画像元:ⓒDisney
夢の国とも呼ばれている東京ディズニーランドや東京ディズニーシーは、老若男女に人気のスポットです。
アトラクションが中心のスポットですが、車椅子の方でも楽しめる点が魅力的です。
今回は、日本最大級のテーマパークである東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのバリアフリー情報をお届けします。
車椅子で訪れる方にはぜひ参考にして頂きたい内容になっていますので、最後までご覧ください。
目次
1.車椅子で東京ディズニーランド・東京ディズニーシーは楽しめる?
東京ディズニーリゾートのコンセプトは「ファミリー・エンターテイメント」です。
世代を問わず一緒に楽しむことができる空間が、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの基本理念となっています。
では、車椅子でテーマパークは楽しめるのでしょうか?
筆者は調査するまで、東京ディズニーランド・東京ディズニーシー は家族や友人と訪れても、車椅子利用者はアトラクションに乗らずに見ていることしかできないと思っていました。
しかし、実際に調べてみると、バリアフリー情報がたくさんあり、車椅子利用者だけでなく、障害者や妊婦さん、高齢者にとっても優しい施設であることがわかりました。
まさに、コンセプトを体現したユニバーサルデザインのテーマパークです。
次の章から、車椅子で楽しめる理由や、具体的な楽しみ方を紹介していきます。
2.東京ディズニーランド・東京ディズニーシーへ行くことを諦めなくて良い!
東京ディズニーリゾートのインフォメーションブックには、通常のガイドマップとは別に、体の不自由な人に向けて必要な情報が掲載されています。
車椅子で広々と使えるオストメイト付きのトイレやエレベーターなどの情報はもちろん、障害別に利用できるアトラクションも把握することができます。
インフォメーションブックは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのホームページからダウンロードが可能です。
また車椅子利用者だけでなく、聴覚障害者や視覚障害者も楽しめるように、ディズニーハンディーガイドの貸し出しを行っています。
聴覚障害の方にはアトラクションのセリフに合わせて字幕を表示し、視覚障害者には音声ガイドが再生され、バリアを感じさせないよう工夫がされています。
他にも様々な取り組みがありますので、気になった方はご自身のお身体に合わせたサービスを確認してみてください。
参照:パークでの負担を軽減するためのサービス|東京ディズニーリゾート
3.東京ディズニーランド・東京ディズニーシーが車椅子利用者や障害者へ行っているサービス
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、有料で車椅子の貸し出しを行っています。
通常の車椅子だけでなく、坂道でも介助しやすい介助用電動車椅子や電動カート、ベビーカーも用意されています。
車椅子もディズニー仕様のデザインになっているので、ぜひチェックしてみてください。
また、人気のアトラクションは搭乗するまでの待機時間が長くなることもあります。
身体への負担を考えると、長時間列に並ぶことが難しく、楽しみなアトラクションを諦めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、障害者手帳があれば、ディスアビリティアクセスサービスが利用できます。
ディスアビリティアクセスサービスとは、本人を含めたグループ全員がアトラクションの順番が来るまで、列に並ぶことなく他の場所で待つことができるサービスです。
ディスアビリティアクセスサービスを活用すれば、身体の負担を最小限に楽しむことができる可能性があります。
ただし、登録後はそのアトラクションの体験が終わるまでは次の登録はできませんのでご注意ください。
このように、常にお客様視点でのサービス提供が考えられていて、誰もが楽しめるようソフト面のバリアフリーにも対応しているのです。
他にも、障害者手帳によるチケットの障害者割引サービスを利用できる点も魅力的です。
障害者手帳を提示することで、パークチケットを割引料金で対象の証明書をお持ちの方だけでなく、同伴者1名に限って障害者割引で購入できます。
販売場所はオンライン予約サイトだけでなく、宿泊者向けにディズニーホテルや東京ディズニーリゾート・ウェルカムセンターでも販売されています。
障害者割引を適用するためには、証明書原本または障害者手帳アプリが必要となるので忘れずに準備してください。
障害者割引については、以下の記事でも詳しく解説しています。
参照:車椅子利用者が東京ディズニーランドをアトラクション以外も楽しむ方法
参照:車椅子利用者も東京ディズニーシーのアトラクション以外でも思いっきり楽しめる!
4.車椅子利用者はどんなアトラクションに乗れる?
