「車椅子での旅行は、行く場所が限られてしまう……」そう考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、近年ではバリアフリー化の推進で車椅子でも楽しめる観光スポットも増えてきています。
今回は、車椅子の方でも絶景・夜景が楽しめるスポットを5つご紹介すると共に、絶景・夜景を楽しむ上での注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.友達に教えたくなる!絶景・夜景が楽しめるおすすめスポット5選!
1-1.岐阜で天空の上の絶景を!白川郷展望台デッキ(白山白川郷ホワイトロード)

まずご紹介する絶景スポットは岐阜県にある白川郷展望台デッキです。
こちらの展望デッキは、石川県白山市と岐阜県白川村を結ぶ、全長33.3kmのドライブロード「白山白川郷ホワイトロード」区間内にあり、世界遺産の白川郷や立山連峰を望むことができます。
絶景が見渡せる展望デッキまでは、全長350mの長さのスロープが設置され、勾配6%の道路に沿って並行にあり少し急ですが、車椅子でも通行できるように道幅が広めに設計されています。
また、展望台の駐車場にある多目的トイレには、ユニバーサルシート(介護用ベッド)やオストメイト対応トイレも設置されていて、バリアフリー設備も充実しているので安心です。
このように白川郷展望台デッキは、車椅子や高齢者の方、小さいお子さんがいるご家族など、誰もが気軽に景色を楽しめるように、バリアフリーを前提に設計されています。
ちなみに白山白川郷ホワイトロードは、開通期間が6月〜11月までとなっているので、夏から秋にかけてしか楽しめない期間限定の絶景スポットです。
1-2.東京の街並みを見渡せる景色を堪能しよう!東京シティビュー

東京シティビューは、「六本木ヒルズ森タワー」の52階、海抜250m地点にある都会の景色を一望できる展望施設です。
展望台には、屋内と屋外の2つがありますが屋外へアプローチするには、階段を登る必要があるため、車椅子ユーザーは屋内のみの見学となります。
ただ、屋内といっても窓枠が高く車椅子の目線からでも視界が広く、まさに絶景です。
屋内展望回廊からは、東京の街を見渡すことができ、東京タワーやスカイツリーはもちろんのこと、天候がいい日は富士山を望めます。
また、同階にある「スカイギャラリー」では、1年を通してイベントや展覧会を開催しているので、眺望と合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか?
参照:東京シティビュー – TOKYO CITY VIEW|森ビル株式会社
1-3.360度絶景!長野にある新穂高ロープウェイ

新穂高ロープウェイは、標高2,200mから北アルプス(飛騨山脈)の景色を一望できる山岳ケーブルカーです。
日本で唯一の2階建てロープウェイとして注目を集め、2021年には累計乗車数1,800万人を突破しています。
また、西穂高口駅の屋上にある展望デッキからの眺望は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得しています。
車椅子ユーザーは、エレベーターやスロープがある新穂高温泉駅から乗車し西穂高口駅を目指すのがおすすめです。
ゴンドラへの乗車も係員の方がスロープを出してくれるので、障害者も安心して乗り入れることができます。
参照:【公式サイト】新穂高ロープウェイ|奥飛観光開発株式会社 管理部
1-4.函館の美しい景色と街並みを一緒に楽しめる!函館山

函館山の夜景は、長崎の稲佐山と神戸の摩耶山に並ぶ「日本三大夜景」の一つとしても知られ、100万ドルの夜景とも称されています。
そんな函館山へ登るおすすめのルートは、ロープウェイです。
函館山ロープウェイは、通常は15分間隔で運行しており混雑時には、5〜10分間隔で乗車できるので、長時間待つこともありません。
また、乗り場まではエレベーターを利用することもできるので、車椅子のままでも安心して山頂を目指せます。
展望台施設には、函館山の夜景を一望できるレストランや売店があり、車椅子が通れるように通路幅も広々としているのが特徴です。
函館山に行くおすすめの時間帯は、市街のあかりが灯り始める日没後20〜30分後なので、ぜひその時間を狙って行ってみてはいかがでしょうか?
1-5.日本新三大夜景の一つ!長崎にある稲佐山

