタカー会社も併せて紹介します。
目次
1.車椅子利用者が旅行先で困る福祉車両のレンタカー手配
車椅子利用者が旅行先で困るのが、福祉車両のレンタカー手配です。
福祉車両の場合、一般的な車両と比較して本体価格が高く購入を負担に感じる場合が多いです。
さらに、すべてのレンタカー会社で福祉車両を提供しているわけではなく、台数が限られているケースもあります。
そこで、どのようにレンタルすることができるのか、そしてどのレンタカー会社で取り扱っているかを理解しておくとスムーズにレンタルできるのでおすすめです。
2.福祉車両のレンタカー手配の流れ
STEP1.レンタルするのに必要なものをチェック
最初のステップでは、福祉車両をレンタルするのに必要なものを以下でチェックしましょう。
- 運転免許証
- 本人確認書類
- 現金もしくはクレジットカード
- ETCカード
- 障害者手帳
- 眼鏡
上記のなかで、福祉車両を借りる際には運転免許証、本人確認書類は必須となります。
また、借りる人または同乗者が障害者の場合、障害者手帳を持参するのがおすすめです。
これは、レンタカー会社によって基本料金の割引などを受けられる場合があるためです。
STEP2.介助において必要な装備品の準備
福祉車両のレンタル時には、介護において必要なもの(車椅子、杖など)を準備しなければなりません。
また、介護ケアを介助者が行う場合は、除菌シートやマスクなど介助に必要なものを準備してください。
上記は、レンタカー会社で貸し出ししている場合もあるので、事前に問い合わせると良いでしょう。
STEP3.レンタカー会社を探す
必要なものを確認したら、実際に利用するレンタカー会社を探します。
レンタカー会社を探す際には、レンタカー会社のWEBサイトの情報が重宝します。
福祉車両の保有状況や装備品の貸出、さらに介助サービスの有無などをチェックできるので参考になるでしょう。
STEP4.予約する
利用するレンタカー会社を選んだら、旅行先で利用する福祉車両を予約しましょう。
予約方法としては、WEBサイトや電話があり、店舗で直接依頼できる場合もあります。
ただし、必ずしも福祉車両があるとは限らないので、事前に予約状況を確認してから来店するのがおすすめです。
また、福祉車両のレンタルは電話のみで受け付けているケースもあるので、基本的には電話で問い合わせてください。
STEP5.当日レンタルする
予約が完了したら、当日レンタカー会社に向かいましょう。
レンタカー会社によっては、最寄り駅などまで送迎してくれるサービスを提供している場合があります。
また、事前に連絡すれば介助してもらえるケースもあるので、良く確認してください。
レンタカー店に到着したら、店頭で手続きを行ってスタッフと一緒に車の傷の確認をして出発します。
そして、決められた時刻までに返却しましょう。
3.福祉車両におけるレンタカーの選び方
福祉車両と一概に言っても、実は多くのパターンがあります。
たとえば、シートが回転するものや昇降するもの、そしてバックドアにスロープやリフトが付いたものまであります。
車椅子利用者の場合は、車椅子のまま車に乗り込み可能な、スロープやリフトのついたタイプ、普段車椅子を使用せず自力で歩くことができる場合は、シートが回転したり昇降したりするものがおすすめです。
自分で運転する場合は、運転補助装置があるかどうかもチェックしてください。
乗車人数によって、車両のサイズも重要な選定ポイントとなります。
レンタル費用を抑えたい場合は軽自動車を、ゆったり移動したい場合はミニバンやワゴンの利用がおすすめです。
介助が必要な方の状態や用途に合わせて、旅行先で適切な機能を有したレンタカーを選んでください。
車椅子のまま乗れる福祉車両については、以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。
参照:車椅子のまま乗れる福祉車両おすすめ13選!選び方や購入時の減免制度についても解説
4.福祉車両をレンタルする上での注意点
福祉車両をレンタルする場合、必ず使用できる機能の使い方などを確認してください。
もし使い方を理解せず使用すると、怪我などのリスクがあるので注意が必要です。
また、一般的なレンタカーと同様に事故や故障の際は、安全を確保して警察や救急、弊社などに連絡してください。
相手との示談や修理、修理の手配などは、必ずその場では実施してはなりません。
ほかにも、レンタル時には車椅子やストレッチャーのレンタルが可能かなど、自分が使用したい装備などが揃っているかもチェックしましょう。
5.全国展開する福祉車両のレンタカー会社8選!