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーには、車椅子のまま楽しめるアトラクションがたくさん用意されています。
それぞれキャストの方がお手伝いしてくださるので、安心して楽しむことができるでしょう。
ここでは、筆者が特におすすめしたいアトラクションを紹介します。
まずは「トイ・ストーリー・マニア!」です。
映画さながらのおもちゃの世界で、シューティングゲームが楽しめます。
車椅子利用者は、スロープ付きの専用の乗り物に車椅子ごと乗車します。
また、通常は紐を引っ張ることでゲーム内の狙撃ができますが、上肢に障害がある方に向けて、ボタンを押して遊べるよう工夫されているのです。
次におすすめしたいのは「ジャスミンのフライングカーペット」で、こちらも車椅子のまま利用できます。
『アラジン』の空飛ぶ絨毯のような動きで、乗り物が上下に動き開放感を感じられるアトラクションです。
車椅子ユーザーはジェットコースターが利用できないケースが多々あり、このような空中に浮かぶ体験ができるアトラクションは少ないのではないでしょうか。
魔法のような体験をしてみたい方は、ぜひ乗ってみることをおすすめします。
4-1.車椅子利用者も楽しめるアトラクション一覧
4-1-1.東京ディズニーシーで楽しめるアトラクション
【車椅子のまま同伴者なしで利用可】
・タートル・トーク
・ドックサイドステージ
・ブロードウェイ・ミュージックシアター
・ヴィレッジ・グリーティングプレイス
・ハンガーステージ
・“サルードス・アミーゴス!”グリーティングドック
・ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル
・マジックランプシアター
・マーメイドラグーンシアター
・アリエルのグリーティンググロット
・アリエルのプレイグラウンド ※1
【一部を除いて車椅子のまま利用可 ※同伴者必要】
・ディズニーシー・ トランジットスチーマーライン
・ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ
・キャラバンカルーセル(1階) ※4
・フォートレス・ エクスプロレーション ※1
・トイ・ストーリー・マニア! ※2※4
・ジャスミンのフライングカーペット ※3※4
【車椅子からビークルへの移乗が必要 ※同伴者必要】
・ソアリン:ファンタスティック・フライト ※4
・アクアトピア ※4
・ニモ&フレンズ・シーライダー ※4
・ジャンピン・ジェリーフィッシュ ※4
・フランダーのフライングフィッシュコースター ※4
・ブローフィッシュ・ バルーンレース
・ワールプール
【専用の車椅子へ乗り換えが必要 ※同伴者必要】
・シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ
※1:歩行および階段昇降が困難な方は、一部利用できない施設あり
※2:安全のため、専用車椅子に乗り換える場合あり
※3:電動車椅子や規定の寸法(幅67.5cm、長さ102cm)より大きな車椅子は、専用車椅子に乗り換える必要あり
※4:乗り物に乗って1人で安定した姿勢を保つのが難しい方は利用ができない
【読者の皆様のご意見をお聞かせいただきたく、アンケートへのご協力をお願いします】
4-1-2.東京ディズニーランドで楽しめるアトラクション
【車椅子のまま同伴者なしで利用可】
・ペニーアーケード
・魅惑のチキルーム:スティッチ・プレゼンツ“アロハ・エ・コモ・マイ!“
・シアターオリーンズ
・ウエスタンランド・シューティングギャラリー
・カントリーベア・シアター
・プラザパビリオン・バンドスタンド
・ウッドチャック・グリーティングトレイル
・シンデレラのフェアリーテイル・ホール
・ミッキーのフィルハーマジック
・ファンタジーランド・フォレストシアター
・グーフィーのペイント&プレイハウス
・トゥーンパーク
・ミニーの家
・ミッキーの家とミート・ミッキー
・ミニーのスタイルスタジオ
・スティッチ・エンカウンター
・ショーベース
【一部を除いて車椅子のまま利用可 ※同伴者必要】
・蒸気船マークトウェイン号(1階)
・トムソーヤ島いかだ ※1
・ドナルドのボート(1階)
【車椅子からビークルへの移乗が必要 ※同伴者必要】
・カリブの海賊 ※2
・ビーバーブラザーズのカヌー探険 ※2
・アリスのティーパーティー
・イッツ・ア・スモールワールド
・キャッスルカルーセル ※2
・白雪姫と七人のこびと ※2
・空飛ぶダンボ ※2
・美女と野獣 “魔法のものがたり” ※2
・ピノキオの冒険旅行 ※2
・プーさんのハニーハント ※2
・ホーンテッドマンション
・スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー ※2
・バズ・ライトイヤーのアストロブラスター ※2
・ベイマックスのハッピーライド ※2
・モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”
【専用の車椅子へ乗り換えが必要 ※同伴者必要】
・ウエスタンリバー鉄道
※1:歩行および階段昇降が困難な方は、一部利用できない施設あり
※2:乗り物に乗って1人で安定した姿勢を保つのが難しい方は利用ができない
4-1-3.新エリア「ファンタジースプリングス」で楽しめるアトラクション
2024年6月6日に開業した東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」にも車椅子で楽しめるアトラクションがあります。
【一部を除いて車椅子のまま利用可 ※同伴者必要】
・ラプンツェルのランタンフェスティバル
※電動車椅子や規定の寸法(幅67.5cm、長さ102cm)より大きな車椅子は、専用車椅子に乗り換える必要あり
【車椅子からビークルへの移乗が必要 ※同伴者必要】
・ピーターパンのネバーランドアドベンチャー
・アナとエルサのフローズンジャーニー
※いずれも乗り物に乗って1人で安定した姿勢を保つのが難しい方は利用ができない
なお、ファンタジースプリングス内のすべてのアトラクションにおいて、車椅子のまま列に並ぶことが可能です。
参照:ファンタジースプリングス|よくあるご質問|東京ディズニーリゾート
4-2.どんな楽しみ方があるの?