最後にご紹介するのは「夜景サミット2022 in札幌」にて、日本新三大夜景に認定された稲佐山から望む絶景です。
また、稲佐山の夜景は「一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューロー」で世界新三代夜景としても認定されており、その景色は世界からも高く評価されています。
稲佐山の山頂(標高333m)にある総ガラス張りの展望塔「ビュータワー」からは、長崎市街や長崎港、快晴時には五島列島・雲仙・天草が一望できます。
ビュータワーへのアクセスは、長崎ロープウェイ・スロープカーが運行されており、どちらも車椅子での乗車が可能です。
ゴンドラは、高級車フェラーリを手がけた工業デザイナー奥村清行氏率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」により設計されたもので、スタイリッシュで洗練されたデザインです。
展望台の2階にある「稲佐山レストランITADAKI」では、絶景を眺めながら美味しい料理を楽しむことができます。
また、スロープカーの発着点となる稲佐山公園は、身体障害者専用の駐車場やバリアフリートイレも多数完備されています。
参照:稲佐山公園WEB|株式会社リージョナルクリエーション長崎
2.絶景・夜景を楽しむ上での注意点
2-1.ツアーの場合はバリアフリー対応かを確認しておこう
現在では、車椅子に対応した旅行ツアーも増えてきています。
その背景には、国土交通省観光庁の「ユニバーサルツーリズム促進事業」が大きく影響しています。
ユニバーサルツーリズムとは、高齢や障害等の有無にかかわらず、すべての人が安全に旅行を楽しめることを目指した考え方です。
旅行会社でも、ユニバーサルツーリズムの考え方が浸透し、バリアフリー対応のツアーも多くなりました。
事前にこのようなバリアフリーに特化したツアーを確認しておくことも、効率よく絶景を巡る一つの方法です。
また、Ayumiでは旅行先のバリアフリー情報も掲載しているので、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
全国版はこちら:バリアフリー情報サイトまとめ-全国版
関東版はこちら:バリアフリー情報サイトまとめ-関東版
関西版はこちら:バリアフリー情報サイトまとめ-関西版
2-2.トイレの種類と設置場所の確認
観光地で不安になることといえば、トイレですよね。
観光地によっては、多目的トイレがなかったり、設置箇所が少なかったりする場合もあります。
夜景・絶景スポットに行く前には、事前にトイレの種類や設置場所の確認をしておくようにしましょう。
それから、展望台についた際にはまずトイレの位置を確認しておくと、もしもの時にもスムーズに対応できます。
2-3.体温調節しやすい服装やアイテムを選ぶ
今回ご紹介した絶景スポットは、いずれも標高が高い場所にあります。そのため、地上との気温差が大きく、寒さを感じてしまうことも少なくないでしょう。
また、夜は昼間と違って冷えるので、夜景を見に行く際には、防寒対策を忘れてはなりません。
服装は、簡単に脱ぎ着ができるパーカーやカーディガンなど、すぐに羽織れるものがおすすめです。
くわえて、足元を冷やさないための膝掛けやブランケットを持参するのもいいでしょう。
体調を崩さないためにも、服装を工夫しながら思う存分絶景を楽しんでくださいね。
3.最後に
今回は、車椅子でも行ける絶景スポットを5つと、夜景・絶景を楽しむ上での注意点をお伝えしてきました。
全国でバリアフリー化が進む中で、砂利道や段差などの「バリア」をなくし、車椅子でも行ける観光地も増えてきています。
バリアフリーに対応したツアーであれば、より安心して旅行を楽しめるでしょう。
また、夜景や絶景を楽んだあとのことを想定したホテル探しも大切ですよね。
東横INのハートフルルームは全国に展開しているバリアフリー対策が充実しているホテルです。こちらの記事をご覧いただき、自分達が行く場所の近くに東横INのホテルがあるかを探してみるのもいいですね。
「障害者だから、旅行や観光は無理」と諦めることなく、今回ご紹介したスポットや旅行会社のツアーを参考にしながら、ぜひ絶景スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか?