日本屈指のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパン。国内だけでなく海外からもたくさんの観光客が訪れています。
実は、車椅子利用者や障害者も同じように楽しめるような工夫がされていることを知っていますか?
今回は車椅子利用者や障害者の方に向けて、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのバリアフリーな情報を紹介します。家族や友人と訪れる際に参考にしていただけると嬉しいです。
目次
1.車椅子でも乗れるユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション情報

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの魅力といえば、世界的人気作品であるハリーポッターやスパイダーマン、マリオシリーズなどを題材にした、まるで映画やゲームの中に飛び込んだような感覚を味わえるアトラクションは欠かせません。
しかし「車椅子や電動車椅子ではアトラクションを楽しめない」と思われている方も多いのではないでしょうか?
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションは、車椅子のまま利用できるもの、車椅子では利用できないもの、指定の座席へ乗り換えが必要なものの大きく3つに分類されます。
車椅子のまま利用できるアトラクションは以下の通りです。
・シング・オン・ツアー
引用元:車イス・電動車イスでご利用できるアトラクション|車イス、電動車イスをご利用の方へ|合同会社ユー・エス・ジェイ
・ユニバーサル・スペクタクル・ナイトパレード ~ベスト・オブ・ハリウッド~
・プレイング・ウィズおさるのジョージ™
・シュレック 4-D アドベンチャー
・セサミストリート 4-D ムービーマジック™
・ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー
・ターミネーター 2:3-D®
・ウォーターワールド
・ハローキティのリボン・コレクション
その他、車椅子で利用可能なものの付き添い者や指定の車椅子への乗り換えが必要なアトラクションもあるので、公式サイトをご確認ください。
2.ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで快適に車椅子を利用するためのポイント
2-1.車椅子専用の駐車場スペースはあるの?
お車の方でも安心して利用できます。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、車椅子利用者や乗降車に広いスペースを必要とする障害者へ向けて、駐車スペース(障がい者ゲスト用区画)が用意されています。
パーキングのトールプラザ(料金所)にて障害者手帳を提示すると、専用区画へ案内してもらえ利用が可能です。なお、駐車料金は障害者手帳の割引対象ではないのでご注意ください。
2-2.車椅子利用者も使えるバリアフリー対応トイレの情報
パーク内のトイレは全て車椅子で利用が可能です。トイレには便器横に可動式手すりも設置してあります。
また、可動式介護ベッドやオストメイト対応トイレも用意されています。しかし、可動式介護ベッドが設置されているトイレは3カ所、オストメイト対応トイレは1カ所のみとなっているので、ライダーズガイドから場所をご確認ください。
先ほど紹介したトールプラザにも、車椅子で利用できるトイレがありますので、こちらもご利用ください。
2-3.車椅子レンタルの場所と値段
障害者や歩行が困難な方は車椅子をレンタルできます。
エントランスに入って右側にある「車イス・ベビーカーレンタル」にて、1台500円で借りることができます。サイズ(約)は、前後100cm×床からシートまでの高さ44cm×幅64cmであり、一般的な介助用車椅子と近い印象です。
参照:車イス、電動車イスをご利用の方へ|合同会社ユー・エス・ジェイ
レンタルの予約はできず、台数にも限りがあるのでご注意ください。
2-4.ベビーカー・バギーを車椅子として使用しても大丈夫?

車椅子同様にベビーカー(1人用)も1台1,100円で借りることができます。生後1ヶ月から48ヶ月までの子供が対象になっており、こちらも台数に限りがあるため、注意が必要です。
参照:車イス、電動車イスをご利用の方へ|合同会社ユー・エス・ジェイ
また、ベビーカーやバギーを車椅子として使用することができます。専用のタグを受け取ることで、ショーやアトラクションで車椅子と同じように利用が可能です。
タグは、各アトラクションの入り口、ゲストサービス、ベビーカー車イスレンタルで配布しています。
2-5.障害者割引について
障害者手帳をお持ちの方は「障がい者向け割引スタジオ・パス」を購入することができます。
手帳を持つ本人と同伴者1名に限り割引価格で購入でき、購入時には障害者手帳の原本もしくはデジタル障害者手帳「ミライロID」の画面の提示が必要です。
ミライロIDについては別の記事で紹介しているので、こちらからご覧ください。
適用される障害者手帳等は以下の通りです。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳(愛護手帳、愛の手帳)
- 精神障がい者保健福祉手帳
- 被爆者手帳(被爆者健康手帳)
- 戦傷病者手帳
これらの提示によって、大人4,700円、子ども3,200円で購入が可能です。障がい者向け割引スタジオパスにはシニア料金はありませんので、65歳以上の方も大人料金での購入となります。
2-6.救護室も紹介!
