サービス/商品紹介 障害の有無に関係なく楽しめる!全国のユニバーサルビーチ7選

障害の有無に関係なく楽しめる!全国のユニバーサルビーチ7選

ユニバーサルビーチ7選

今回は、全国のユニバーサルビーチについて紹介します。

梅雨も明け、暑い日が続くと「海へ行きたい!」という方も多いのではないでしょうか?

しかし、海には思いもよらない危険が多いため、障害の有無に関係なく海水浴などを楽しめるユニバーサルビーチを利用するのがおすすめです。

どんな方でもマリンアクティビティを体験できますので、海好きや旅行の予定を立てている方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.車椅子で海を楽しめるの?

海が見える車椅子専用スペースのある駐車場

「車椅子で海を楽しめるの?」「危険なアクティビティでは?」と思われる方もいるのではないでしょうか。

実は、水陸両用型の車椅子があります。

タイヤが大きく柔らかいので、走行が難しい砂浜でも自由に動くことができ、そのまま海の中に入ることができます。

車椅子を利用している障害者や高齢者なども、家族や友人と一緒に海を楽しむことができるのです。

しかし、こうした特殊な車椅子の導入コストや人手不足から、まだまだ安全に楽しめるユニバーサルビーチは多くありません。

そこで2022年に、特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトと日本財団が、ユニバーサルビーチを目指す上で必要なツールやマニュアルを支援する「日本全国ユニバーサルビーチ化計画」を発足させました。

日本には綺麗な海がたくさんあります。こうした自然を誰でも楽しむことができるよう、今ユニバーサルビーチが注目されています。

2.ユニバーサルビーチとは?

ユニバーサルビーチとは、誰でも安全かつ快適に楽しめるビーチを指します。

ビーチを利用するには車椅子の移動だけでなく、更衣室やバリアフリートイレの有無も重要になってきます。

特に車椅子利用者であれば、車椅子が入れるスペースの確保や、介助用ベッドの設置も必要です。

さらに、車椅子専用駐車場があれば、乗り降りがしやすくなり、快適に利用できます。

また、ライフセーバーが常駐し、緊急時に適切な対応ができることも、安全性を確保する上で大切なポイントです。

以前Ayumiでもご紹介した車椅子トラベラーの三代達也さんをはじめ、車椅子利用者がユニバーサルビーチを訪れている様子がわかる動画を紹介します。

施設の細かな部分に配慮が施されていたり、心のバリアフリーに溢れるビーチですので、ぜひご覧ください。

参照:Miyo Channel|【美々ビーチいとまん】首から下が全く動かない友人と海水浴してみた【ユニバーサルツーリズム】
参照:車椅子ウォーカー 織田友理子|車椅子ウォーカー バリアフリービーチ/ユニバーサルビーチ, 大洗サンビーチ海水浴場 ( 茨城県茨城群大洗町)障害者 車椅子
参照:車椅子ギャルさしみちゃん|【車椅子】砂浜用車椅子で海に挑戦してみた

参照:あなたの勇気ある一歩で自らの環境が変わる-車椅子トラベラー三代達也


3.全国のユニバーサルビーチ5選

3-1.兵庫(須磨)の須磨ビーチ

須磨海岸 願いの椰子の木

はじめに、先ほど紹介した特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトによって海開き期間にバリアフリー化される「須磨ユニバーサルビーチ」を紹介します。

マリンスポーツを気軽に楽しんでもらうために、車椅子でも波打ち際まで快適に行けるビーチマットや一緒に海水浴を楽しめる水陸両用型車椅子のヒッポキャンプ、さらにヒッポキャンプのまま乗れるユニバーサルメガSUPが用意されています。

また、障害者向けに、スーマくんハウスと呼ばれるバリアフリー トイレ・シャワー室に加えて、更衣スペース・更衣ベッドが完備されている施設があり、各所に便利な工夫が施されています。