5-1.トヨタレンタカー
トヨタレンタカーは、日本全国に1,100店舗以上存在しており、主要な駅の近くにあるレンタカー会社です。
最新のトヨタ車がレンタルでき、豊富なラインアップから好きな車種を選択可能です。
いつでも清潔な車両を提供しているので、清潔感にこだわりたい人にも向いています。
福祉車両も揃っており、以下のバリエーションがあります。
- 車椅子仕様車
- サイドリフトアップシート車
- 助手席リフトアップシート車
- 助手席回転スライドシート車
- サイドアクセス車
車椅子仕様の場合、車椅子に乗ったままスムーズに乗降できます。
また、リフトタイプとスロープタイプの2タイプある点も魅力的です。
障害者手帳を提示すれば、基本料金から10%オフとなるのでお得感もあります。
5-2.ニッポンレンタカー
ニッポンレンタカーは、各種キャンペーンが充実している点が魅力的なレンタカー会社です。
特に、ANAのマイルやdポイント、楽天ポイント、Tポイントから選定してポイントを獲得できる点が魅力的です。
また、利用ごとにレンタカーの清掃や除菌をしているため、安心して利用できるメリットもあります
ニッポンレンタカーでは、車椅子対応車両や乗降補助装置付きの福祉車両があります。
予約時には、利用地域の窓口まで電話にて予約しなければなりません。
ニッポンレンタカーは指定業者ではない関係上、介護保険の適用が不可能な点には注意してください。
ただし、身体障害者手帳や身体障害者手帳アプリ、療育手帳がある場合、福祉優待料金でレンタカーを利用できるので、忘れずに準備しましょう。
5-3.オリックスレンタカー
オリックスレンタカーでは、割引やオプション付き、車種指定、高級車を体験できるなどのキャンペーンを随時展開しています。
キャンペーンを利用すれば、お得にレンタカーを借りられるので便利です。
オリックスレンタカーでは、車椅子仕様車およびリフトアップシート車と回転スライドシート車およびサイドリフトアップシート車が用意されています。
軽自動車からコンパクトカー、ミニバン、ワゴンなどから選択でき、価格もお手頃です。
福祉車両の利用時は、取扱店舗 に直接電話で申し込む必要があります。
5-4.タイムズカーレンタル
タイムズカーレンタルは、ピッとGoと呼ばれる簡単にチェックインできるサービスが利用可能です。
また、スポーツカーのレンタルも可能であり、旅先で優雅にドライブを楽しみたい人にも向いています。
福祉車両としては、タントスローパーとN‐BOX+がラインナップしています。
身体障害者手帳や療育手帳を持っている方は、基本料金が非課税になるのでお得です。
福祉車両はWEB予約には対応していないので、予約は直接利用可能店舗へ電話しましょう。
参照:福祉車両の基本料金と取扱い車種|タイムズモビリティ株式会社
5-5.スカイレンタカー
スカイレンタカーは、送迎や乗り捨てなどのサービスがあるので、より自由に旅程を組みやすい人におすすめのレンタカー会社です。
また、付帯サービスとしてペット同乗も事前連絡により可能となっています。
スカイレンタカーでは、福祉車両レンタカー安心プランがあり、お得に福祉車両をレンタルしたい人におすすめです。
また、淡路島中央店や淡路島北店ではN-BOX+がレンタルでき、電動ウィンチ、スロープ付で軽自動車ながらも余裕を持って乗降可能です。
参照:「福祉車両」取り扱い始めました!|スカイモビリティサービス株式会社
5-6.カースタレンタカー
カースタレンタカーは、24時間いつでも出発できる楽のりスマートなど、独自のサービスが光るレンタカー会社です。
カースタレンタカー会員制度によって、使えば使うほどお得になる点も魅力的です。
福祉車両については、以下のクラスが用意されています。
- 軽自動車
- コンパクト
- セダン
- ステーションワゴン
- ミニバン
- ワゴン
カースレンタカーならではの特徴として、1時間からレンタル可能な点が挙げられます。
よって、近場に移動したい際にも気軽に利用できる点が魅力的です。
参照:キャンピングカー・福祉車両の紹介・料金表|株式会社エネクスライフサービス
5-7.イフレンタカー
イフレンタカーは、介護や福祉車両に関することや福祉車両のレンタルに特化しているレンタカー会社です。
福祉車両の保有台数は全国一位であり、バリエーションが豊富です。
軽自動車からワンボックス、ミニバン、入浴車両まで用意されています。
ハイエースについては、特別価格11,000円(税込)から利用できる点も魅力的です。
対応エリアは全国となっており、運転や操作の方法までしっかりと教えてもらえます。
さらに、自動車運転補助装置を装着できる点も評価できます。
5-8.バジェット・レンタカー
バジェット・レンタカーはアメリカで誕生したレンタカー会社です。
いまでは、オーストラリアやニュージーランド、ヨーロッパに拡大しており、日本も含めて120ヵ国、3,000店以上に事業展開しているのが特徴です。
バジェット・レンタカーでは、スロープが付いた福祉車両がメインとなります。
CKクラスでは、車内にゆったりとしたスペースがあるので余裕を持ったドライブを楽しめます。
さらに、バジェット・レンタカーではWEB上からの予約が可能で、10%オフで利用できる点が魅力的です。
参照:車種・料金/福祉車輌|株式会社イデックスオート・ジャパン
5-9.地域限定で福祉車両をレンタルできるところもあります
ここまで紹介したレンタカー会社以外でも、地域限定でサービスを提供しているレンタカー会社があります。
たとえば、愛知や福岡、大分に店舗がある介護レンタカーさくらでは、24時間4,800円(税込)で軽自動車タイプの福祉車両をレンタルできます。
また、一般社団法人 全国総合福祉車両協議会では「すべてはお客様の幸せのために」をスローガンに掲げて、福祉車両ビジネスを展開しています。
福祉車両レンタカー業者の紹介もしているので、ぜひ参考にしてください。
参照:福祉車両レンタカー|一般社団法人 全国総合福祉車両協議会
6.まとめ
多くのレンタカー会社では、福祉車両を取り扱っておりレンタルすることができます。
料金形態や利用できる付帯サービスはそれぞれ異なるため、自分に適切なレンタカー会社を選ぶのがおすすめです。
また、レンタカーを利用する際に必要なものは忘れずに準備しましょう。
ご自身でレンタカーを運転したい場合は、以下の記事もぜひ参考にしてください。