パーク内で万が一体調が悪くなった場合は、エントランスの右手に位置するファーストエイド(救護室)に向かいましょう。
怪我や気分が悪くなった方に対して、常駐する医療従事者が対応を行なってくれます。
また、障害者用のオムツ交換室があり、可動式ベッドも3床用意されているので、周りの方に気を使うことなく、ゆっくりと安心して利用できます。
3.ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのバリアフリーな配慮を徹底解説
3-1.ゲストサポート・パスとは?
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは連日たくさんの方が訪れるため、アトラクションには長蛇の列ができることがあります。
しかし、車椅子利用者や障害者の中には、長時間列に並ぶことが困難な方もいます。そうした方へ向けたバリアフリーな取り組みが「ゲストサポート・パス」です。
ゲストサポート・パスとは、障害者手帳を持ち、列に並んで待つことが困難な方と、付き添い(上限6名)に対して、別の場所で待機できるシステムです。
適用される障害者手帳については、先ほど紹介した通りです。加えて、利用希望者全員のスタジオ・パスを提示することで発行が可能になります。
発行は、パーク内にあるゲストサービスと各アトラクションのエントランスで行っていますが、利用される際は利用希望者全員で申し込む必要があります。
ゲストサポート・パスは、別の場所で待機するもので、入場時間を優先するものではありません。さらに、ゲストサポート・パスを利用している間は他のアトラクションは利用できないので、ご注意ください。
また「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー™」と「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ™」はゲストサポート・パス対象外ですので、利用される場合は通常通り列に並ぶ必要があります。
参照:ゲストサポート・パス |サービスについて|合同会社ユー・エス・ジェイ
3-2.ライド リストリクションズカードとは?
アトラクションでは装飾品の着用が制限されているものがあります。
しかし、病気や宗教上の都合により、帽子やウィッグを外すことが難しい方には「ライド リストリクションズカード」を発行しています。
これにより、装飾品の着用が制限されているアトラクションも利用ができ、様々な事情を抱える方も共に楽しむことできるよう、バリアフリーな工夫がされています。
ライド リストリクションズカードを発行しているのは以下の場所です。
- ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド
- ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップ~
- スペース・ファンタジー・ザ・ライド
- ザ・フライング・ダイナソー
- ジュラシック・パーク・ザ・ライド
- フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ™
参照:ライド リストリクションズカード|サービスについて|合同会社ユー・エス・ジェイ
3-3.視覚障害者へのサポートサービス

バリアフリーなサービスは車椅子利用者向けだけではありません。様々な障害に応じてサポートが用意されています。
視覚障害者向けには、点字マップが用意されており、アトラクションやレストランといった施設の場所が記されています。また、事前に必要な方は、インフォメーションセンターに問い合わせることで自宅まで届けてもらえます。
さらにパーク内にも触地図が設置されてあり、初めて訪れる場所でも安心できるような工夫がされています。
また、サポートシールを付けておくことで、サポートが必要な意思表示になり、クルーから積極的に声をかけられるようになります。シールはゲストサービスで受け取れるので、必要とされる方は、ぜひ使ってみてください。
参照:サポートシール|サービスについて|合同会社ユー・エス・ジェイ
3-4.聴覚障害者へのサポートサービス
次に聴覚障害者へのサポートを紹介します。
アトラクションでは、原作さながらのセリフが飛び交い、ストーリーを味わえることも魅力の一つではないでしょうか?