さらに、身障者用駐車スペースとして第1駐⾞場に20台用意されているので、アクセスしやすい点も魅力的です。

2024年は、過去最多の144組456名が利用するなど、年々知名度を高めています。

2025年は7月10日〜8月24日の土日祝日、10時〜16時にユニバーサルビーチとしてオープンします。

利用する際には、事前に申し込みが必要なので忘れずに申し込みましょう。

参照:ユニバーサルビーチ2025


須磨ユニバーサルビーチプロジェクトは「『車椅子では海は楽しめない』という既成概念をぶち破りたい」という想のもと、日本全国にユニバーサルビーチを発信し、全国25都道府県42箇所(2025年7月時点)のビーチのユニバーサル化をサポートしてきました。

須磨ビーチはユニバーサルビーチの原点ともいえる場所です。 海を楽しむことを諦めている方はぜひ訪れていただきたいです。

参照:アイテムとアイデアで楽しむ|特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト


3-2.茨城(大洗)の大洗サンビーチ海水浴場

大洗サンビーチ海水浴場

次に紹介する「大洗サンビーチ海水浴場」は、広大な砂浜に覆われた遠浅の海水浴場です。海水浴場百選にも選ばれています。

「大洗サーフ・ライフ・セービングクラブ」の代表が、障害を持つこどもたちが海に入ることができない様子を見たことが、ユニバーサルビーチへと変わるきっかけになったとのことです。

大洗サンビーチ海水浴場には、障害者用の駐車場や更衣室、トイレ・シャワー室が設置されています。

また、ゴム製のタイヤに空気を入れた、乗り心地の良いランディーズという特殊な車椅子が無料で利用できます。

しかし、混雑時には砂浜のみの利用になることがあるためご注意ください。

また、初回の利用時には会員証を作成し、2回目以降は会員証の提示が必要となります。

2025年は7月19日〜8月17日が海開き期間です。

障害者と共に試行錯誤を重ねて作られたビーチで、砂浜と海を快適に楽しみましょう。

参照:大洗サンビーチ海水浴場


3-3.沖縄の豊崎美らSUNビーチ

豊崎美らSUNビーチ

「豊崎美らSUNビーチ」は、全長700mの沖縄県内最大の人工ビーチです。ハブやクラゲを防ぐネットやビーチ監視員も常駐しているので、安全に楽しめます。

チェアボードという水陸両用車椅子(有料)で、砂浜や海の中を自由に遊べます。

チェアボードは1回につき60分利用できます。 幼児には大人の付き添いが必要な場合があります。

その他にも、シーカヤックやバナナボート、シュノーケリングなどが体験できます。

車椅子専用トイレやシャワーを備えており、スロープを使用して車椅子に乗ったまま駐車場から砂浜への移動が可能です。

車椅子は無料で貸し出し対応しており、予約をすれば現地スタッフが移譲などのサポートを行ってくれます。

バリアフリートイレやシャワーはもちろん、申請すれば救護室も用意してもらえます。

夏休みの観光や旅行先に沖縄を考えている方は、ぜひ検討してみてください。

参照:豊崎美らSUNビーチ


3-4.長崎の三宇田浜海水浴場

三宇田浜

「三宇田浜海水浴場」は、「日本の渚・百選」の認定を受けた海水浴場です。

対馬は、希少な貝殻成分からなる天然白砂の浜と、太陽光を浴びてエメラルドグリーンに輝く海が観光客に好評です。

また、バリアフリー駐車スペースやバリアフリートイレ、おむつ交換台が用意してあります。

さらに、盲導犬の受け入れにも対応しているので、目が不自由な方でもビーチを散策できます。

海開き期間には、監視員がいるので安心して海水浴などの目的で利用できます。

参照:三宇田浜海水浴場


3-5.愛知の南知多町の海水浴場

内海海水浴場

愛知県の南知多町にある海水浴場「山海海水浴場」「内海海水浴場」「日間賀島サンセットビーチ」「篠島海水浴場」は、「南知多ユニバーサルビーチプロジェクト」が展開しています。

2025年は7月12日〜8月31日の10時〜16時の中で、予約が入った場合に開催されます。

日にちにより開催場所が異なるのでご注意ください。

開催時には、車椅子やベビーカーのまま砂浜を移動できるビーチマットや、水陸両用型車椅子ヒッポキャンプを利用することができます。

ユニバーサルビーチインストラクターがサポートしてくれるので、初めての海でもも安心です。

なお、ヒッポキャンプの利用は有料で、予約が必須です。

参照:車いすのまま海水浴in南知多町|一般社団法人南知多ユニバーサルプロジェクト

南知多ユニバーサルビーチプロジェクトは「できない」を「できた!」へ変えることをめざすプロジェクトで、ユニバーサルビーチの他にもユニバーサルツーリズムを体験できる様々なイベントが企画されています。

