障害と向き合う挑戦者 【脳卒中で倒れた経験を活かし、リハビリ・治療のアドバイスで脳卒中患者に寄り添う】一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会 代表川端邦裕さんに迫る!

【脳卒中で倒れた経験を活かし、リハビリ・治療のアドバイスで脳卒中患者に寄り添う】一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会 代表川端邦裕さんに迫る!

一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会代表の川端邦裕さん

脳卒中を患った方やそのご家族は、リハビリや治療だけでなく、社会復帰や日常生活において悩むことも多いかもしれません。

今回は、一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会代表の川端邦裕さんを取材させていただきました。

川端さんは、ご自身が脳卒中で倒れた経験から、脳卒中患者の方々が抱える悩みや問題を理解し、アドバイスやサポートを提供されています。

脳卒中を経験した方々に寄り添い、役立つ情報やアドバイスを提供する一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会。

その活動内容や、川端さん自身の経験についてお伝えします。

1.一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会ってなに?

一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会は、脳卒中患者や家族の生活支援を行っている団体です。脳卒中を患った人の生活に必要な情報の提供や、専門家との連携を通じた支援を行っています。

脳卒中は急性期だけでなく、その後の生活にも大きな影響を与える病気であり、回復までの期間は長期に渡ることがあります。

しかし、そのような状況での社会参加は、周囲の理解や支援が十分でないことが多いため、協会は脳卒中患者や家族が抱える問題に対して、的確なアドバイスを提供し、支援を行っているのです。

1-1.脳卒中患者を悩ませる180日の壁

【インタビュアー(ライター):福岡/インタビュイー:川端さん】

福岡:脳卒中サバイバーが抱える大きな問題の一つである「180日の壁」について教えてください。

川端:「180日の壁」は厚生労働省が2006年に設定したもので、脳卒中患者がリハビリテーションを180日以上受ける場合、保険適用が減少するというものです。

この180日という壁を超えると、患者は自己負担が大きくなるか、リハビリが制限されるか、あるいはリハビリ施設を探して自己負担で受けるしかなくなります。

これは、特に仕事をしている人にとっては大きな問題で、リハビリを受けるために仕事を休むことが出来なかったり、自力でリハビリ施設を探すことになったりと、今まで通りのリハビリを受けることが困難になる場合があります。

福岡:180日というのは何か目安があったりするのでしょうか?

川端:厚生労働省によると、180日を過ぎた人とその前の人とでは、改善度合い、良くなる度合いが違うというエビデンスがあるらしいです。

ただ、当たり前の話ではありますが、脳卒中は軽い方も含めて、初期は治りやすく良くなりやすいので、反対に時間が経てば経つほど治りにくくなるというのは傾向としてあると思います。

福岡:この問題を解決するために、どういった取り組みがあるのか教えてください。

川端:自費でのリハビリができる場所がお近くにあれば、利用するのも一つの手です。

また、病院の外来では、1ヶ月で13単位、1週間に1時間程のリハビリを受けられる制度があるのでそちらを活用していただけます。

リハビリを受けられる場所や制度が分からない方には、私たち協会が、その方のライフスタイルに合わせてリハビリを行う場所の情報提供をさせていただきます。

1-2.脳卒中患者のための駆け込み寺

一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会が提案したバリアフリーのエレベーター

福岡:脳卒中サバイバーが未来に向かって一歩踏み出すための施設として「駆け込み寺」を去年開設されたとお聞きしました。こちらはどういった施設なのでしょうか?

川端:脳卒中サバイバーの方々が訪問しやすい場として「駆け込み寺」を開設しました。

一番のこだわりポイントとして、入口にはスロープ、建物内にはエレベーターを設置してバリアフリーにすることで、どなたでもお越しいただけるようにしました。

遠方の方はZoomでお話する形を取っていますが、できるだけお越しいただいてフェイストゥーフェイスでお話するということを大事にしています。

建物は3階建てで、3階にはカウンセリングルームがあり、少人数の脳卒中当事者会などのミーティングが可能なスペースがあります。2階にはパーソナルケアスペースがあり、セラピストによる体のケアや簡単なリハビリなどが受けられるので、是非ご利用ください。

施設の利用方法については、お問合せフォームからご連絡いただくのが最もスムーズですが、お電話でも対応可能です。

私自身がとても意識しているところがありまして、お電話をかけることはかなり勇気がいることだと思うので、勇気を振り絞ってお電話をくださる方に対して、しっかりとお力添えしたいというふうに思っております。

 

2.代表 川端邦裕さんってどんな人?

