嚥下障害があっても家族で食事がしたい!そんな思いに寄り添うサイト「嚥下食レストラン.jp」とは?

様々な嚥下食

嚥下食レストラン.jpとは、嚥下障害がある方が家族と一緒に、外食でも美味しく嚥下食を食べられるよう、嚥下食を食べることができるレストランやお店を紹介する目的で開設された紹介サイトです。

嚥下障害があるために諦めていた外食でも、このサイトを利用すれば、嚥下食が食べられるお店を簡単に探すことができ、みんなで楽しい食事の場を共有することができます。

嚥下食とはそもそも何なのか、嚥下食レストランが開設された経緯やサイトの使い方などを詳しく解説していきます。

1.嚥下障害って何?

嚥下障害とは、摂食・嚥下障害ともいい、上手く食べることができない、飲み込むことができない状態のことです。

具体的な症状については、食べるとむせる・形があるものを噛んで飲み込めない・食事に時間がかかる・食べると疲れるなど、さまざまです。原因も人によって異なるうえ、新生児から高齢者まで幅広い年齢層で確認されています。

さらに、食べ物が上手く摂取できないことが原因で、体重の減少や低栄養、脱水を引き起こすこともあり、気管に食べ物が入ってしまった場合には、誤嚥性肺炎や窒息などの合併症が起きる可能性もあります。

参照:歯とお口のことなら何でもわかる|テーマパーク8020


2.嚥下食とは?

魚の形をした嚥下食

嚥下食とは、さまざまな理由で食べることや飲み込むことが難しい方でも、食べやすく飲み込みやすいように、形やとろみなどで工夫された食品のことをいいます。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021によると、嚥下食は嚥下の状態により5つの分類に分けられるようです。

名称形態目的・特色主食の例
0-j 嚥下訓練食品均質で付着性・凝集性・かたさに配慮したゼリー離水が少なく,スライス状にすく うことが可能なもの重度の症例に対する評価・訓練用少量をすくってそのまま丸呑み可能残留した場合にも吸引が容易たんぱく質含有量が少ない
0-t 嚥下訓練食品均質で、付着性・凝集性・かたさ に配慮したとろみ水重度の症例に対する評価・訓練用少量ずつ飲むことを想定ゼリー丸呑みで誤嚥したりゼリーが口中で溶けてしまう場合たんぱく質含有量が少ない
1-j 嚥下調整食均質で、付着性、凝集性、かた さ、離水に配慮したゼリー・プリ ン・ムース状のもの口腔外で既に適切な食塊状となっている(少量をすくってそのまま丸呑み可能)送り込む際に多少意識して口蓋に舌を押しつける必要がある0j に比し表面のざらつきありおもゆゼリー,ミキサー粥のゼリー など
2-1 嚥下調整食ピューレ・ペースト・ミキサー食 など、均質でなめらかで、べたつかず、まとまりやすいもの スプーンですくって食べることが 可能なもの口腔内の簡単な操作で食塊状となるもの(咽頭では残留,誤嚥をしにくいように配慮したもの)粒がなく,付着性の低いペースト状のおもゆや粥
2-2 嚥下調整食ピューレ・ペースト・ミキサー食 などで、べたつかず、まとまりや すいもので不均質なものも含む スプーンですくって食べることが 可能なものやや不均質(粒がある)でもやわらかく,離水もなく付着性も低い粥類
3 嚥下調整食形はあるが,押しつぶしが容易、食塊形成や移送が容易 、咽頭でば らけず嚥下しやすいように配慮さ れたもの 多量の離水がない舌と口蓋間で押しつぶしが可能なもの押しつぶしや送り込みの口腔操作を要し(あるいはそれらの機能を賦活 し),かつ誤嚥のリスク軽減に配慮がなされているもの離水に配慮した粥など
4 嚥下調整食かたさ・ばらけやすさ・貼りつき やすさなどのないもの 箸やスプーンで切れるやわらかさ誤嚥と窒息のリスクを配慮して素材と調理方法を選んだもの歯がなくても対応可能だが,上下の歯槽提間で押しつぶすあるいはすりつぶすことが必要で舌と口蓋間で押しつぶすことは困難軟 飯・全 粥など
引用元:日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021|5ページ

