サービス/商品紹介 聴覚障害や耳の聞こえない人のための求人サービス「グラツナ(Gratuna)」とは?

聴覚障害や耳の聞こえない人のための求人サービス「グラツナ(Gratuna)」とは?

聴覚障害や耳の聞こえない人のための求人サービス「グラツナ(Gratuna)」のアイキャッチ

2017年「障害者の就業状況等に関する調査研究」の調査によると、身体障害者全体の離職率は、1年で40%にのぼるそうです。

参照:障害者の就業状況等に関する調査研究|高齢・障害・求職者雇用支援機構

その中でも、聴覚障害のある方は、周り人とのコミュニケーションがうまく取れず、働きづらいといった課題があります。 

そんな課題に当事者目線で向き合う求人サービスが2023年2月よりリリースされました。

今回は株式会社方角の“聴覚障害者のための求人サービス”「グラツナ(Gratuna)」を紹介します。

聴覚障害者やそのご家族、学校関係者など多くの方にサービスを知っていただき、就職活動に活かしてもらえると嬉しいです。

1.見た目ではわからない聴覚障害者の悩み

両手で顔を包み悩む女性

聴覚障害者の悩みの一つとして、見た目では理解してもらいにくいという点があるのではないでしょうか?

そのため周囲の理解を得られにくく、職場でもコミュニケーションの難しさから、能力を最大限発揮できないケースがあるそうです。

障害者職業総合センターによると、一般求人での聴覚障害者の離職率は約40%にのぼることが分かっています。

参照:障害者の就業状況等に関する調査研究|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター

当事者の配慮事項や共有すべき点を事前に企業が理解できるよう、生まれたのがGratunaです。

2.聴覚障害者のための求人サービス「グラツナ」ってなに?

グラツナは、聴覚障害者と雇用企業のマッチングサービスです。

これまでのように障害者と一括りにするのではなく、聴覚障害者専用の求人サイトで、コミュニケーション方法や配慮事項を具体的に掲載することができます。

そうすることで、求職者側は事前に理解ができ、就職後のすれ違いをなくすことができます。

また聴覚障害者が働きやすいように企業へ職場環境を提案したり、マッチング後のアフターサポートを実施したりと、就職者と企業の双方にとって不安のないように継続的なサポートも行うサービスです。

お互いを事前に知り、理解し合える環境のお手伝い。それがグラツナなのです。

参照:グラツナ(Gratuna)|株式会社方角


2-1.「グラツナ」のサービス名に込められた想い

グラツナ(Gratuna)は、英語で引力を表す「Gravity」と「つながる」を合わせて作られました。

株式会社方角の調査によると、これまでの障害者雇用では、働くことはできても、就職者のやりがいや仕事への興味は後回しにされる傾向があるそうです。

事前にお互いが知りたいことを明確に示すことで、企業と就職者が自ずと引き寄せられるように繋がる環境を作りたい。グラツナはそんな思いから始まりました。

2-2.「グラツナ」が注目されている理由

テーブルでミーティングをする人々

株式会社方角では「福祉にもっとデザインを」をコンセプトに、聴覚障害者のバリアをデザインで解決してきました。さらに聴覚障害のあるデザイナーも雇用しています。

実際に聴覚障害者の意見をもとに作られたグラツナの求人テンプレートには、3つの特徴があります。

1つ目はタグ機能です。「聴覚障害者が働いたことがある」「障害配慮あり」のように、当事者が知りたい情報をタグで確認できます。

2つ目は選考方法の表示です。どのようなコミュニケーション方法で選考が進んでいくのかが表示されます。

3つ目はグラツナポイントです。「聴覚障害者が何人いるか」「手話への取り組みはどのようなものか」など当事者が気になる情報を詳細に確認できるスペースがあります。

このように求職者と企業、双方にとって理解しやすい工夫がされています。

グラツナは、当事者に寄り添ったノウハウを持つ株式会社方角だからこそできるサービスなのです。

2-3.「グラツナ」を通して創る未来

最後に、株式会社方角の代表取締役の方山れいこさんに、グラツナを通して創る未来について伺いました。

駅の環境音を視覚化する装置「エキマトペ」のデザインをきっかけに、聴覚障害者と関わりを持つようになった方山さん。最初はコミュニケーション方法が分からず戸惑ったこともあるそうです。

しかし、エキマトペがSNSを中心に話題になったことで、福祉におけるデザインの可能性に気づいたといいます。

方山さんに、グラツナを通して作りたい未来を伺ったところ、次のように回答いただきました。

「聞こえなくても聞こえづらくても、自分が好きな業種や職種を当たり前のように選ぶことができる世の中を作りたい」

グラツナも方山さんにとって、雇用整備というデザインの一環です。今後はこうしたデザインが世の中全体に普及し、当たり前と感じることのできる未来を目指しているそうです。 

3.最後に

今回は聴覚障害者のための求人サービス「グラツナ」を紹介しました。

「働きたいけど自信がない」「周りに理解してもらえるか不安」

このような方におすすめの求人サービスです。興味を持たれた方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。

グラツナ(Gratuna)公式HP:https://gratuna.com/

株式会社方角公式HP:https://hogaku.co.jp/

Ayumiでは方山れいこさんについても取材させていただいています。株式会社方角が開発してきたデザインや、方山さんのこれまでをご紹介した記事こちら

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