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障害年金をもらいながら扶養に入れる?扶養の条件や制度を徹底解説!

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障害年金を受給すると、精神的にも経済的にも安定し、治療やリハビリにも専念しやすくなります。

また、障害年金を受給している人でも、働いて収入を得ている方も多いかと思います。

しかし、障害年金を受給しながら就労していると気になるのが「扶養」についてですよね。

「障害者年金をもらっていても扶養に入れる?」
「扶養から抜けなければいけない条件とは?」

今回は、上記のような疑問を解決する記事となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

1.障害者が障害年金を受け取りながら扶養に入れる条件

障害のある方が、障害年金を受け取りながら扶養に入れる条件は「障害年金とその他の収入を合計して180万円未満かつ​​、被保険者の年間収入の2分の1未満であること」です。

通常、社会保険の被保険者の扶養者は、「被保険者と同一世帯に属している場合は、年収が130万円未満かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること」とされています。

参照:被扶養者とは?|全国健康保険協会

ただし、扶養対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は、年収180万円未満までと扶養条件が緩和されています。

そのため、障害年金を受給しながら働くことは十分に可能です。

たとえば、障害年金の3級に認定された場合、最低保証額は年間596,300円で月額に換算すると49,691円です。

この場合、扶養内での就労年収は1,203,700円で月収は100,308円となります。

つまり、障害年金3級を受給しながら扶養内で働くには月収約10万円未満であることが条件です。

ただ、これはあくまで障害者年金3級受給者のモデルケースであり、年金等級や受給金額によって扶養の条件は変動するので、ひとまず180万円未満であれば障害年金を受給していても、働きつつ扶養に入れると覚えておきましょう。

2.障害年金を受け取って扶養家族から外れた場合の手続き


2-1.社会保険の切り替え

先ほども解説した通り、障害者年金と就労年収を合わせて、年収が合計180万円を超える場合には扶養から外れなければなりません。

扶養から外れると、国民年金の資格を第3号被保険者から第1号被保険者へ切り替える必要があります。

第1号被保険者に切り替えるには、市区町村窓口にて手続きを行い「国民年金保険料領収(納付受託)済通知書」(納付書)が送付されたら、国民年金の保険料を自分で納めるようにしてください。

社会保険は、資格失効日から14日以内が期限とされているので、早めに切り替え手続きをしなければなりません。

ただ、勤務先の社会保険への加入が可能であれば、事業所の健康保険や厚生年金などの社会保険への手続きを行います。

では、次に勤務先の社会保険への加入条件について解説していきましょう。

2-2.勤務先の社会保険への加入条件

​​パート・アルバイトなどの労働者は、正社員の勤務時間と比較して週の所定労働時間及び月の所定労働日数が、正社員の4分の3を超えると社会保険の加入対象となります。

また、勤務時間が正社員の4分の3に満たない場合でも、以下の条件を全て満たす場合には、社会保険に加入が可能です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 継続して2ヶ月超の勤務が見込める
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 学生でない
  • 従業員101人以上の事業所に勤務している(特定適用事業所)
    ※2024年10月からは従業員数51人以上の事業所も対象


勤務先で加入できる場合は、厚生年金保険や健康保険料を給与から天引きという形で支払いを行います。

社会保険の加入手続きは、基本的に事業所を通じて行うので、そこまで難しくはないでしょう。

3.扶養から外れた場合の国民年金保険料の支払いはどうなる?

先ほども解説した通り、扶養から外れると国民年金保険料の支払い義務が発生します。

ただし、障害年金が2級以上に該当する場合は「法定免除制度」が適応されるため、国民年金保険料が全額免除されます。

国民年金保険料の法定免除制度の手続きは、市区役所または町村役場に「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出しなければなりません。

また、免除期間は過去に遡って適用することが可能なので、すでに納めた保険料であっても、免除の対象になれば還付されます。

免除期間についての老齢基礎年金の額は、平成21年3月以前の期間は1ヶ月を3分の1、平成21年4月以降の期間は1ヶ月を2分の1で計算されます。

つまり、免除は認められていても将来もらえる年金が減ってしまうのです。

ただし、免除期間にかかる年金を満額にしたい場合は、10年以内に追納することで老齢基礎年金の年金額を増やすことができます。

4.障害年金受給者が受けられる控除について


4-1.障害者控除の対象者

障害年金受給者や、障害者の同一生計配偶者または扶養親族に当てはまる場合は、障害者控除の対象になります。

障害者控除の対象者は「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の3種類に区分され、それぞれの定義は以下の通りです。