なかには、ただ食べやすいだけではなく、食事をとる方が美味しく楽しく食べられるように、見た目も普通食(常食)とほとんど違いのないような嚥下食も開発されています。

そして、嚥下障害がある方が、多様な選択肢から自分の好きなメニューを選ぶことができ、美味しい食事ができるように対応している飲食店があります。

ただ、ホームページを確認しても、嚥下食に対応していると記載のあるお店やレストランは少なく、調べただけでは分からない場合が多いようです。

次の章で詳しく解説しますが、上記のような工夫がされた嚥下食に対応している飲食店を、写真付きでまとめて紹介してくれているサイトが、嚥下食レストラン.jpです。

3.「家族で一緒に食事を楽しみたい」を叶える嚥下食レストラン.jp

黒を基調としたレストランの店内

「諦めかけていた家族みんなでの食事」を叶えてくれる嚥下食レストランについて、まとめてみました。

3-1.嚥下食レストラン.jpってどんなサイト?

冒頭でもご紹介しましたが、嚥下食レストラン.jpは嚥下障害のある方が、家族と一緒に外食でも美味しく食事ができるよう、嚥下食に対応したレストランやお店を紹介する目的で開設された紹介サイトです。

キーワードや地域、提供サービススタイル、ジャンルなどから自分が探したいお店の条件を選ぶことで、嚥下食だけでなく、バリアフリーがされているか、出張シェフができるかなど、一人ひとりの状況に合ったお店を見つけることができます。

3-2.サイト立ち上げの経緯

嚥下食レストラン.jpは、一般社団法人 日本誤嚥性肺炎予防協会によって運営されているサイトです。公式サイトには、開設の経緯について下記のように記載されています。

嚥下食とは何らかの原因があり、一般食を飲み込みにくくなった際に、食事を柔らかくして、飲み込みを手伝う食事です。 しかし、嚥下食はいつでも食べることができるわけではありません。それには特殊な技術が必要です。 誰だって美味しいものを食べたら笑顔になる、誰だっていつでもどんな時でも美味しいものを食べたい、そう思うのは当然の事です。ところが、嚥下障害がある方はそうはいかない事もあります。 そんな方でも家族と一緒に美味しく嚥下食を食べることができるレストランやお店をご紹介する目的で当サイトを開設しました。

引用元:嚥下食レストラン.jp|嚥下食とは


3-3.サイトの使い方を徹底解説!

嚥下食レストラン.jpの使い方は、とても簡単です。サイトのTOPページに探しているレストランやお店がない場合には、サイト内の検索欄を活用します。

キーワード、地域、提供サービススタイル、ジャンルなどから、調べたい内容を選択して検索することで、自分に合ったレストランやカフェなどを見つけることができます。

お店の外装や内装、メニューなどが写真とともに掲載されていてとても分かりやすく、お店の方からのコメントもあるため、親しみやすく相談もしやすい印象です。

中には、バリアフリー対応のトイレの写真を掲載しているお店もあります。

4.最後に

嚥下食レストラン.jpで嚥下食対応の飲食店が簡単に探せるようになることで、嚥下障害によって諦めかけていた家族での外食が叶いやすくなるのではないかと思います。

嚥下食だけでなく、バリアフリー情報なども掲載されていて、痒い所に手が届く充実した内容となっているため、高齢者や身体障害のある方にとっても便利なサイトです。

地域によっては、紹介されている対応店舗が多くない場所もありますが、多くの人が利用して広めていくことで、嚥下食に対応したい、掲載してほしいと思う店舗も増えていくかもしれません。

この記事を読んで興味を持ってくれた方は、ぜひ一度嚥下食レストラン.jpを利用してみてはいかがでしょうか。

参照:嚥下食レストラン.jp|一般社団法人 日本誤嚥性肺炎予防協会

Ayumiではとろみ食や嚥下食についての記事も紹介しています。興味をお持ちの方はご覧ください。

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