一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会のカウンセリングの様子

紙オムツや生理用品のメーカーに勤め、脳卒中を発症する前は営業マンとして全国を飛び回っていたという川端さん。

名古屋、宇都宮、大宮、青森、札幌、大阪、盛岡と、全国を旅人のように転勤してきた川端さんは、現在も同じ会社で働いています

2-1.経歴・実績

・2015年10月5日 脳出血発症
・2016年3月26日 回復期リハビリテーション病院退院
・2016年7月 職場復帰
・2020年10月 一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会 設立
・2021年3月~6月 クラウドファンディングのプロジェクト実行
・2022年5月 脳卒中サバイバーのための「駆け込み寺」完成


2-2.ある日突然体が動かなくなった

福岡:脳卒中が起きた当時、焦りや不安のようなものはあったのでしょうか?

川端:発症したのは自宅でデスクワークをしている時でした。

左手足が動かなくなって、(あれ?なんかおかしいな、ちょっと体調悪いから寝ようかな)と思ったんですけど、これは寝ちゃいけないなと思い、ギリギリ何とか携帯電話を取り119番通報することができまして、救急車を呼び、入院しました。

回復期リハビリテーション病院に転院してからは、カンファレンスという会議があり、その中で「あなたは一生装具を付けた中途障害者になります」と伝えられました。

ショックでしたし少し思い詰めはしましたが、正直自分の身体はもっと良くなると思っていたのであまり悲観していませんでした

2-3.病気になって気づいた社会の壁

福岡:社会復帰を目指していく中で、川端さんの一番困った部分をお聞きしたいです。

川端:会社に一度戻っておかないとまずい!という気持ちはありました。

杖や装具をつけて、毎日出勤することができるかどうかも心配で、左手も使えるレベルではなかったため、不安がありましたが、人事と産業医に直談判して何とか復職することができました

病気をする前のことを知ってる人に病気をした後の姿を見られることにも抵抗があり、見られたくないなという気持ちがありましたが、今は健康にも気を遣いながら、職場での仕事に取り組んでいます。

福岡:相談者の中では、どういった困りごとがありましたか?

川端:意外と知られていないのですが、実は障害者手帳を持っていなくても、障害年金を受け取ることができるんです。

ある相談者の方は脳卒中を経験し、手足の麻痺はなかったものの、後遺症として四肢疼痛という症状に苦しんでいました。仕事に支障があり「仕事を少しセーブしたい。でも収入が減るから困っている」とご相談いただいたため、まずは診断書の取得をサポート。

その方は障害者手帳をお持ちでなかったので、協会の方で手続きをお手伝いした結果、無事に障害年金を受給することができました

3.事業を通して伝えたい想い

福岡:脳卒中ライフアドバイザー協会の活動を通して、伝えたいことはありますか?

川端:一人ひとりの自己実現がとても重要であると考えています。

そもそも自己実現とは何なのかなと考えた時に、「自分自身が納得できたかどうか」だと私は思っています。

体の問題は、元に戻したいとか完治したいという想いがあってもなかなか上手くいかないことも多々ありますが、自分がやるべきことをやって納得できるまでやり抜くことが非常に大切です。

選択肢が多い中で、自分が選んでやったことによって納得できるという方向性が重要だと思いますし、私たちは情報提供を通じて、多くの選択肢を提示し、お一人おひとりが自己実現を叶えていけるようにサポートしたいと考えています。

4.川端邦裕さんがこれから創る未来とは

福岡:川端さんが今後どのような未来を作っていきたいかを教えてください。

川端:今の活動を継続していくという点では、小さく始めて大きく育てたいと考えていまして、現在、病院などで脳卒中ライフアドバイザー研修会を開催できるか相談している最中です。

本当に重要なのは、今一人ひとりの脳卒中当事者の方が自己実現を果たし、社会復帰できることであると思います。

そうしたことを一つひとつ積み重ねていき、まずは地元の名古屋市南区を中心にカウンセリングなどの活動を拡充していきたいですね。

また、脳卒中当事者や障害者が住みやすい街づくりをしたいと考えています。

障害者と健常者を区別すること自体がナンセンスだと思っているので、真の共生社会を作っていくことが私の目的であり、目標です。

5.最後に

脳卒中サバイバーの選択肢を増やして、社会復帰などの自己実現に繋げていくため日々行動し続ける川端さん。

脳卒中ライフアドバイザーの活動は天命だ」と語る川端さんだからこそ、脳卒中サバイバーの方に寄り添い、一人ひとりの立場に立った支援が可能なのだと筆者は感じられました。

今回の記事を通してご相談がしたいと思われた方は、ぜひ下記のホームページからお問い合わせをしてみてください。

公式HP:https://www.stroke-life-adviser.org/

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