障害者の対象者(※下記のいずれかに当てはまる人)

  • 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人
  • 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
  • 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人
  • 精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、障害の程度が市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
  • 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人



特別障害者の対象者(※下記のいずれかに当てはまる人)

  • 重度の知的障害と判定された人
  • 身体障害者手帳の等級が1級または2級の人
  • 精神障害者保健福祉手帳の等級が1級の方
  • 戦傷病者手帳の交付を受けていて、障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人
  • 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
  • その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人
  • 満65歳以上の人で市町村長、特別区区長や福祉事務所長の認定を受けている人



同居特別障害者の対象者(※全ての条件を満たす人)

  • 特別障害者の同一生計配偶者または扶養親族である人
  • 本人、配偶者、生計を一にする他の親族のいずれかと常に同居している人


参照:No.1160 障害者控除|国税庁

障害者と特別障害者は、本人が対象者となりますが、同居特別障害者の場合は障害のある親族を扶養している親や同居家族のことを指しています。

4-2.所得税の控除・扶養控除

障害年金の受給者や障害者手帳を所持している方の配偶者、扶養親族は「所得税の障害者控除」の対象者となり、一定額の控除が受けられます。

障害者控除の区分や控除額については、以下の通りです。

区分控除額
障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

参照:No.1160 障害者控除|国税庁ト

区分によって控除額がそれぞれ異なり、最も控除額が大きい「同居特別障害者」では控除額が75万円です。

なお、所得税の障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。

所得税の確定申告についても気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

4-3.相続税の控除

相続税の障害者控除とは、障害者である相続人が85歳未満である場合、相続税を一定額控除できる制度です。

控除額は、相続者本人が「一般障害者」または「特別障害者」のいずれかによって決まります。

一般障害者と特別障害者の区分については、国税庁のホームページで確認できますので、参考にしてみてください。

参照:第19条の4《障害者控除》関係|国税庁

では、相続税控除の計算式をみていきましょう。

一般障害者「10万円×(85歳−相続開始日の障害者の年齢)」
特別障害者「20万円×(85歳−相続開始日の障害者の年齢)」

上記の計算式を具体的な相続年齢を当てはめると、控除額は以下の通りになります。

一般障害者の場合

10万円×(85−40歳)=450万円の控除

なお、障害者本人の相続税から控除金額が引ききれない場合には、障害者の扶養義務者の相続税から控除することが可能です。

4-4.贈与税の控除

特定障害者の生計費を確保するため、一定の信託契約に基づいて財産を受け取る場合には、贈与税が非課税になります。

特定障害者とは、特別障害者および特別障害者以外の障害者のうち精神に障害がある方が対象です。

ちなみに、特別障害者に当てはまる例としては、以下の通りです。

  • 身体障害者手帳1・2級の人
  • 精神障害者保健福祉手帳1級の人
  • 重度の知的障害者と判定された(療育手帳にAと記載されている)人



また、等級に関わらず精神に障害がある人も特定障害者に当てはまります。

この2通りの分類により、非課税上限額が変わっていくのでみていきましょう。

贈与税の非課税の上限額

  • 特別障害者が6,000万円まで
  • 精神に障害がある特定障害者は3,000万円まで



なお、贈与非課税の適用を受けるためには、「障害者非課税信託申告書」を、信託会社を通じて所轄税務署長に提出する必要があります。

4-5.その他非課税対象となるもの

障害者は、これまで解説した控除の他にも、非課税対象となる制度があります。

  • 心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の非課税
  • 少額貯蓄の利子の非課税
  • 前年の合計所得金額が135万円以下の人は、住民税(市・県民税)が非課税



たとえば、上記のような給付金を受け取った際の免除や、預貯金の利子が元本350万円まで非課税などです。

また、前の年の年収が135万円以下の障害者は、住民税(市・県民税)が非課税となり、税負担が軽減されます。

5.最後に

今回は、障害者年金をもらいながら扶養に入る条件や、扶養から外れた場合の社会保険の支払い手続きなどを解説してきました。

障害者年金を受給している障害者は年収180万円以内であれば、扶養から外れることはありません。

また、扶養から外れた場合は、速やかに社会保険の切り替えや国民年金の手続きが必要です。

税金や社会保険の仕組みは複雑ですが、障害者の扶養範囲や控除額は通常よりも緩和されています。

正しい知識を知って、障害者年金を受給しながらより良い社会生活を営んでいきましょう。

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