聴覚障害者も同様に楽しめるよう字幕表示メガネが用意されています。字幕が出ることで、音が聞こえなくても、友人と一緒にアトラクションの世界観を共有することができます。
字幕表示メガネは、「セサミストリート 4-D ムービーマジック」と「シュレック 4-D アドベンチャー」で利用が可能です。
希望される方は、上記アトラクションの入口でクルーにお声がけください。
また先ほど紹介したサポートシールは聴覚障害者用も用意されており、付けることによって、コミュニケーションの配慮をスムーズに受けやすくなります。
3-5.盲導犬・介助犬・聴導犬同伴の方へのサービス

様々な障害の方にとって、アシスティング・ドッグ(盲導犬、介助犬、聴導犬)は必要不可欠な存在です。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、パーク内全てのレストランやショップをアシスティング・ドッグと共に入店が可能です。またアシスティング・ドッグのトイレも用意してあるので、お近くのクルーに場所をお尋ねください。
しかし、アトラクションの一部はアシスティング・ドッグの同伴ができないものがあります。その場合は、本人が利用している間待機できる場所が用意されているので、ご安心ください。
利用できるアトラクションは以下の通りです。
・シング・オン・ツアー
引用元:アシスティング・ドッグが利用できるアトラクション|アシスティング・ドッグをお連れの方へ|合同会社ユー・エス・ジェイ
・ユニバーサル・スペクタクル・ナイトパレード ~ベスト・オブ・ハリウッド~
・プレイング・ウィズおさるのジョージ™
・セサミストリート 4-D ムービーマジック™
・シュレック 4-D アドベンチャー
・ターミネーター 2:3-D®
・バックドラフト
・ウォーターワールド
・ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー
・ハローキティのリボン・コレクション
・ビッグバードのビッグトップ・サーカス
「ホグワーツ™・キャッスルウォーク」もアシスティング・ドッグを利用できますが、爆発などアシスティング・ドッグが驚いてしまう演出があるため、アトラクションの入り口で注意事項の確認が必要になります。
4.実際に車椅子でユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行った人たちの声
実際に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを車椅子で訪れた方の声を探してみたところ、Twitterではこのような投稿がありました。
クレイジーツアー2日目❤️
— やはた愛❤️大阪 (@aiainstein) July 5, 2019
車椅子USJ♿️大変だったでしょ?って言われるけど、むしろみんなに「愛、お酒抜けてきたでしょ?大丈夫?」って心配されるわたしの方が大変で差し障りあったよ❤️🍺笑
USJはアトラクションもバリアフリーいっぱいで想像以上に楽しかった⭐️ pic.twitter.com/AjWSSWeW5E
#USJ #車椅子
— トットちゃん (@mi_kazuki_c) November 29, 2021
先日USJに行ってきました!
車椅子貸し出し駐車場のとこからお願いして、車まで持ってきてくれた^_^
入口ゲートくぐって受付で500円払う事はしょうがないとして。キャストの人がよく手を振ってくれてました。
USJハロウィン、人混み嫌いな人はまずやめたほうがいいかも。
— 車椅子トラベラーみよっち@沖縄移住(2021年3月〜) (@saitoumokichi) November 1, 2019
でも、それ以外の人は絶対行くべきかも。
チャッキーとバイオハザードは車椅子関係なく普通に襲ってきて恐怖です。 pic.twitter.com/cGegjHTEJX
また車椅子インフルエンサーの葦原みゅうさんのYouTubeでは、実際にアトラクションを体験している様子を見ることができるので、ぜひご覧ください。
5.ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの車椅子利用の注意点
最後に、車椅子で楽しむ際の注意点を紹介します。
まずは天候です。パーク内の移動は屋外が中心なため、雨天の際は注意が必要です。
またアトラクションは緊急時の避難を考え、精神的・身体的に健康な中学生以上の付き添い者が必要な場合があり、お一人では利用できないこともあります。
他にも不安に思ったことがあれば、インフォメーションセンターに事前にお問い合わせされることをおすすめします。
6.最後に
今回はユニバーサル・スタジオ・ジャパンのバリアフリー情報について紹介しました。
誰もが圧倒的な世界観を共有できるよう、物理的なものからソフト面に至るまで様々な工夫をされていることがわかりました。
当記事が車椅子利用者にとってテーマパークを身近に感じてもらえるきっかけになれば嬉しい限りです。