また、全国でユニバーサルビーチを体験していただくために、ビーチマットの貸し出しも行っているので、興味を持った方はぜひお問い合わせください。

参照:一般社団法人南知多ユニバーサルビーチプロジェクト


3-6.神奈川の御幸(小田原)の浜海水浴場

神奈川県小田原市御幸にある「御幸の浜海水浴場」は、伊豆半島や三浦・房総半島を見渡すことができる絶景で知られています。

海の家やバーベキュー設備なども充実しており、海水浴以外にレジャー目的で利用する人も多いです。

小田原駅から徒歩20分と比較的近く、小田原駅から歩いてアクセスする人も少なくありません。

御幸の浜海水浴場には駐車場がなく、車で訪問する際は有料駐車場を利用する必要があります。

2022年8月、神奈川県西エリアでは初めてのバリアフリービーチが御幸の浜海水浴場で開催されました。

このイベントは、ODAWARAバリアフリービーチ実行委員会が主催し、神奈川県西地区リハビリテーション協議会なども開催に協力していました。 いまでは毎年の恒例行事となっています。

イベント当日は砂浜にマットが敷かれ、車椅子やベビーカーでも海にアクセスしやすく、誰でも安心して海水浴を楽しめる工夫がされています。

特に人気が高いのが、水に入っても浮く特殊な車椅子であるモビチェアを、ボランティアの協力を得て沖へと泳ぎ進める体験です。

これまで、海に入ることを諦めていた障害者であっても、海水の温度や感触、波に揺られる感覚を楽しめると好評です。

参照:御幸の浜|一般社団法人 小田原市観光協会


3-7.静岡の下田市の外浦海水浴場

静岡県下田市の外浦海水浴場は、入り江にある海水浴場100選に選ばれた静かなビーチです。

透明度が高く遠浅で、波も穏やかなので、お子様連れの家族や女性に人気があります。

外浦海水浴場は入り江のような形状になっているため、風が強く吹いて一般的な海水浴場では遊泳注意となる日でも、波が落ち着いていて遊泳できる場合が多いです。

さらに、浅瀬のエリアが広いので、こどもが波にのまれるリスクが低い点も魅力です。

参照:外浦海水浴場|下田市


下田市では、下田市ユニバーサルビーチプロジェクトを展開しています。

下田市ユニバーサルビーチプロジェクトでは、「下田ユニバーサルビーチ体験会in外浦海水浴場」として水陸両用の車椅子の使い方などを紹介したり体験したりできる、体験会が開催されています。

2025年は、7月9日の午前中にユニバーサルビーチの講習会を行いました。また、7月、8月はビーチマットの設置と水陸両用車椅子を用いたユニバーサルビーチ体験会を行います。

過去開催された「下田ユニバーサルビーチin外浦海水浴場」では、車椅子でも海岸に降りられて、海まで進むことができることに感動したなどの声が寄せられています。

参照:下田市ユニバーサルビーチプロジェクト|下田市


4.​​車椅子で海をより楽しむためのポイント

4-1.海で遊べるマリンスポーツやイベントがあるかを確認しよう!

海に入った次はマリンスポーツも楽しみましょう。

須磨ビーチのユニバーサルメガSUPのように、観光地によっては車椅子でも楽しめる様々なイベントが用意されています

下記動画では、車椅子トラベラーの三代達也さんがダイビングを楽しむ様子を発信されています。

参照:Miyo Channel|【沖縄でダイビングしたい方へ】全て見せます!障害者ダイビング体験の全貌とその魅力とは?【青の洞窟】

また、奄美大島南部を快適に楽しむための宿泊施設を提供しているゼログラヴィティでは、スノーケリングやクリアカヤック、ウェイクボードなどを、ガイドが同行したうえで楽しめるツアーが提供されています。