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの楽しみ方は、アトラクションだけではありません。
その一つが、圧倒的な世界観を音楽や光で彩るショー、パレードです。
車椅子専用の座席もあり、人気キャラクター達を間近で見ることができます。
種類によっては、迫力ある音やダンスも楽しめます。
また、パーク内での食事も楽しみのひとつです。
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでしか食べられないものがたくさんあり、本格料理からインスタ映えしそうなものまで、様々なメニューが用意されています。
そして、詳しく調べてみると、食事の面でもバリアフリーを見つけました。
なんと、お店によってはアレルギー対応や食事形態の変更も可能です。
外出先でも、他の人と同じものを一緒に食べ、楽しい時間を送ることができます。
4-3.車椅子利用者が利用しづらいアトラクション一覧
残念ながら、車椅子利用者が利用しづらいアトラクションもあります。
緊急時以外にも、車椅子から降りて短い距離の歩行が必要なアトラクション、その中に自力での歩行が必要なアトラクションがあるため、注意が必要です。歩行の距離はアトラクションごとに異なるため、ご不安な方はキャストへ確認することをおすすめします。
4-3-1.東京ディズニーシーで利用しづらいアトラクション
【車椅子から降りて短い距離の歩行が必要】
・ヴェネツィアン・ゴンドラ
・タワー・オブ・テラー ※1
・ビッグシティ・ヴィークル
・インディ・ジョーンズⓇ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮
・レイジングスピリッツ
・スカットルのスクーター
・海底2万マイル ※1
・センター・オブ・ジ・アース
※1 自力歩行が必要
4-3-2.東京ディズニーランドで利用しづらいアトラクション
【車椅子から降りて短い距離の歩行が必要】
・オムニバス
・ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション
・ビッグサンダー・マウンテン
・スプラッシュ・マウンテン
・ピーターパン空の旅 ※1
・ガジェットのゴーコースター
・ロジャーラビットの カートゥーンスピン
・スペース・マウンテン
※1 自力歩行が必要
5.車椅子で東京ディズニーランド・東京ディズニーシーに行く時の注意点や確認したいこと
ここまで、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの魅力について紹介してきました。次は、訪れる前に確認しておきたいことについて紹介します。
その一つが、先ほど紹介した車椅子の貸し出しサービスです。
こちらは事前予約ができず、当日の状況によっては利用できない場合があります。
また、車椅子利用者にとって悪天候は最大の難関とも言えます。悪天候の際は、電動車椅子の貸し出しは行っていないようなのでご注意ください。
ホームページのバリアフリー情報の他に確認したい点があれば、事前に問い合わせをすることも可能です。
快適に楽しむためにも、不安なことがあれば一度相談してみても良いかもしれません。
6.車椅子で東京ディズニーランド・東京ディズニーシーに行った人たちの声
東京ディズニーランド・シーに車椅子で訪れた当事者の声を聞くため、X(旧Twitter)で検索をしてみたところ、いくつかの声を発見することができました。
設備面でのバリアフリーだけでなく、キャストさんの丁寧な対応に感動しているポストも多く見られました。
近くにいるキャストさんに質問をすると、アトラクションの揺れ具合や緊急時の避難方法などについても詳しく説明してくださるそうです。
さらに、YouTubeでは車椅子インフルエンサーの方がアトラクションを楽しんでいる様子を映像で見ることができますので、当記事と併せてご覧ください。
冒頭にも書いたように、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのバリアフリー状況について本格的に調査をするまでは、こんなにも楽しめるテーマパークだとは筆者も知りませんでした。
そして、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでも障害者手帳アプリ「ミライロID」が利用できます。
ミライロIDの利用方法などが知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参照:【2024年最新】障害者手帳アプリ「ミライロID」の使い方・メリット・評判など徹底紹介!
最後に、車椅子と医療従事者が一緒に東京ディズニーランド・東京ディズニーシーなどのテーマパークに行き、障害があっても外出を楽しめるように活動をしている団体が「AOi」です。
AOiのコンセプトは「友達作りが最強のバリアフリー」。 障害者と医療介護専門家が交わることで、新たな出会いのきっかけとお互いにとっての学びの時間にもなると好評です。
今回の記事を通じて、さらに当事者の感想の声が増え、楽しめる人が増えていくことを願っています。
7.まとめ
今回は、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのバリアフリー状況について紹介しました。
みんなが一緒に楽しめるコンセプトを忠実に守り、全ての人を楽しませようとする努力をさまざまな箇所から感じました。
皆さんも、ぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。その際は、ぜひ感想を教えてください。
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを楽しんだあとのことを想定したホテル探しも大切ですよね。
費用を抑えつつバリアフリー対策がされているホテルに泊まりたいと考えている方は、バリアフリー対策が充実している東横INNのハートフルルームもおすすめです。
以下の記事をご覧いただき、より快適な時間を過ごせることを願っています。