参照:奄美大島 ゼログラヴィティ「清水ヴィラ」|一般社団法人ゼログラヴィティ


Ayumiでは、車椅子で楽しめるバリアフリーなマリンスポーツも紹介していますので、ぜひご覧ください。

参照:障害者でも楽しめるバリアフリーなマリンスポーツ・ビーチ・海のレジャーを紹介

イベント情報は各ビーチのホームページで随時発信されていますので、お見逃しのないようご注意ください。



4-2.2023年から毎年沖縄で開催されている「ゆいまーるビーチフェス」

沖縄県南城市にあるあざまサンサンビーチは、全国初のユニバーサルデザインビーチとして知られています。

2000年4月にオープンした人工ビーチで、海の透明度が高く、白い砂浜が長く続き、遊泳エリアも広い特徴があります。

そのあざまサンサンビーチで、2023年から毎年開催されているのが「ゆいまーるビーチフェス」です。

ゆいまーるとは、沖縄の方言で「助け合い」という意味です。その名の通り、障害者に寄り添ったイベントとして知られており、サポーター学生とマリンスタッフ、そして障害者と高齢者が一丸となって、マリンスポーツや障害者スポーツなどを楽しめます。

さらに、2024年には、沖リハ運動会が開催され、沖縄リハビリテーション福祉学院の生徒が考案した参加者全員が楽しめるゲームが行われました。

他にも、防波堤ギリギリに設置された巨大ブランコがあり、海の上を飛んでいるような迫力ある体験ができます

あざまサンサンビーチには、普段からモビマットと呼ばれる、砂浜や土の上を安全に車椅子で移動できるように設計された特殊なマットがあり、車椅子利用者にとって優しいビーチです。

参照:あざまサンサンビーチ

参照:ゆいまーるビーチフェス


4-3.日本最大規模!パラサーフィン体験ができる「静波パラサーフィンフェスタ」

障害者がサーフィンの腕を競うパラサーフィンは、障害の種類や程度に応じて細かくクラス分けされており、それぞれのクラスごとにサーフィンを楽しめます。

まだパラサーフィンをしたことがない障害者には、「静波パラサーフィンフェスタ」がおすすめです。

静波パラサーフィンフェスタは、「今ある物事にユニバーサルな価値を付加する」をテーマに静岡県牧之原市の静波サーフスタジアムで2022年7月に第1回が開催されました。参加者に対してアンケートを実施した結果、また参加したいと回答した人が100%、大会満足度が91%と非常に満足度の高いイベントです。

静波パラサーフィンフェスタでは、パラサーフィン体験会、そして海外の選手が参加するパラサーフィンの国際大会「JAPAN OPEN」が開催されています。

パラサーフィン体験会では、パラサーファーから直接指導を受けられるとあって、多くの方が参加しています。

2025年は5月31日と6月1日の2日間開催され、「N’sマルシェin静波パラサーフィンフェスタ2025」も同時開催されました。

N’sマルシェの楽しい仲間を筆頭に、牧之原周辺の素敵なショップがたくさん出店するなど、大盛り上がりでした。

参照:静波パラサーフィンフェスタ


4-4.熱中症対策・体温管理対策をしよう!

ビーチが賑わう夏は熱中症の危険があります。障害によっては体温調節が難しいこともあり、より気をつけなければなりません。

また車椅子は座面と体が常に接していることから、熱が逃げにくく背中が蒸れるといった問題もあります。

熱中症の対策は下記の記事を参考にしてください。

参照:【体温調整が難しい方へ】夏こそ気をつけて!今からできる熱中症対策方法とは?


また、安全管理されている場所であっても気を遣いながら移動していると、体力を消費しやすいのでこまめに休憩することも重要です。

ユニバーサルビーチを楽しむにも、体調管理には十分に注意しましょう。

5.まとめ

今回は、全国のユニバーサルビーチを紹介しました。海辺で景色を見るも良し、ランディーズなどの道具でアクティブに楽しむも良しです。

また、「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」では全国へ出張ユニバーサルビーチを行っています。

「南知多ユニバーサルプロジェクト」はビーチマットの貸し出しが可能です。近くにユニバーサルビーチがない場合は、これらの利用もおすすめです。

熱中症や体温管理の対策も行った上で、ぜひユニバーサルビーチで海水浴を楽しんでみてください。

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